canned
以下では、英語の形容詞 canned
(キャンド)について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英語での意味
- “canned” = (1) 缶詰にされた、(2) 事前収録された、あらかじめ用意された(音声・メッセージ・笑い声など)
日本語での意味
- 「缶詰の」「あらかじめ録音・録画されている」といった意味です。
例えば、缶詰の食品にも使いますし、バラエティ番組などで実際の観客の反応ではなくあらかじめ録音した笑い声(canned laughter)を流すときにも使われます。
日常会話の中では「作りものっぽい」「用意された」というニュアンスで、「心がこもっていない感じ」を指すこともあります。
品詞
- 形容詞 (adjective)
活用形
- 原形:canned
- 比較級:より状態を比較する用法は一般的ではありませんが、文によっては more canned / most canned という形で強調的に用いられることも稀にあります。
他の品詞形
- can (名詞・動詞)
- 名詞の意味:「缶」
- 動詞の意味:「缶に詰める・保存する」、「(俗語で)首にする」など。
- 動詞の活用形:can - canned - canned
- 名詞の意味:「缶」
- canned の副詞形はありません。
CEFR レベル目安
- B2(中上級)
- 日常ではよく目にする単語ですが、語形変化や比喩的なニュアンスで使われると少しレベルが上がります。中上級者以上であれば違和感なく使いこなせるでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹
can
:もとは「缶」の意味。 - 接尾辞
-ed
:動詞の過去形・過去分詞形を形容詞として使う際にも用いられる。
詳細な意味・用法
- 「缶詰になっている」
- 食品や飲料が缶の中に詰められた状態を表す。
- 食品や飲料が缶の中に詰められた状態を表す。
- (比喩的に)「事前に録音・準備された」
- ラジオやテレビ番組などで、生放送や生演奏ではなく、あらかじめ録音された音声や拍手・笑い声を指す。
- ラジオやテレビ番組などで、生放送や生演奏ではなく、あらかじめ録音された音声や拍手・笑い声を指す。
関連単語・派生語
- canned food(缶詰食品)
- canned laughter(録音された笑い声)
- canned applause(録音された拍手)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- canned food → 缶詰食品
- canned soda → 缶入りソーダ
- canned tuna → ツナの缶詰
- canned soup → 缶入りスープ
- canned laughter → (番組用の)録音笑い声
- canned applause → 録音された拍手
- canned response → 決まり文句的な答え
- canned speech → あらかじめ用意されたスピーチ
- canned music → BGMなどで流れる録音音楽
- canned statement → 既成の(形式的な)声明
3. 語源とニュアンス
語源
can
(缶)という単語は、古英語のcanne
に由来します。缶に何かを詰める意味がさらに拡張され、そこから過去分詞形canned
として「缶詰の」「事前に用意された」という意味合いで使われるようになりました。
ニュアンスや使用時の注意
- 生鮮食品ではなく缶詰ということで、「新鮮さや生っぽさがない」というニュアンスを含む場合があります。
- 「あらかじめ録音・録画した」という意味では、「作り物らしさ」「機械的な印象」を強調することが多いです。
- カジュアルなシーンからビジネス、メディアの説明など、幅広く使われますが、フォーマルな文書では単に “pre-recorded” を使う場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
canned
は形容詞として、「~された」状態を示すときに用います。- 名詞を修飾して「缶詰の~」「事前に録音された~」のように使うのが一般的です。
- 例:canned vegetables(缶詰野菜)、canned laughter(録音された笑い声)
- 例:canned vegetables(缶詰野菜)、canned laughter(録音された笑い声)
- 比較級・最上級は、特別な比較目的がない限り使われることは稀です。
イディオムや構文の例
- “canned laughter” はテレビ・ラジオ界では使い勝手のよいフレーズです。
- ビジネスシーンでの “canned response” は「定型文的な・決まりきった返答」を指してややネガティブな含みがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
“I prefer fresh vegetables over canned ones.”
- 「私は缶詰の野菜よりも新鮮な野菜の方が好き。」
“We only have canned tuna for lunch today.”
- 「今日のお昼はツナ缶しかないよ。」
“It sounds like canned laughter on that show.”
- 「あの番組の笑い声は、録音されたものみたいに聞こえるね。」
ビジネスシーンでの例文(3つ)
“He gave a canned presentation that didn’t resonate with the audience.”
- 「彼のプレゼンは丸暗記したような決まりきったもので、聴衆の心には響きませんでした。」
“We should avoid canned responses in customer service emails.”
- 「顧客対応メールでは、型にはまった(ありきたりな)返信は避けるべきです。」
“Our marketing team proposed using canned testimonials for the ad.”
- 「我々のマーケティングチームは、あらかじめ用意された(やらせの)声を広告で使うことを提案しました。」
学術的な文脈での例文(3つ)
“The study analyzed the nutritional differences between fresh and canned produce.”
- 「その研究では、生鮮食品と缶詰食品の栄養価の違いを分析しました。」
“Students often complain about the canned examples in textbooks lacking real-world relevance.”
- 「学生たちは、教科書の型通りの例が現実との関連性に欠けるとよく不満を言います。」
“The paper criticized the use of canned statements by political figures.”
- 「その論文は、政治家による形式的な声明(決まり文句)の多用を批判していました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “pre-recorded”(事前に録音された)
- よりフォーマルで直接的に「録音済み」の意味を表す。
- よりフォーマルで直接的に「録音済み」の意味を表す。
- “tinned”(缶詰の)
- イギリス英語で主に使われる「缶入りの」表現。
- イギリス英語で主に使われる「缶入りの」表現。
- “packaged”(包装された)
- 「缶詰」よりも広く、袋や箱などに詰められる場合も含む。
反意語
- “fresh”(新鮮な)
- 食品においては、加工や缶詰にされていない状態。
- 食品においては、加工や缶詰にされていない状態。
- “live” / “live broadcast” (生の、生放送)
- 「事前収録の対義語」として、リアルタイム放送を示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /kænd/(アメリカ英語), /kænd/(イギリス英語)
- アクセントは語の最初の音節 “can” にあります。「キャン」にあたる部分をやや強く発音します。
- 似た音の “can’t”(/kænt/)とは母音が似ていますが、T音がない点で区別しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
canned
の “n” は2つ並びますが、よく “canned” を “caned” としてしまう間違いがあるので注意。 - 同音異義語との混同: “canned”と “can’t” は発音が似ていますが、意味は全く異なります。文脈でもはっきり区別されます。
- 試験対策:TOEICや英検で「缶詰」「録音された」「既製の」といった文脈で登場することがあります。特に「canned laughter」はコミュニケーションや放送に関連する語彙問題で出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「缶詰」からイメージする場合は「缶」を意識すると覚えやすいでしょう。
- “canned laughter” をテレビの「いつも同じ笑い声や拍手の効果音」と結びつけると、「機械的・手軽に使われるもの」という印象で覚えやすくなります。
- “can” + “-ed” の短い形で、「缶に入っている状態」を思い描くとスペルミスを防ぎやすいです。
以上が、形容詞 “canned” の詳細な解説です。
「缶詰」「あらかじめ準備された」ニュアンスをぜひうまく把握してみてください。
《米》かん詰めの《英》tinned)
《話》(レコード・テープに)録音された