元となった辞書の項目
anguish
解説
1. 基本情報と概要
単語: anguish
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語):
・Extreme suffering, distress, or pain (especially mental or emotional)
意味(日本語):
・非常に強い苦悩、苦痛(特に精神的なもの)
こうした苦悩は、深い悲しみや絶望など、強い感情的な痛みを表すときに使われます。日常会話では頻繁には使われませんが、文学やドラマなどの表現でよく目にします。
活用形
- 名詞: anguish
- 形容詞形: anguished(苦悩している、苦しみに満ちた)
例: He looked anguished after hearing the news. - 動詞化はあまり一般的ではありませんが、まれに “anguish over 〜” のようなフレーズで動詞的に使われることもあります。
CEFRレベル(目安)
- C1(上級): 感情的な痛みを表す高度な語彙として、ネイティブでもやや文語的・フォーマルな文脈で用いられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- anguish は明確な接頭語・接尾語を含まない単語ですが、語源はラテン語の “anguish(a)”(苦しみ、憂鬱)に由来するとされています。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- mental anguish(精神的苦悩)
- physical anguish(身体的苦痛)
- anguish over a decision(決断をめぐる苦悩)
- anguish and despair(苦悩と絶望)
- cry out in anguish(苦痛の叫びを上げる)
- in deep anguish(深い苦悩の中で)
- anguish of separation(別離の苦しみ)
- hidden anguish(隠された苦悩)
- prolonged anguish(長引く苦痛・苦悩)
- anguish is evident on someone’s face(人の顔に苦悩がはっきり表れている)
3. 語源とニュアンス
語源
- anguish はラテン語の “anguish(a)” に由来し、元々は「狭い」「締め付ける」などを意味する語根から発達したとされています。そこから転じて、「締め付けられるほどの強い苦悩」を表すようになりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 非常に強い苦痛や苦悩を指すため、感情的に重い響きがあります。
- 文語的、少しフォーマルな文章や文学的表現でよく使われます。日常会話では「deep pain」「extreme sorrow」などの表現で言い換えられることも多いです。
- 映画や小説など、感情の大きな起伏を示すシーンで目にしやすい単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 名詞で基本的には不可算として扱われることが多いです。数えられない「苦悩」という概念を表すからです。
- 文脈: 感情や精神状態を名詞として表す場合に限定されます。
よく使う構文例:
- be in anguish (苦悩の中にいる)
- suffer anguish (苦悩に苦しむ)
- express one’s anguish (苦悩を表に出す)
- be in anguish (苦悩の中にいる)
フォーマル・カジュアルいずれでも使われますが、カジュアル会話では重々しく聞こえるため、あまり多用しません。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文
- “I could see the anguish in her eyes, but I didn’t know how to help.”
(彼女の目には苦悩が見えていたけど、どう助けていいかわからなかった。) - “He let out a cry of anguish when he saw the damage to his car.”
(車の損傷を見た彼は、苦痛の叫び声をあげた。) - “Talk to someone if you’re feeling anguish. Don’t keep it bottled up.”
(もし苦悩しているなら誰かに話して。抱え込まないでね。)
5.2 ビジネスシーンでの例文
- “The staff’s anguish over the sudden layoff was apparent.”
(突然のレイオフに対する従業員たちの苦悩は明らかだった。) - “We need to address the anguish our customers felt after the product recall.”
(製品リコールの後に顧客が感じた苦悩に対処する必要がある。) - “Her anguish over the failed deal impacted her performance.”
(契約失敗に対する彼女の苦悩が、彼女の業績に影響した。)
5.3 学術的・硬い文脈での例文
- “In psychology, prolonged anguish may lead to severe mental health issues.”
(心理学において、長期にわたる苦悩は深刻な精神疾患につながる可能性がある。) - “Historical records reveal the anguish caused by the famine of the 19th century.”
(歴史的記録は、19世紀の飢饉による苦悩を明らかにしている。) - “Many poets write about human anguish as a central theme in their works.”
(多くの詩人は、人間の苦悩を作品の中心的テーマとして描いている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- agony(激しい苦悩、痛み)
- anguish よりも身体的苦痛を強調するニュアンスがある。
- anguish よりも身体的苦痛を強調するニュアンスがある。
- torment(苦悩、苦痛)
- 精神的にも肉体的にも長く続く苦痛を表すことが多い。
- 精神的にも肉体的にも長く続く苦痛を表すことが多い。
- distress(苦悩、苦痛、苦境)
- anguish よりもやや軽く、動揺やストレスなどにも使われる。
- anguish よりもやや軽く、動揺やストレスなどにも使われる。
- pain(痛み、苦痛)
- 精神的・肉体的に広く使われる一般的な単語。
反意語 (Antonyms)
- relief(安堵、安心)
- comfort(快適さ、安心感)
これらは苦悩から解放される感覚を表すため、anguish の正反対のイメージを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈæŋ.ɡwɪʃ/
- アクセントは最初の音節 “AN” の部分に置かれます。
- アメリカ英語・イギリス英語: 発音に大きな違いはありませんが、アメリカ英語でより “æ” が強めに、イギリス英語でやや“ɑ”に近いことがあります。
- よくある発音の間違い: 語中の “guish” を /gɪʃ/ ではなく、/gwɪʃ/ としっかり発音するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “anguish” は “angu*ish” の部分に注意。 “anguesh” や “angush*” と間違えないようにしましょう。
- “anger” との混同: “anger” は「怒り」、 “anguish” は「苦悩」で、意味がまったく異なります。
- 試験対策: TOEICや英検の上級レベルで読解問題に出ることがあります。主に感情表現や文学的な文章で登場しやすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「心がぎゅっと締め付けられる (anguish)」というイメージで覚えるとわかりやすいかもしれません。
- スペルの中の “guish” が「苦痛でうずく感じ」と覚えるなど、音とイメージを結びつけると記憶が定着しやすいです。
- “ang(uish)” と “anguish” の形から “anger” と似ていると思われがちですが、実際はまったく異なる意味なので、そこを区別して覚えることがポイントです。
以上が名詞 “anguish” の詳細な解説です。深い苦悩や苦痛を的確に表現できる言葉なので、文章表現力を高める上で理解・活用すると便利です。
意味のイメージ
意味(1)
(…に対する)(心身の)激しい苦しみ,苦悶(くもん)《+over+名》