仮定法現在(that節内動詞が原形不定詞)
that節の中で動詞の原形を使用する
仮定法現在(that節内での動詞原形)の使い方
英語には「提案」「要求」「命令」などの意味を表す動詞に続く that節で、動詞を原形(不定詞の “to” を取った形)で用いる用法があります。これを仮定法現在(mandative subjunctive)と呼びます。以下では、その詳細とポイントをなるべくわかりやすく解説します。
1. 仮定法現在が使われる動詞の例
- propose(提案する)
- demand(要求する)
- order(命令する)
- insist(強く主張する)
- suggest(示唆する)
- recommend(勧める)
- request(要請する) など
これらの動詞の後ろに来る that節 では、通例の語形変化(過去形や三人称単数形など)をせず、動詞の原形 を使います。
2. 仮定法現在の具体例
He proposed that they stay at that inn.
→「彼は彼らにその旅館に泊まるように提案した。」- “proposed” は過去形ですが、that節内の “stay” は変化させずに原形を使います。
They insisted that she leave immediately.
→「彼らは彼女にすぐ出発するように強く求めた。」- “insisted” は過去形でも、that節内は “leave” の原形を用います。
The teacher demanded that we submit our homework on time.
→「先生は私たちに宿題を期限内に提出するように要求した。」
英語の通常の文法では、主節が過去形ならば従属節も時制を合わせることが多いです。しかし、この仮定法現在では、主節の時制に影響されず、that節内は基本的に動詞の原形を保ちます。
3. 「should」を使うパターン
イギリス英語などでは、次のように should + 動詞の原形 で表現することもあります。ただし、アメリカ英語では that節内の動詞を単に原形のまま使うほうが一般的です。
- He proposed that they should stay at that inn.
→ アメリカ英語なら He proposed that they stay at that inn. のほうが自然な場合が多いです。
4. 仮定法現在を使う理由と注意点
強い意志・要請などを表す
- これらの動詞は、相手に対して何らかのアクションを促す強い意味合いを持っています。そのため、that節の動詞に命令形のようなニュアンスが含まれ、原形で表すことが多いのです。
時制をそろえない
- 主節が過去形になっていても、that節内の動詞を「過去形」にしないのが最大のポイントです。仮定法現在ではあくまでも「原形」で表して、主節の時制から独立させています。
助動詞との混同に注意
- 例えば、He ~demands that I should to finish~ のように “should + to不定詞” という形は誤りです。“should finish” もしくは “finish” の形を使いましょう。
5. まとめ
- 仮定法現在は、提案・要求・命令などを表す動詞の that節で、動詞の原形を使う用法です。
- 主節の時制が何であっても、that節内は必ず原形を維持します。
- イギリス英語では「should + 原形」もよく使われますが、アメリカ英語では that節の動詞を単に原形にすることが多いです。
「主節が過去形だから、that節も過去形にするはず」と思いがちですが、仮定法現在では、そうした時制一致のルールに当てはめません。この点をしっかり把握しておきましょう。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
DEMAND/INSIST/ORDER/PROPOSE/RECOMMEND/REQUIRE/SUGGEST+NP+INFINITIVE