元となった辞書の項目
accrue
解説
1. 基本情報と概要
単語: accrue
品詞: 動詞 (verb)
CEFRレベルの目安: C1(上級)
意味(英語)
To accumulate or receive (payments, benefits, or advantages) gradually or over time.
意味(日本語)
時間の経過とともに(利益や利子などが)自然に増加したり蓄積したりすることを指します。「利益が生じる」「積み重なる」といったニュアンスで、特にビジネス・経済・金融の文脈でよく使われます。
活用形
- 現在形: accrue
- 過去形: accrued
- 過去分詞: accrued
- 現在分詞/動名詞: accruing
他の品詞形
- 名詞形: accrual(アクルアル)
例: The accrual of interest on savings (貯蓄における利子の発生)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- ac-: ラテン語由来の接頭語 ad-(〜へ、〜に)に由来し、「〜へ向かう」というニュアンス
- crue: ラテン語の crescere(育つ、増える)から来ており、「成長・増加」を表す
“accrue” 全体で「成長・増加が(主語に)向かってやってくる」というイメージを持ちます。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- accrue interest(利子が生じる)
- accrue benefits(利益が立つ/生じる)
- accrue to someone’s advantage(誰かの利益に繋がる)
- accrued liabilities(累積した負債)
- accrued vacation(未消化の有給休暇)
- interest accrues daily(利息が日々生じる)
- accrue overtime(残業時間が積み重なる)
- accrue points(ポイントを貯める)
- accrued expenses(発生費用)
- the right accrued to him(その権利が彼に生じた)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “accrescere”(ac- + crescere=増加する)が語源。
- 初期の英語でも「自然に増大する」「付随的に得られる」などの意味合いで使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意
- 一般的にフォーマルまたはビジネス・金融寄りの文脈で使われます。
- 何かが自然に増えていく、あるいは加算されるイメージが強いため、意図的に集める “collect” や “gather” とは少しニュアンスが異なります。
- 熟語・定型表現では金銭や特典、権利などが「発生する」「累積する」という場面で用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 主に 自動詞 として使われる: “Interest accrues on the principal.”
- ただし、目的語をとる用法も見られることがあります (社会的にはやや稀): “He accrued substantial profits over the years.”
一般的な構文例
- “Something accrues (to someone).”
例: “Additional benefits accrued to full-time employees.” - “Something accrues (over time).”
例: “Interest accrues over time in a savings account.”
フォーマル / カジュアルの違い
- 文書やビジネスレター、法律文書などフォーマルな文脈で主に使用される。
- 口語では “pile up” や “build up” など、よりカジュアルな動詞で言い換えることが多い。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3例)
- “I didn’t realize so many vacation days had accrued until I checked my balance.”
(有休がこんなに溜まっていたなんて、残高を確認するまで知らなかったよ。) - “Points will accrue each time you use this credit card.”
(このクレジットカードを使うたびにポイントが貯まります。) - “If you leave your money in this account, interest will accrue automatically.”
(この口座にお金を入れておけば、自動的に利息がたまるんだよ。)
ビジネスでの例文(3例)
- “The quarterly report shows profits have accrued substantially in the last month.”
(四半期報告書によると、先月は利益が大幅に増加しています。) - “Under the new contract, additional benefits will accrue to full-time employees.”
(新しい契約では、正社員に追加の福利厚生が付与されます。) - “Accrued expenses should be recorded in the end-of-year accounts.”
(累積した費用は年末の会計で計上すべきです。)
学術的/公的文脈での例文(3例)
- “Over several decades, cultural norms and societal benefits accrue, shaping the collective behavior.”
(何十年もの間に文化的規範や社会的利益が蓄積し、集団行動を形成していく。) - “In many legal contexts, certain rights accrue at the moment a contract is signed.”
(多くの法的文脈において、契約を締結した時点で特定の権利が生じる。) - “Historical data suggest that benefits accrued gradually following the policy change.”
(歴史的データは、その政策変更に伴って利益が徐々に増加したことを示唆している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- accumulate(蓄積する)
- 一定期間かけて手動・自動を問わず集めるイメージ。
- 一定期間かけて手動・自動を問わず集めるイメージ。
- amass(大量に集める)
- 一般に「大きな量を集める・蓄える」というニュアンスが強く、より意図的。
- 一般に「大きな量を集める・蓄える」というニュアンスが強く、より意図的。
- build up(築き上げる)
- 段階的に増やしていく口語表現。
- 段階的に増やしていく口語表現。
“accrue” は 自然な・または制度的な仕組みの中で自動的に増加していくイメージが強い点が特徴です。
反意語
- lose(失う)
- deplete(減らす、使い果たす)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /əˈkruː/
- 強勢(アクセント)は第2音節の “crue” にあります: a-CCRUE
- アメリカ英語: /əˈkruː/
- イギリス英語: /əˈkruː/
- よくある間違いとして、アクセントを第1音節に持ってきてしまうなどが挙げられます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングのミス(× “accrew” や “aquire” と混同してしまうなど)に注意。
- 意味を “accumulate(意図的に集める)” と完全に混同しない。 “accrue” は自然、または仕組みによって自動的に増えるニュアンスが強い。
- TOEICやビジネス英語などの試験では、経理・財務分野の文脈で出題されることが多い。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “ac-” は「〜へ」、 “crue” は “grow” に通じる、と連想すると覚えやすいです。
- 「あっ(ac)と気づいたら、クルクル(crue)増えている」というイメージで覚えると印象に残りやすいかもしれません。
- ビジネス上は「(自然に)増えていくもの」とイメージすると使い方を間違えにくいです。
以上が動詞 “accrue” の詳細解説です。金融やビジネスシーンで出会う機会が多い単語ですが、日常会話や他の文脈でも応用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《文》(自然の結果として)生じる,発生する;〈利子が〉つく
意味(2)
〈利益など〉を増加させる
意味(3)
手に入る