元となった辞書の項目
marrow
解説
1. 基本情報と概要
英単語: marrow
品詞: 名詞 (noun)
日本語訳: (1) 骨髄、(2) (比喩的に) 本質、核心、(3) (主に英) マロー(大きなカボチャのような野菜)など
「marrow」は、主に「骨の内部にある骨髄」を表す言葉です。比喩的に「物事の核心・本質」を意味する場合にも使われます。またイギリス英語では、「マロー」という大型のカボチャのような野菜を指すことがあります。
こういう場面で使われる:
- 医学・生物学の文脈で「骨髄」の意味として。
- 文学的または比喩的に「核心・本質」の意味として。
- 日常会話ではあまり頻繁に出ませんが、イギリスで料理に関して「マロー」という野菜の話題が出たときにも。
活用形:
- marrow は不可算名詞として扱われることが多いですが、文脈によっては可算名詞のように複数形 marrows(主に野菜のマローを指す場合)をとることもあります。
他の品詞形:
- 形容詞形や動詞形はありませんが、比喩的表現として “to the marrow” などのフレーズで副詞的 な使われ方をすることがあります(例: chilled to the marrow「骨の髄まで冷え切って」)。
CEFRレベル: B2(中上級)
- 一般的な日常会話では頻繁に使う単語というよりは、骨髄や本質を語る場面など、より専門的・文学的な雰囲気のある語彙です。文脈によっては上級学習者向けになるかもしれません。
2. 語構成と詳細な意味
- 「marrow」は、はっきりした接頭語・接尾語があるわけではありません。
- 語源的には古英語 “mearh” にさかのぼります(詳細は「3. 語源とニュアンス」を参照)。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- bone marrow
- 日本語訳: 骨髄
- 日本語訳: 骨髄
- chilled to the marrow
- 日本語訳: 骨の髄まで冷え切って
- 日本語訳: 骨の髄まで冷え切って
- marrow donation
- 日本語訳: 骨髄提供
- 日本語訳: 骨髄提供
- the marrow of the matter
- 日本語訳: 物事の核心
- 日本語訳: 物事の核心
- roast marrow bones
- 日本語訳: マロー(骨髄)をローストした料理
- 日本語訳: マロー(骨髄)をローストした料理
- vegetable marrow
- 日本語訳: (主に英)マローという大型野菜
- 日本語訳: (主に英)マローという大型野菜
- marrow transplant
- 日本語訳: 骨髄移植
- 日本語訳: 骨髄移植
- extract the marrow of something
- 日本語訳: 〜の本質を抽出する
- 日本語訳: 〜の本質を抽出する
- find the marrow of one’s argument
- 日本語訳: 主張の核心を見つける
- 日本語訳: 主張の核心を見つける
- “to the very marrow”
- 日本語訳: 心の底、または骨の髄まで(比喩的強調表現)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古英語の “mearh” (骨髄) に由来し、中英語を経て “marowe” となり、現代英語で “marrow” となりました。
ニュアンス:
- 「骨髄」として生物学的・医学的な意味を持つことはもちろん、「核心・本質」を示す比喩的表現として使われるときには、非常に重要な部分、または“エッセンス”といったニュアンスを強く持ちます。
- 口語で使うというよりは、文学的・比喩的な表現、または専門分野のトピックで使われることが多いです。
- イギリス英語圏では、料理や園芸などで「vegetable marrow(マロー)」という野菜を指す際にも登場します。
4. 文法的な特徴と構文
可算・不可算:
- 「骨髄」や「本質」の意味では不可算名詞として使われることが多いです。
- 「マロー(野菜)」の場合は可算扱いできることがあり、複数形 marrows と言うこともあります。
- 「骨髄」や「本質」の意味では不可算名詞として使われることが多いです。
構文的特徴:
- 主に “noun + of” や “to the + noun” の形で比喩的なフレーズが作られます。
- 例: “the marrow of the idea” / “chilled to the marrow”
- 主に “noun + of” や “to the + noun” の形で比喩的なフレーズが作られます。
フォーマル/カジュアルの区別:
- 「骨髄」という医学的文脈でフォーマルに使われるイメージがあります。
- 比喩的に「核心・本質」を表すときは、やや文学的・フォーマルな響きがあります。
- 「骨髄」という医学的文脈でフォーマルに使われるイメージがあります。
5. 実例と例文
(1) 日常会話
- “I tried marrow for the first time at the restaurant yesterday.”
- 昨日レストランで初めて骨髄料理を食べてみたんだ。
- 昨日レストランで初めて骨髄料理を食べてみたんだ。
- “I saw some giant vegetable marrows at the farmers’ market.”
- ファーマーズマーケットで巨大なマローを見たよ。
- ファーマーズマーケットで巨大なマローを見たよ。
- “The wind was so cold it chilled me to the marrow.”
- 風があまりにも寒くて骨の髄まで冷え切ったよ。
(2) ビジネス
- “We need to get to the marrow of these financial issues before the year ends.”
- 年末までにこれらの財務問題の核心をしっかり把握しないといけません。
- 年末までにこれらの財務問題の核心をしっかり把握しないといけません。
- “Let’s strip down this proposal to its marrow and see what the real benefits are.”
- この提案を徹底的に掘り下げて、本当の利点が何かを確認しましょう。
- この提案を徹底的に掘り下げて、本当の利点が何かを確認しましょう。
- “Our corporate culture is the marrow of our success.”
- 当社の企業文化は、私たちの成功の核心です。
(3) 学術的な文脈
- “Bone marrow transplantation remains a critical treatment for various blood disorders.”
- 骨髄移植は、さまざまな血液疾患に対する重要な治療法のままです。
- 骨髄移植は、さまざまな血液疾患に対する重要な治療法のままです。
- “In researching the marrow of the philosophical argument, we must examine each premise carefully.”
- 哲学的主張の本質を研究するには、それぞれの前提を注意深く検証しなければならない。
- 哲学的主張の本質を研究するには、それぞれの前提を注意深く検証しなければならない。
- “Vegetable marrows have been studied for their nutritional benefits in horticulture.”
- マローという野菜は、園芸の分野で栄養的利点が研究されてきています。
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- core(コア)
- 物理的・比喩的に「中心部」「核心」を指す。より一般的。
- 物理的・比喩的に「中心部」「核心」を指す。より一般的。
- essence(エッセンス)
- 「本質」という意味合いが強い。抽象的な場面でよく使われる。
- 「本質」という意味合いが強い。抽象的な場面でよく使われる。
- pith(ピス)
- 元々は植物の髄を指し、比喩的に「核心」という意味。文学的ニュアンスや硬い文体で用いられやすい。
- 元々は植物の髄を指し、比喩的に「核心」という意味。文学的ニュアンスや硬い文体で用いられやすい。
反意語 (Antonyms)
- 「骨髄」や「本質」において明示的な反意語はないものの、「表層」「外面」を意味する surface や exterior などが対比表現として使われる場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA:
- イギリス英語 (BrE): /ˈmær.əʊ/
- アメリカ英語 (AmE): /ˈmer.oʊ/
強勢(アクセント):
- 単語の最初の音節 “mar-” に強勢があります。
- イギリス英語では「マラウ」に近い発音、アメリカ英語では「メロー」に近い発音になる傾向があります。
- よくある間違いとして、語中の “r” を抑えすぎたり、後ろの母音の発音をあいまいにしすぎたりします。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “morrow” (明日) とつづりを間違えないように注意。
- 同音異義語ではありませんが、似たつづりのもので “narrow” (狭い) と混同することもあるかもしれません。
- TOEICなどのビジネス英語テストではあまり頻出しませんが、医学や生命科学関連の文脈や、文学的表現として登場する場合があります。
- “to the marrow” という表現に慣れておくと、夜間の気候描写や感情の強調表現を読むときに使えるため、読解力が向上します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「marrow」を「骨の中心」=「一番大事な部分」とイメージすると、比喩的に“核心・本質”の意味が覚えやすくなります。
- スペリングのポイントは「mar(海) + row(漕ぐ)」と無理やり関連づけて覚えるよりは、「m + arrow(矢)」とイメージして“骨の髄を矢で貫く”など壮絶なイメージで覚えると印象に残るかもしれません。
- 医学的に重要、しかも文学的にも重要だという二面性を印象づけると、単語自体を深くイメージしやすくなります。
以上が「marrow」の詳細な解説です。骨髄の医学的意味と比喩的な意味の両方を押さえつつ、スペリングや発音にも注意して学習すると、使いこなしやすくなります。
意味のイメージ
意味(1)
髄(ずい),骨髄
意味(2)
《the ~ of ...》...の核心, 精髄, 粋
意味(3)
力,活力