thoroughly
以下では、副詞「thoroughly」について、できるだけ詳細に解説していきます。
1. 基本情報と概要
◼︎ 単語
thoroughly
◼︎ 品詞
副詞 (adverb)
◼︎ 英語での意味
・completely, in a detailed and careful way
◼︎ 日本語での意味
・「完全に」「徹底的に」「入念に」
「 全体を漏れなく・丁寧に実行する、あるいは余さず全部やりきる、というニュアンスの単語です。日常会話でも正式な場面でもよく使われ、丁寧さや徹底さを強調するときに役立ちます。」
◼︎ 活用形
- 副詞なので形は変化しません: thoroughly
- 形容詞形: thorough (徹底的な、完全な)
- 名詞形: thoroughness (徹底性、完全さ)
◼︎ CEFRレベルの目安
B2(中上級): 語彙力がそこそこついてきた学習者が、深い意味合いを表現するときに使うことが多い単語です。
2. 語構成と詳細な意味
◼︎ 語構成
- 語幹: thorough (「完全な」「徹底的な」を意味する形容詞)
- 接尾語: -ly (副詞を作る接尾語)
◼︎ 派生語や類縁語
- thorough (形容詞): 徹底的な
- thoroughness (名詞): 徹底性、完全さ
◼︎ よく使われるコロケーション(10例)
- thoroughly check(徹底的にチェックする)
- thoroughly enjoy(心から楽しむ)
- thoroughly understand(十分に理解する)
- examine thoroughly(徹底的に調べる)
- thoroughly clean(隅々まで掃除する)
- thoroughly read(しっかり読む)
- be thoroughly convinced(すっかり納得する)
- plan thoroughly(綿密に計画する)
- thoroughly prepare(入念に準備する)
- thoroughly discuss(徹底的に議論する)
3. 語源とニュアンス
◼︎ 語源
- 「thorough」は、中英語(Middle English)の “thorow” にさかのぼり、古英語(Old English)の “thurh” (through) に由来します。「~を通り抜けて」「最初から最後まで」という意味が徐々に「完全に」「抜け漏れなく」というニュアンスをもつようになりました。
◼︎ ニュアンス・使用時の注意点
- 何かをやりきる、最初から最後までよく調べる、あるいは念入りに実行する、といった強いニュアンスを持ちます。
- 日常会話でも使いますが、フォーマルな文書やビジネスシーンでもよく見られます。
- 「丁寧に」「じっくりと」といったポジティブ感を含意することが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
◼︎ 一般的な構文例
- [主語] + [動詞] + thoroughly
- 例: “We need to review this document thoroughly.”
- 例: “We need to review this document thoroughly.”
- [動詞] + 目的語 + thoroughly
- 例: “Please clean the kitchen thoroughly.”
- 例: “Please clean the kitchen thoroughly.”
◼︎ 使用シーン
- フォーマル/カジュアル問わず使用可能です。
- 例: ビジネスでは「Thoroughly inspect the products.」など。
- 日常会話では「I thoroughly enjoyed the party.」など。
- 例: ビジネスでは「Thoroughly inspect the products.」など。
◼︎ 文法的ポイント
- 副詞であるため、動詞を修飾する位置に注意します。
- 「徹底的に」という意味なので、自然に強調を入れたい位置に置きます。
5. 実例と例文
以下、日常会話・ビジネス・学術的な文脈の3つの場面ごとに3例ずつ示します。
1) 日常会話の例文
“I thoroughly enjoyed the movie last night.”
- (昨夜の映画を本当に心から楽しみました。)
“Make sure you wash the dishes thoroughly after dinner.”
- (夕食後は食器を徹底的に洗うようにしてください。)
“He thoroughly understands how to fix computers.”
- (彼はコンピューターの修理方法をしっかり理解しています。)
2) ビジネスシーンの例文
“We need to thoroughly review the contract before signing.”
- (署名の前に契約書を徹底的に精査する必要があります。)
“Our team thoroughly inspected the factory for any safety issues.”
- (私たちのチームは安全上の問題がないか、工場を徹底的に検査しました。)
“It’s important to thoroughly document every step of the process.”
- (手順のすべてを徹底的に記録することが重要です。)
3) 学術的・アカデミックな例文
“Researchers must thoroughly analyze data before drawing conclusions.”
- (研究者は結論を出す前にデータを徹底的に分析しなければなりません。)
“This paper thoroughly examines the effects of global warming on coral reefs.”
- (この論文はサンゴ礁における地球温暖化の影響を徹底的に検討しています。)
“Students are encouraged to thoroughly read all relevant sources.”
- (学生は関連する文献を余さず徹底的に読むことが推奨されます。)
6. 類義語・反意語と比較
◼︎ 類義語 (Synonyms)
- completely (完全に)
- entirely (まったく)
- utterly (まったく、完全に)
- exhaustively (余すところなく、徹底的に)
- meticulously (細部まで丹念に)
これらは「全面的にやりきる」という点では似ていますが、“thoroughly” は特に「丁寧・入念に隅々まで」というニュアンスが強く、細部にわたる徹底性を強調します。
◼︎ 反意語 (Antonyms)
- superficially (表面的に)
- partially (部分的に)
- incompletely (不十分に)
7. 発音とアクセントの特徴
◼︎ 発音記号 (IPA)
- イギリス英語: /ˈθʌr.ə.li/ または /ˈθɜːr.ə.li/
- アメリカ英語: /ˈθɝː.oʊ.li/ または /ˈθʌr.oʊ.li/
◼︎ アクセントの位置
- 最初の “thōr-” の部分にアクセントがあります。(「THUR-uh-lee」というように発音)
◼︎ よくある発音の間違い
- “/θ/” (歯と舌を使う音) を “/s/” や “/t/” にしてしまう
- “throughly” と読み間違えて “スルーリー” のように発音してしまうなど
8. 学習上の注意点・よくある間違い
スペルミス
- × thouroughly, throughly
- ○ thoroughly
「r」の位置が複雑なので注意が必要です。
- × thouroughly, throughly
through
と混同しない- “through” (前置詞/副詞: ~を通じて) とはつづりが似ていますが、意味・用法は異なります。
試験対策 / TOEICなど
- ビジネス文書や説明文で「入念に・徹底的に」といった強調表現をするときに出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「thorough」=「through(通して)」+「-ough(ただし実際には古英語形)」とイメージすると、「最初から最後まで・隅々まで全部」という感覚で覚えやすいです。
- スペリングのコツとしては、“thorough + ly” と分割して覚えると間違いを減らせます。
- 音から覚えるなら、頭の “θ” 音に注目:サ行ではなく、舌を歯に軽く当てて「th」の音に集中すると上達します。
以上が、副詞「thoroughly」の詳細解説です。書く・話す際に「完全に」「徹底的に」「念入りに」と伝えたいときに、ぜひ活用してみてください。
徹底的に,完ぺきに,全く