元となった辞書の項目
tier
解説
「tier」の詳細解説
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: tier = “a row or layer of something that is placed one above the other,” or “a level in a system or organization.”
- 日本語: 「ティア」は、「層」や「段」、「階層」といった意味を持ち、物が上に重ねられた段状態や、組織・制度などにおけるランク(階級)などを表す単語です。「第一段階」「上層」のように、層ごとのレベルを表すときに使われます。
例えば、ケーキの段や、料金体系の異なるレベルなどを指すときに「tier」を使います。日常会話よりも、少し専門的・形式的なニュアンスを含むことが多い単語です。
品詞と活用形
- 品詞: 主に名詞 (countable noun)
- 単数形: tier
- 複数形: tiers
他の品詞形
- 形容詞形: tiered(「段になった」「層を成した」などの意味で用いられます)
例) a tiered wedding cake (段になったウェディングケーキ)
CEFRレベルの目安
- B2 中上級:
「tier」は日常英語というよりは、会議やビジネス文書、社会構造などを説明するときに比較的よく使われます。中上級レベルくらいの単語といえます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「tier」は短い単語で、一般的に接頭語・接尾語は含まれません。語幹のみで成り立っています。
関連語・派生語
- tiered (形容詞): 段階的な、層状の
- multitiere(d) (形容詞): 多層の、多段階の
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- top tier → 最上位の
- second tier → 第2段階の
- price tier → 料金の階層
- tier list → 階級分けリスト
- tier system → 階層システム
- upper tier → 上位の層
- lower tier → 下位の層
- two-tier structure → 2段階(2層)の構造
- tiered seating → 段になった座席
- tier of seats → 一段分の座席
3. 語源とニュアンス
語源
- 「tier」は中英語(Middle English)の “tyer” から来ており、古フランス語の “tire” や “tirer” に由来すると言われています。「並べる」「配置する」といった意味合いがルーツになっています。
ニュアンス
- 「層」「段」という上下関係を伴うニュアンスが強いです。ビジネスやゲームなどの世界では「ランク」の意味でも使われます。ややフォーマルな響きがあり、カジュアルな会話で「層」を示したい場合は “layer” と言うこともあります。
使用上の注意点
- 社会や組織の階層を示すときに「tier」を用いると、公式な印象となりやすいです。口語で「段」や「レベル」を言うときは “level” や “layer” が使われることも多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 「tier」は可算名詞 (a tier, two tiers...) です。
- 基本的に単独で層や階層を示す名詞として用いられます。
一般的な構文・よく使われる表現
- “(Number)-tier system/structure” → 例: a two-tier system (2層構造)
- “in the top/bottom tier” → 上位/下位の層に
- “tiers of (something)” → (何かの) 段階
イディオム的表現
- 「tier」はイディオムというよりは、上記のように “two-tier structure” のような複合表現で用いられることが多いです。
フォーマル/カジュアルの使い分け
- フォーマル: “He is in the upper tier of management.”
- カジュアル: レベル感を単純に言いたい場合は “level” とする方が多いです。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “We need a three-tier shelf to store all these books.”
(これらの本を全部収納するには3段の棚が必要だね。) - “I love this tiered cake—it looks so fancy!”
(この段になったケーキ、すごく豪華だね!) - “Which tier of the stadium are our seats in?”
(スタジアムのどの段の座席が私たちの席なの?)
ビジネスシーンでの例文
- “Our company has implemented a two-tier pricing model to cater to different customer segments.”
(我が社は異なる顧客層に対応するために2段階の価格モデルを導入しました。) - “We are moving some employees to the upper tier of management.”
(数名の従業員を経営陣の上位層に昇格させようとしています。) - “This tier-based approach helps us allocate resources more efficiently.”
(この階層ベースのアプローチは、リソースをより効率的に割り当てるのに役立ちます。)
学術的/専門的な文脈での例文
- “The data is organized into multiple tiers for better analysis.”
(より良い分析のためにデータを複数の階層に整理しています。) - “The model proposes a three-tier architectural framework for network security.”
(そのモデルは、ネットワークセキュリティのための3層構造アーキテクチャフレームワークを提案しています。) - “By examining each tier of governance, we can identify potential policy gaps.”
(ガバナンスの各階層を検証することで、政策の抜け穴を特定することができます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- layer(層)
- 「layer」は物質や物体が層状になっているニュアンスが強いです。カジュアルに使われる場合が多いです。
- 「layer」は物質や物体が層状になっているニュアンスが強いです。カジュアルに使われる場合が多いです。
- level(レベル)
- 一般的に上下関係を示す単語で、組織の階層や熟練度など、幅広く使われます。
- 一般的に上下関係を示す単語で、組織の階層や熟練度など、幅広く使われます。
- rank(ランク)
- 公式の上下関係や地位、序列などを示します。「単なる層」よりも「序列」という意味合いが強いです。
反意語
- はっきりとした反意語はありませんが、“single level (単層)” や “flat structure (フラットな構造)” など、階層がない状態を指す表現が「tier」の対極的な概念と言えます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /tɪər/ (米: [tɪr], 英: [tɪə(r)])
- アクセント: 一音節なので、強勢は単語全体にあります(“tier” そのものをはっきり発音)。
- アメリカ英語では /tɪr/ と「ティーア」のように発音し、イギリス英語では /tɪə/ と「ティア」に近い発音になります。
- よくある間違い: “tear” (/tɛər/) や “tier” (/tɪər/) を混同してしまうことがあります。スペリングと音の違いに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングの混同: “tie” (結ぶ) と似ているため、つづりを間違えやすいです。 “tier” までしっかり書きましょう。
- 同音異義語: “tear” (引き裂く / ティア) との混同に注意が必要です。発音は似ていますが、意味は全く違います。
- 試験対策: TOEICや大学入試などでは、料金体系やビジネス構造の説明文で出題されることがあります。文脈から「階層」の意味を取れればOKです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 音のイメージ: 「ティア」と「層・階層」を結びつけて覚えましょう。「ティアケーキ(Tiered cake)」でイメージすると「段々になったケーキ」が浮かびやすくなります。
- スペリングのポイント: “tie + r” と覚えてもいいですが、実際には「結ぶ (tie) + r」 という意味合いはないと割り切り、あくまでケーキの“段”やコンサート会場の“段”を視覚的に思い浮かべると定着しやすいです。
以上が「tier」の詳細解説です。ぜひ「段階」「層」「レベル」の文脈で積極的に使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(ひな段式になった段々の)一段,一列, 座席
意味(2)
階層
意味(3)
…‘を'段段に積む,重ねる