元となった辞書の項目
court
解説
1. 基本情報と概要
英語: court
日本語: 裁判所、宮廷、コート(スポーツ)、ほか文脈による
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベル: B2(中上級)
- 裁判所や法律の場面、王族が住む宮廷、テニスなどのスポーツをするコートなどを指す単語です。
- フォーマルにもカジュアルにも使われ、文脈によって意味合いが変わります。
活用形
名詞なので、基本的には “court” (単数形) / “courts” (複数形) の形をとります。
- 例: one court / two courts
他の品詞になったときの例
- 動詞 (“to court”): (人)の歓心を得ようとする、求愛する、機嫌を取る
- 例: He tried to court her for months. (彼は何か月も彼女を口説こうとした)
2. 語構成と詳細な意味
「court」は、もともと“courtyard”(中庭)から来ていて、「囲まれた空間」や「支配者のもとに集まる場所」といった意味合いがあります。接頭語・接尾語がついているわけではありませんが、関連語としては「courteous (礼儀正しい)」「courtesy (礼儀)」「courtesan (高級娼婦)」などが同語源です。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- high court(高等裁判所)
- supreme court(最高裁判所)
- court hearing(審理)
- court order(裁判所命令)
- basketball court(バスケットボールコート)
- tennis court(テニスコート)
- court etiquette(宮廷の礼儀作法)
- take someone to court((人)を訴える)
- hold court((周囲からの注目を浴びて)話をする)
- court of public opinion(世論の場)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の “cohors(cohort)” がフランス語を経て英語に入ってきたとされ、「囲われた庭、中庭」あるいは「統括する場所」という意味合いを持っていました。
ニュアンスと使用時の注意点:
- 裁判所の意味では、公式でフォーマルな文脈(法律文書など)で頻繁に使われます。
- 王の宮廷や皇室に関しては文語的・歴史的・文学的にややフォーマルな響きがあります。
- スポーツのコートはカジュアルな日常会話や日常的なシーンでよく使われます。
- 一つの単語で多様な意味を持つため、文脈によって判断が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): a court / courts
- 法律系や王族関連の文脈はフォーマル寄り、スポーツ関連の文脈ではカジュアルにも使われます。
- よく使われる構文例:
- “take ~ to court” → “~を法廷に持ち込む(訴える)”
- “appear in court” → “出廷する”
- “hold court” → “(周りに人を集めて)話をする、注目される” (比喩的表現)
- “take ~ to court” → “~を法廷に持ち込む(訴える)”
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I’ll meet you at the basketball court at 3 PM.”
(午後3時にバスケットコートで会おう。) - “Do you know if there’s a tennis court in this park?”
(この公園にテニスコートがあるか知っていますか?) - “We used to play badminton in the school court.”
(私たちは以前、学校のコートでバドミントンをしていました。)
ビジネスシーンでの例文
- “They decided to take the contract dispute to court.”
(彼らは契約上の紛争を法廷に持ち込むことにしました。) - “Our legal team will represent us in court next week.”
(来週、私たちの法務チームが法廷で代理を務めます。) - “The court’s decision will significantly impact our company’s future.”
(裁判所の決定は当社の将来に大きく影響します。)
学術的・公的文脈での例文
- “The Supreme Court handed down a landmark ruling last year.”
(昨年、最高裁は画期的な判決を下しました。) - “In medieval times, the royal court influenced politics and culture.”
(中世では、王室の宮廷が政治と文化に影響を与えていました。) - “He wrote extensively about court life in the Elizabethan era.”
(彼はエリザベス朝期の宮廷生活について詳しく著述しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- tribunal(審判所)
- 法律上の決定を行う機関。よりフォーマルかつ限定的。
- 法律上の決定を行う機関。よりフォーマルかつ限定的。
- palace(宮殿)
- 建物としての「宮殿」を指すが、宮廷というよりは建造物の意味合いが強い。
- 建物としての「宮殿」を指すが、宮廷というよりは建造物の意味合いが強い。
- field(フィールド)
- スポーツを行うエリアを指すが、主に野外競技に用いるので “court” とは異なる。
- スポーツを行うエリアを指すが、主に野外競技に用いるので “court” とは異なる。
反意語 (Antonyms)
- 特定の反意語といえるものはありませんが、裁判所に対しては
outside the court
(法廷外)という表現で対比を表すことがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語 (AmE): /kɔːrt/ または /kɔrt/
- イギリス英語 (BrE): /kɔːt/
アクセント:
- 1音節の単語なので語頭に強勢がきます(“court” 一語全体がアクセント)。
- “caught” /kɔːt/ とよく似た音になる場合があるため、区別が難しいことがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: cuort, cort,などと書き間違えやすい。
- 発音: “caught” (捕らえた) と混同しやすい。
- 多義語: 法律関連とスポーツ関連で意味が異なるので、文脈から判断する必要があります。
- 試験対策: TOEICや英検などでは、法律的文脈(法廷)やビジネスでの紛争などの読解問題によく登場します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「court」は「囲まれた空間」「囲い」から派生しているイメージを持つと分かりやすいです。
- → スポーツコートは線で囲まれたエリア
- → 裁判所は規律がやや閉鎖的に守られた場所
- → 宮廷は王や女王のもとに人々が集められる空間
- → スポーツコートは線で囲まれたエリア
- スペリングは “court” で覚えましょう。「U が O のあとに入っている」という視覚的記憶を持つとミスを減らせます。
- “caught” と “court” の発音の違いも、落ち着いて母音の引き伸ばし具合を確認すると区別がしやすくなります。
以上が名詞としての “court” の詳細解説です。文脈に応じて、スポーツコート・裁判所・宮廷といった様々な意味合いで使われる点が重要です。ぜひ自然な会話や文書の中でも活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉(テニス・バスケットボールなどの)コート
意味(2)
〈C〉(場末の)路地,袋小路
意味(3)
〈C〉〈U〉《しばしばC-》宮廷,皇居;《集合的に》廷臣たち
意味(4)
〈C〉〈U〉法廷,裁判所(court of justice);裁判,公判(trial)
意味(5)
《the~》《集合的に》裁判官,判事
意味(6)
〈U〉《まれ》求愛,言い寄り;きげんとり,追従
意味(7)
(またcourtyard〈C〉(建物や壁に囲まれた)中庭;中庭式の区画