predecessor
1. 基本情報と概要
単語: predecessor
品詞: 名詞 (countable noun)
意味(英語):
- A person who held a position or office before the current holder.
意味(日本語):
- 前任者、先行する人(または物)
「predecessor」は、誰かがある役職や地位に就く前にその地位に就いていた人や、ある物事のひとつ前の時代・モデルを指すときに使われます。たとえば「前のCEO」「以前のバージョン」などを示すときに用いられます。比較的フォーマルな文脈で使われることが多い単語です。
活用形:
- 単数形: a predecessor
- 複数形: predecessors
関連する品詞例:
- 動詞: “precede” (〜に先行する)
- 形容詞: “preceding” (先行する)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
- B2: 日常会話はおおむね困らずに行えるが、アカデミックな場や仕事上の複雑な内容を理解するのにやや努力が必要なレベル。学習者にとっては、「前任者」や「先行モデル」の意味が分かり、使いこなせるとビジネスシーンや歴史・学術分野で表現の幅が広がる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- pre(「前に」)+ de + cess(ラテン語 “cedere” = 行く)+ -or(~する人/もの)
- 全体として「前に行った人」「先を行った人」のイメージです。
派生語・類縁語:
- “precede” (動詞: ~に先立つ、先行する)
- “precedent” (名詞/形容詞: 前例、先例 / 先行する)
- “successor” (名詞: 後任者) ← 反意語
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- immediate predecessor(直前の前任者)
- former predecessor(以前の前任者)
- predecessor in office(職務上の前任者)
- the predecessor to this model(このモデルの前身)
- replace one’s predecessor(前任者を引き継ぐ)
- follow in the footsteps of one’s predecessor(前任者の足跡をたどる)
- his/her worthy predecessor(彼/彼女の優れた前任者)
- predecessor company(前身となった会社)
- the predecessor and successor(前任者と後任者)
- predecessor organization(前身の団体)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語 “praedecessor” に由来し、”prae-” (前) + “decedere” (去る、離れる) の形からきています。
- 歴史的にも「先に来た人」「先に務めていた人」の意味で使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「誰かや何かの前に存在していた」という状態をフォーマルに表すときに用いられます。日常会話でも使えますが、ビジネス文書やアカデミックな文脈で特に目にする機会が多いです。
- カジュアルすぎる場面では「前の人」(previous person)などと言うほうが自然な場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「a predecessor」「my predecessor」のように数えられる名詞です。
- 主に「X’s predecessor」「the predecessor of X」の形で使われます。
- 他動詞/自動詞ではなく、名詞として機能します。
一般的な構文例:
- “My predecessor at this company was very successful.”
- “He took over from his predecessor last year.”
イディオムや定型表現(狭義のイディオムは少ない):
- “to step into one’s predecessor’s shoes” (前任者の仕事・役割を引き継ぐ)
フォーマル/カジュアルな使い分け:
- フォーマルやビジネスシーン → “He succeeded his predecessor.”
- カジュアル → “He took over the position from the last guy.”
5. 実例と例文
(1) 日常会話の例文
“I heard the previous tenant left suddenly. Did you ever meet your predecessor?”
- 「前の入居者は突然いなくなったって聞いたよ。前に住んでた人に会ったことあるの?」
“My grandfather’s old car was the predecessor to this newer model.”
- 「祖父の古い車は、この新しいモデルの前身なんだ。」
“I found some notes from the person who had this job before me, my predecessor really organized stuff well.”
- 「前にこの仕事をしていた人のメモを見つけたよ。前任の彼(彼女)は本当に整理が上手だったんだ。」
(2) ビジネスシーンの例文
“Our new CEO aims to continue the reforms initiated by her predecessor.”
- 「私たちの新しいCEOは、前CEOが始めた改革を継続する狙いです。」
“Before you finalize the project, review the data gathered by your predecessor.”
- 「プロジェクトの終了前に、あなたの前任者が集めたデータをチェックしてください。」
“The predecessor model had a few glitches, so we revamped the design completely this time.”
- 「前のモデルにはいくつか不具合があったので、今回はデザインを完全に一新しました。」
(3) 学術的・フォーマルな文脈の例文
“This theory builds on the findings of its predecessor, expanding the scope to include additional variables.”
- 「この理論は前の研究成果を基盤としており、追加の変数を組み込むことで範囲を拡張しています。」
“The newly published edition corrects the errors found in its predecessor.”
- 「新しく出版された版は、前の版で見つかった誤りを修正しています。」
“His predecessor in the faculty position laid the groundwork for the current curriculum.”
- 「彼の学部ポジションの前任者は、現在のカリキュラムの基礎を築きました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- forerunner(先駆者、先行者)
- “forerunner” は、先に現れた人やものに使われる。革新的だったり、ある運動のきっかけを作ったニュアンスが強い。
- “forerunner” は、先に現れた人やものに使われる。革新的だったり、ある運動のきっかけを作ったニュアンスが強い。
- precursor(先駆け、前兆)
- “precursor” は、将来のものを示唆する先行要素やきざしに近い。技術や科学分野で「前駆体」として用いられることもある。
- “precursor” は、将来のものを示唆する先行要素やきざしに近い。技術や科学分野で「前駆体」として用いられることもある。
- ancestor(祖先)
- こちらは家系や系統など、生物学的・歴史的文脈で使われる。
- こちらは家系や系統など、生物学的・歴史的文脈で使われる。
- antecedent(先行するもの、先行詞)
- 文法用語では先行詞として使われるほか、原因として先に存在した事象などを指す場合もある。
反意語:
- successor(後任者、継承者)
- 「前任者」に対して「後任者・後継者」という意味。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記:
- アメリカ英語: /ˈprɛd.əˌsɛs.ɚ/
- イギリス英語: /ˈprɛd.ɪ.ses.ə/
アクセント:
- 第一音節 “pre” に強勢があります(PRE-de-ces-sor)。
- アメリカ英語では “pred-uh-ses-er” のように、/ə/ が多用されて比較的口をあまり開かない音になりがちです。
- イギリス英語では /ɪ/ の音がよりはっきり発音されるのが特徴です。
よくある発音ミス:
- “preedecessor” と “ee” を長くしてしまう
- “pre-de-SOR” のように強勢をずらす
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: 「predecessor」の“c”と“s”の順番を混同して “predecersor” と書いてしまうこと。
- 同音異義語との混同: 類似する単語はあまりありませんが、“producer” (プロデューサー) などと混同しないように注意が必要です。
- 試験対策: ビジネス英語の場面や歴史を論じる英文などで出題されることがあります。TOEICや英検の読解パートなどで「前任者」の意味が分かるかどうかが問われる可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 接頭辞 “pre-” = “前に” がキーポイント。「事前」「前に来るもの」を指すため、この部分を見るだけで「何かが先にある」というイメージを持ちましょう。
- “successor” を対で覚えると理解が深まります。「predecessor (前任者) → successor (後任者)」の流れです。
- 「先に進む」のイメージ “ceed / cede” (進む、行く) が含まれているので、precede(先行する)という関連語ともセットで覚えると便利です。
上記のポイントを押さえることで、「predecessor」をビジネスや学術的な文脈で自信を持って使えるようになるはずです。ぜひ意識して学習し、使ってみてください。
(ある仕事の)前任者;前のもの