元となった辞書の項目
patent
解説
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “patent”
- 日本語: 「特許」「明白な(形容詞的な用法)」
「patent」は名詞としては「特許」の意味で、発明やアイデアを法的に保護するものを指します。
一方、形容詞として「明白な・はっきりした」という意味でも使われます。
「ビジネスや技術開発の文脈で使われる“特許”と、文中で“明白な”というニュアンスを伝える形容詞としても使用できる便利な単語です。」
品詞
- 名詞 (a patent): 「特許」
- 動詞 (to patent): 「特許を取得する」
- 形容詞 (patent ~): 「明白な」「公然の」
活用形
- 名詞形: patent(s)
- 動詞形: patent - patented - patented - patenting
他品詞形の例
- Patentable (形容詞): 「特許取得が可能な」
- Patent holder (名詞): 「特許権者」
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
- 特許関連の専門的な用語としての使い方はやや専門的ですが、形容詞の
patent
としての「明白な」という意味はもう少し上級レベルの表現としても登場します。語彙力の広がりを必要とするレベルです。
- 特許関連の専門的な用語としての使い方はやや専門的ですが、形容詞の
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- “patent” は、ラテン語「patere(開く)」に由来しています。
- 接頭語や接尾語というよりは、一語として確立しています。派生語としては、先述の“patentable”などが挙げられます。
関連語や派生語
- Patentability: 特許性
- Patent infringement: 特許侵害
- Patent office: 特許庁
- Patent law: 特許法
- Patent attorney: 弁理士(特許専門の代理人)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- file a patent(特許を出願する)
- obtain a patent(特許を取得する)
- grant a patent(特許を付与する)
- patent application(特許出願)
- patent infringement(特許侵害)
- patent law(特許法)
- patent holder(特許所有者)
- patent pending(特許出願中)
- hold a patent(特許を所有している)
- patent portfolio(特許群・特許ポートフォリオ)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “patere” = 「開く」が語源。
- 歴史的には、王室から与えられる “letters patent” が「公開状」として、受け取り手に特定の権利を与える意味合いで使われていました。そこから、「発明を公にする代わりに法的な保護を与える」という特許制度が生まれました。
使用時の注意点・ニュアンス
- 名詞(特許): ビジネス、技術開発、法律の分野でよく使われる。正式で比較的フォーマルな響き。
- 動詞(特許を取得する): 法的手続きに関する文脈であり、フォーマル。
- 形容詞(明白な): 会話や文中で「疑いようがない」「白日のもとにさらされた」という文脈でも使われ、やや文語的またはフォーマル寄りです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (countable): 可算名詞です。 “I have two patents.” のように複数形で使えます。
- 動詞 (他動詞): “He patented his new design.” のように、対象となる発明やアイデアに対して「特許を取得する」という意味で使います。
- 形容詞: “It’s a patent error.” のように名詞を修飾し、「明白な誤り」というニュアンスを与えます。
一般的な構文例
- “(someone) files a patent for (invention).”
- “(someone) applies for a patent.”
- “The invention is patented.”
- “It is patently clear that ...” (副詞形 “patently” 「明らかに」もよく使われる)
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I heard he got a patent for his new smartphone case design.”
(彼は新しいスマホケースのデザインで特許を取ったらしいよ。) - “It’s patent that she’s unhappy with the results.”
(彼女が結果に不満なのは明白だよね。) - “You know, you could patent that idea before someone else does.”
(誰かに先を越される前に、そのアイデアの特許を取ったら?)
ビジネスでの例文
- “We need to file a patent application as soon as the prototype is ready.”
(プロトタイプが完成したらすぐに特許を申請する必要があります。) - “Our company was sued for patent infringement last year.”
(当社は昨年、特許侵害で訴えられました。) - “He is a patent attorney with extensive experience in technology law.”
(彼はテクノロジー法の分野で豊富な経験を持つ弁理士です。)
学術的・専門的文脈での例文
- “Patent laws vary significantly from country to country.”
(特許法は国によって大きく異なる。) - “The research paper discussed emerging trends in patent portfolios for renewable energy.”
(その研究論文は再生可能エネルギーに関する特許ポートフォリオの新しい傾向を論じていた。) - “An effective patent strategy is crucial for sustainable innovation.”
(持続的なイノベーションのためには、効果的な特許戦略が要となる。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(特許に関する文脈)
- License(ライセンス)
- 「使用許可」の意味。特許権者から他者に使用権を許諾する扱いなどの文脈で用いられます。
- 「使用許可」の意味。特許権者から他者に使用権を許諾する扱いなどの文脈で用いられます。
- Copyright(著作権)
- 著作物の保護を扱う概念。特許は発明を保護、著作権は創作物を保護する点で異なる。
- 著作物の保護を扱う概念。特許は発明を保護、著作権は創作物を保護する点で異なる。
- Trademark(商標)
- ロゴやマーク、製品名などの識別標識を保護。特許と保護対象が異なる。
類義語(「明白な」の文脈)
- Obvious(明らかに)
- カジュアルなニュアンスで「当たり前にわかる」という意味合い。
- カジュアルなニュアンスで「当たり前にわかる」という意味合い。
- Evident(はっきりしている)
- ややフォーマルな響き。論文などでも使われる。
- ややフォーマルな響き。論文などでも使われる。
- Clear(明白な・はっきりした)
- 口語からビジネスまで幅広く使える。
反意語
- Hidden(隠された)
- Uncertain(不確かな)
- Ambiguous(あいまいな)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ˈpætnt/ または /ˈpeɪtnt/
- イギリス英語: /ˈpeɪtənt/
- アメリカ英語: /ˈpætnt/ または /ˈpeɪtnt/
- アクセント: 最初の音節 “pa-” に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語では “パタント”または“ペイタント”のように発音される。
- イギリス英語では “ペイタント”に近い発音が一般的。
- アメリカ英語では “パタント”または“ペイタント”のように発音される。
- よくある発音の間違い: “パテント”/“ペイテント”など母音を不明瞭にしてしますが、アクセントと母音を意識すると通じやすいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「patent」を「patient」(患者) と混同しやすいので注意。
- 同音異義語との混同: アメリカ英語では「パテント」と「ペイテント」の2種類の発音があり混乱しがち。どちらも通じるが、自分が使いやすい方を明確にしておくとよい。
- 試験対策(TOEIC・英検など): ビジネス文脈や工業英検・理系英語で問われることが多い。文中で「発明に対して特許を取る」といった文脈になる場合が多いので、関連単語(application, invention, holder など)も一緒に覚えると良い。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源“開く”: 特許は発明内容を「公に開く(公開する)」代わりに保護を受ける制度、とイメージしておくと記憶に残りやすいです。
- “patient” と「a」が先か「i」が先かに気を付ける: 「特許 (pa-te-nt)」と「患者 (pa-ti-ent)」は綴りも発音も異なるのでしっかり区別して覚えましょう。
- イメージ: “Patent” は「ひらけ、ごま!」と発明が門を開くイメージ、あるいは “公開された情報に法的保護を与える” と考えると理解しやすいです。
以上が “patent” の詳細な解説です。ぜひビジネスシーンやリーディングで見かける際には、その文脈に応じて「特許」「明白さ」のいずれの意味かを判断してください。
意味のイメージ
意味(1)
特許,特許権,パテント
意味(2)
専売特許品,特許となっている製法
意味(3)
専売特許証
意味(4)
(一般に特権などを授ける)公式証書
意味(5)
《名詞の前にのみ用いて》専売特許の
意味(6)
《名詞の前にのみ用いて》《英話》賢い,独特な,まねのできない
意味(7)
明白な
意味(8)
…‘の'特許[権]を取る
意味(9)
…‘に'特許[権]を与える