元となった辞書の項目
sadly
解説
1. 基本情報と概要
単語: sadly
品詞: 副詞 (adverb)
意味(英語):
- In a sorrowful manner (悲しげに)
- Unfortunately (残念ながら)
意味(日本語):
- 「悲しそうな様子で」「悲しげに」何かをすることを表します。
- 「残念ながら」「不運にも」というニュアンスで、文章全体に「残念」という気持ちを添えるときにも使われます。
「大切なチャンスを逃してしまって本当に悲しい、残念だ」という気持ちを表すときなどに用いられます。
活用形:
- sadly は副詞なので、動詞のような時制による活用はありません。
他の品詞形:
- sad (形容詞):「悲しい」
- sadness (名詞):「悲しみ」
- sadder/saddest (形容詞の比較級・最上級):「より悲しい/最も悲しい」
CEFR レベル: B1 (中級)
→日常会話で「残念ながら」「悲しそうに」といった表現をする際によく登場する語なので、中級レベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- sad (形容詞:「悲しい」)
- -ly (接尾語:形容詞を副詞にする)
したがって sadly は「悲しい」という形容詞に副詞化の接尾語 “-ly” が付いた形です。
他の単語との関連(派生語・類縁語など)
- sad (形容詞):「悲しい」
- sadness (名詞):「悲しみ」
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- sadly mistaken(痛ましいほど勘違いしている)
- sadly lacking(非常に不足している)
- sadly neglected(悲しくなるほど放置されている)
- sadly realized(悲しいことに気づいた)
- sadly unavoidable(残念ながら避けられない)
- sadly passed away(悲しくも亡くなった)
- sadly overlooked(残念ながら見落とされている)
- sadly acknowledged(悲しいことに認めざるを得ない)
- sadly missed(惜しまれている)
- sadly remembered(悲しみをもって思い出される)
3. 語源とニュアンス
語源
- sad は古英語の “sæd”(まんぞくした、疲れたの意)から変化してきたとされ、のちに「悲しい」という意味が主流になりました。
- その形容詞に副詞化の -ly が付くことで「悲しそうに」「残念に」というニュアンスを持つ副詞になりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「悲しみ」「残念」という感情を文全体に与えるアティチュード副詞(文修飾副詞)としてもよく使われます。
- フォーマルな文章でも会話でも幅広く使えますが、あまりに重々しい場面(弔辞など)では “sadly” 以外に “with great sorrow” などの表現を使うこともあります。
- 「辛くも」「残念ながら」というニュアンスを伝えたいときに自然に使われることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- sadly は副詞のため、主に「動詞」を修飾(He spoke sadly.)したり、「文全体」の内容を修飾(Sadly, I must leave now.)したりします。
- 痛ましさや残念さを強調するため、フレーズの冒頭に置かれやすいのが特徴です。
- 例: Sadly, we have run out of time. (残念ながら、時間切れです。)
5. 実例と例文
日常会話での例文
- Sadly, I won’t be able to join you for dinner tonight.
(残念だけど、今夜の夕食には参加できないよ。) - He spoke so sadly about his childhood that it made me tear up.
(彼は子どもの頃のことをあまりに悲しそうに語るので、私まで涙が出そうになった。) - Sadly, the concert tickets sold out in just a few minutes.
(残念ながら、コンサートのチケットはほんの数分で売り切れてしまった。)
ビジネスシーンでの例文
- Sadly, our budget has been cut for the next quarter.
(残念ながら、次の四半期の予算は削減されました。) - We must sadly inform you that the project will be delayed.
(残念ながら、本プロジェクトが遅延することをお知らせしなければなりません。) - Sadly, the negotiations fell through at the last minute.
(残念ながら、交渉は土壇場で失敗に終わりました。)
学術的・フォーマルな文脈での例文
- Sadly, the data suggest that the species is nearing extinction.
(残念なことに、そのデータからはこの種が絶滅に近づいていることが示唆されます。) - The findings, sadly, raise concerns about the effectiveness of the current policy.
(その研究結果は残念ながら、現在の政策の有効性に懸念を投げかけます。) - Sadly, historical evidence indicates that the conflict could have been avoided.
(残念なことに、歴史的証拠はその紛争が回避可能であったことを示しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
unfortunately(不運にも、残念ながら)
- “sadly” よりも単純に「残念ながら」という意味合いが強く、「悲しいニュアンス」より「運が悪い」や「好ましくない結果」を述べる場合に使われやすい。
- “sadly” よりも単純に「残念ながら」という意味合いが強く、「悲しいニュアンス」より「運が悪い」や「好ましくない結果」を述べる場合に使われやすい。
unhappily(不幸にも、悲しげに)
- “sadly” とほぼ似たニュアンスだが、語調がややかたい。口語でも使える一方、少し文語的な響きがある。
- “sadly” とほぼ似たニュアンスだが、語調がややかたい。口語でも使える一方、少し文語的な響きがある。
regrettably(残念ながら、遺憾ながら)
- よりフォーマルで「残念に思う」「遺憾に思う」といった響きが強い。
- よりフォーマルで「残念に思う」「遺憾に思う」といった響きが強い。
sorrowfully(悲しげに、悲嘆しながら)
- 「深い悲しみ」を強調するので、より重い感情を伴う。
- 「深い悲しみ」を強調するので、より重い感情を伴う。
反意語
- happily(幸せそうに、嬉しそうに)
- 「悲しそうに」「残念ながら」の反対のニュアンスとして、「嬉しそうに」「幸せそうに」を意味します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈsædli/
- アメリカ英語 (AE)・イギリス英語 (BE) ともに大きな差はありませんが、/æ/ の発音に地域差が出る場合があります。
- アクセントは第1音節の “sad” に置きます。
- “sad” の /æ/ の音が曖昧になると “sand” のように聞こえてしまうので、口をしっかり開くように意識すると良いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: × “sadlly”, “sadley” などと “d” 以降を誤記しやすい。
- 同音異義語との混同: とくに “sadly” に類する同音異義語はありませんが、語尾の “-ly” をつける際の表記ミスには注意。
- TOEICや英検などの英語試験でも、「感情や残念な気持ち」を表す副詞として穴埋め問題等で頻出することがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “sad” + “ly” をイメージ: 「sad=悲しい」に “ly” を足して「悲しい状態で」「悲しそうに」と覚えるとシンプル。
- 「残念なお知らせを伝えるとき」によく出てくる表現だと覚えると、実用的に身に付きやすいです。
- スペリングが短いので、 “d” のあとにただ “ly” を足せばいいと意識するとミスを減らせます。
「泣きそうな顔しながら “Sadly, …” と言っている様子」をイメージしておくと、自然と使いどころが頭に浮かぶはずです。
意味のイメージ
意味(1)
ひどく
意味(2)
悲しそうに