元となった辞書の項目
at last
解説
1. 基本情報と概要
単語(句): at last
品詞: 副詞句(phrase)
意味(英語): “finally” / “in the end”
意味(日本語): 「ついに」「やっと」「とうとう」
「長い間待っていたことが、ようやく実現したときに使われる表現です。“ついに”とか“やっと願いがかなった”ようなニュアンスがあります。待ちわびていたことや困難があったことを暗示する使われ方が多いです。」
- 活用形: 副詞句なので活用はありません。
- 他の品詞例:
- “last”が形容詞の場合: “the last day”「最後の日」
- “last”が名詞の場合: “He was the last in line.”「彼は列の最後だった」
- “last”が動詞の場合: “This battery lasts three hours.”「このバッテリーは3時間もつ」
- “last”が形容詞の場合: “the last day”「最後の日」
CEFRレベル目安: A2(初級)
→ 「at last」は日常会話でもよく使われるため、英語学習初期から目にする機会がありますが、ニュアンスを理解し使いこなすには少し練習が必要です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- at: 前置詞
- last: 形容詞/名詞/動詞などとして使われる語。この場合は「終わりの」「最後の」のイメージ。
この2語が組み合わさり、「最後のところに」「ついに到達した」というニュアンスを持ちます。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- At last, we’re here. - 「やっと着いたね」
- Victory at last. - 「ついに勝利だ」
- Peace at last. - 「ついに平和が訪れた」
- Freedom at last. - 「ついに自由を得た」
- At last, I’ve found you. - 「やっとあなたを見つけた」
- He finished his project at last. - 「彼はついにプロジェクトを終えた」
- At last, the wait is over. - 「ついに待ち時間が終わった」
- She got the job at last. - 「彼女はとうとうその仕事を手に入れた」
- They decided to speak up at last. - 「ついに彼らは声を上げることにした」
- At long last - 「長いこと待ってやっと」「待ちに待った」という言い回し
3. 語源とニュアンス
- 語源: 中英語で“last”は「続く/最後まで行く」の意味を持ち、“at”は位置・場所を示す前置詞。そこから「最後の局面に到達する、ついに」という意味が生まれました。
- ニュアンス:
- 待ちくたびれた、やきもきしていた状況がやっと解消されたという安堵や喜びが伴うことが多いです。
- 口語でも文章でも使われ、カジュアルとフォーマルのどちらでも用いられますが、「感慨深い」トーンで使われるのが一般的です。
- 待ちくたびれた、やきもきしていた状況がやっと解消されたという安堵や喜びが伴うことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 文頭または文末に置かれることが多い:
例) “At last, we can start.” / “We can start at last.” - フォーマル/カジュアル: どちらの場面でも使えます。文章中で使うときは、しばしばカンマを伴って書かれることがあります。
- 可算・不可算などの区別: 副詞句なので適用されません。
- イディオム: “at long last” は「長いこと待った末に」「やっとこさ」といった強調表現です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “At last, the weekend is here! I can finally relax.”
(やっと週末だ!やっとくつろげるよ。) - “I’ve been searching for my keys everywhere. I found them at last.”
(あちこち探してた鍵を、やっと見つけた。) - “At last, we get to watch the new movie!”
(やっとあの新作映画を見られるね!)
ビジネスシーンでの例文
- “At last, we’ve signed the contract with our client.”
(ついにクライアントとの契約にサインしました。) - “The project is complete at last. Thanks to everyone’s hard work.”
(やっとプロジェクトが完成しました。皆さんのおかげです。) - “We got approval from the board at last, so we can start implementation.”
(やっと役員会の承認がおりたので、実行に移せます。)
学術的な文脈での例文
- “At last, the research team has published their findings.”
(ついに研究チームは成果を公表しました。) - “We have at last gathered enough evidence to support our hypothesis.”
(やっと仮説を裏付ける十分な証拠が集まりました。) - “The results at last confirm the initial theory.”
(結果はついに最初の理論を裏付けています。)
6. 類義語・反意語と比較
- 類義語:
- finally(「最終的に」)
- eventually(「結果的に」)
- in the end(「最終的には」)
- ultimately(「最終的に」)
- finally(「最終的に」)
これらはいずれも「結局」「最終的に」という意味ですが、at lastには「長かった」「待ち望んでいた」という感情的要素が強めに含まれることが多い点が異なります。
- 反意語: はっきりした反意語はありませんが、状況によっては「at first」(「最初は」)が対比的に使われることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ət ˈlæst/ または /æt ˈlæst/
- アクセント: “at”は弱く発音され、 “last”が強めにはっきりと発音されます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語: /æt ˈlæst/(「アト・ラァスト」)
- イギリス英語: /ət ˈlɑːst/(「アト・ラー(スト)」)
- 大きくは変わりませんが、“last”の母音がアメリカ英語では「æ」、イギリス英語では「ɑː」になる傾向があります。
- アメリカ英語: /æt ˈlæst/(「アト・ラァスト」)
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “atlast”と一語につなげてしまう誤り。正しくは“at last”とスペースを入れます。
- 混同しやすい表現:
- “at least”(「少なくとも」) … 音が似ているので混同に注意しましょう。
- “at least”(「少なくとも」) … 音が似ているので混同に注意しましょう。
- 試験対策: TOEICや英検のリーディングで、副詞句として文中で出てきたときに「ようやく」「ついに」の意味を素早く読めるようにしておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 音楽から覚える: “At Last”という有名な曲(エタ・ジェイムスで有名)があり、“やっと巡り合えた”というニュアンスが曲名からも感じられます。
- ストーリーを想像: 長いトンネルを歩いてきて、出口の光を見たときに「At last!(ついに!)」と叫ぶシーンをイメージすると覚えやすいです。
- スペリングのポイント: “at” + “last”の2語で構成されていることを意識すると、「少なくとも」の意味の“at least”とは混同しにくくなります。
以上が “at last” の詳細解説です。やっとの思いで成し遂げたときに使える便利な表現ですので、ぜひ覚えて使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(長い間待ち望んだり努力してきて)やっとのことで, ついに, とうとう