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A1.2-B1.2
never/hardly/seldom/scarcely
純粋な否定と準否定の副詞
説明
never / hardly / seldom / scarcely の解説
英語の否定表現には大きく分けて「純粋な否定語」と「準否定語(近い否定)」の2種類があります。以下では、それぞれの特徴や意味合いを詳しく見ていきましょう。
純粋な否定語(not / no / never など)
not / no
これらは「~でない」「少しも~ない」といったように、対象をはっきりと真っ向から否定する働きを持ちます。
例:I do not like apples.(私はリンゴが好きではありません)
There is no water in the bottle.(ボトルの中に水はまったくありません)never
「決して~ない」の意味を持ち、こちらも完全否定の一種です。「一度も~したことがない」「絶対に~しない」というように、広い範囲で完全に否定するときに使われます。
例:I have never been to Paris.(私はパリに一度も行ったことがありません)
準否定語(hardly / seldom / scarcely など)
純粋にすべてを否定するわけではないものの、「ほとんど~ない」というように強い否定のニュアンスを含むため、「準否定語」と呼ばれています。これらの単語は否定文として扱われることも多く、文法的には否定表現の仲間だと考えられます。
hardly
- 「ほとんど~ない」という意味。
- 状況によっては「とても~できない」という含みになることもあります。
例:I can hardly hear you.(あなたの声がほとんど聞こえません)
- 「ほとんど~ない」という意味。
seldom
- 「めったに~ない」という意味。
- 頻度が非常に少ないことを表します。
例:He seldom goes to the gym.(彼はめったにジムに行きません)
- 「めったに~ない」という意味。
scarcely
- 「ほとんど~ない」という意味で、hardly とほぼ同じニュアンス。
- 過去の文脈で用いられ、「かろうじて~できた」「ほとんど~なかった」と言いたいときにも使われます。
例:I scarcely recognized him.(私は彼がほとんどわかりませんでした)
- 「ほとんど~ない」という意味で、hardly とほぼ同じニュアンス。
これらの準否定語を文頭に置くときは倒置が起こる(Hardly had I started~ のように)など、否定語特有の文法上のルールにも注意が必要です。
まとめ
- not / no / never は「完全な否定」を示す。
- hardly / seldom / scarcely は「ほとんど~ない」「めったに~ない」など、強いけれど部分的な否定のニュアンスを表す準否定語。
- 準否定語は意味合いとしては否定に近いが、完全否定ほど強くすべてを打ち消すわけではない。
- 準否定語は文中で否定語扱いされ、倒置などの文法ルールが適用される場合がある。
これらの違いを把握しておくと、英語の否定表現をより正確に、ニュアンスを含めて使い分けることができます。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
ADVERBS OF NEGATION: never