最終更新日:2025/12/03
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元となった辞書の項目

void

(法的に)無効な / 《文》空虚な,からっぽの / 《補語にのみ用いて》《be void of+名》(…が)ない,欠けた / 〈U〉《the ~》(地球の回りの)空間,空所,虚空 / 〈C〉《単数形で》(地面・壁などの)すきま,割れ目 / 〈C〉《単数形で》空虚感,物足りなさ / (法的に)…‘を'無効にする / …‘を'からにする;…‘を'排泄(はいせつ)する

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契約は裁判所によって無効とされました。

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解説

1. 基本情報と概要

単語: void

品詞: 形容詞 / 名詞 / 動詞


  • 英語の意味:


    • 形容詞: “completely empty” (完全に空である), “invalid” (無効な)

    • 名詞: “an empty space” (空虚な空間、空所), “a feeling of emptiness” (虚無感)

    • 動詞: “to make something invalid” (何かを無効にする), “to remove or leave empty” (空にする)


  • 日本語での説明:

    形容詞としては「空っぽの」「無効な」といった意味で、また名詞としては「空虚」「空所」というニュアンスを持つ単語です。さらに動詞としては「~を無効にする」「~を取り消す」という使い方もあります。日常的にも使われますが、法律用語や科学分野、感情表現など幅広いシーンで見られます。


  • 活用形:


    • 形容詞: void(変化なし)

    • 名詞: void(数えられる場合と数えられない場合がある)

    • 複数形:voids(「複数の空所」というように使うシチュエーションは少なめ)

    • 動詞: void - voided - voided - voiding


  • 他の品詞での例:


    • 形容詞 → 名詞: 「空っぽである」という意味合いから、「void (a void) = 空所・虚空」の名詞形

    • 動詞 → 形容詞: 「voided check(無効になった小切手)」のような受動態的な形


  • CEFRレベルの目安: B2(中上級)


    • A1: 超初心者

    • A2: 初級

    • B1: 中級

    • B2: 中上級 (文書や議論の中で、抽象的な概念を理解・表現する余裕があるレベル)

    • C1: 上級

    • C2: 最上級



2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • 語源的要素: ラテン語由来の “vocitus / vacare” (空にする) から変化した “void”。

  • 直接的な接頭語・接尾語はつかないため、「void」という単語自体が完成形に近いです。

派生語や類縁語


  • avoid: “a- (~から離れて) + void (空にする)” → 「避ける」

  • devoid: “de- (下に、取り除く) + void (空にする)” → 「欠いている、~がない」

よく使われるコロケーション(共起表現)10選


  1. fill the void(空白を埋める)

  2. a void in one’s heart(心の空虚さ)

  3. null and void(無効である)

  4. void of meaning(意味を欠いている)

  5. legal void(法的な空白 / 法的に無効)

  6. void the contract(契約を無効にする)

  7. the power of the void(空虚の力、哲学やファンタジーで使われる表現)

  8. void check(無効にした小切手)

  9. be void of emotion(感情がない、感情を欠いている)

  10. leave a void(空虚・喪失感を残す)


3. 語源とニュアンス


  • 語源:

    ラテン語の “vacare”=「空である、暇である」が古フランス語を経由して英語に入ったとされています。「避ける」を意味する “avoid” とも関連があります。


  • 歴史的背景:

    中世では法律文書などで「無効」の意味として使われ、哲学・宗教的文脈でも「虚無」「空虚」の概念を表してきました。


  • ニュアンスや使用時の注意点:


    • 「空虚」「何もない状態」を強調するため、感情的に「虚しさ」を表すときに使うと少し文学的・劇的な響きがあります。

    • 法律・公的文書では「無効」という意味をはっきり指し、文章的に使われることが多く、ややフォーマルな語感があります。

    • 口語でも「My life feels void.(人生が虚しい)」など感情をこめて用いる場合がありますが、やや文学的なニュアンスが残ります。



4. 文法的な特徴と構文


  • 名詞としての使用


    • 「a void」が一般的。可算名詞として使うときは、「an empty space」。不可算的に「虚無感」を指す場合もあります。


  • 形容詞としての使用


    • 「void of ~」の形で、「~がない」「~を欠いている」という構文でよく使われます。

    • 例: “He is void of empathy.”(彼は共感を欠いている)


  • 動詞としての使用


    • 他動詞: “to void something” → 「何かを無効にする」「取り消す」

    • 文書・契約を無効にする文脈によく登場する。

    • 医学的には「排泄する」という専門的用法もありますが、日常会話ではあまり使いません。


  • フォーマル/カジュアル


    • 法律文書、ビジネス文書では比較的フォーマル。

    • 感情表現としてはやや文学的か重々しいニュアンスがあります。



5. 実例と例文

(A) 日常会話での例文


  1. “I feel a void in my life since my best friend moved away.”


    • 友だちが引っ越してしまってから、人生にぽっかり穴が空いた感じがする。


  2. “Could you help me fill this void on the form, please?”


    • この用紙の空欄を埋めるのを手伝ってもらえますか?


  3. “The box was completely void of any contents.”


    • その箱には何も入っていなかったよ。


(B) ビジネスでの例文


  1. “Due to a technical error, the transaction was rendered null and void.”


    • 技術的エラーにより、取引は無効となりました。


  2. “Make sure to void the check before discarding it.”


    • 小切手を処分する前に無効化の処理をしてください。


  3. “Our agreement becomes void if payment is not made within 30 days.”


    • 30日以内に支払いが行われなければ、契約は無効になります。


(C) 学術的な文脈での例文


  1. “Physicists study the void of outer space to understand the nature of the universe.”


    • 物理学者たちは、宇宙の空間の空虚さを研究することで、宇宙の本質を理解しようとしている。


  2. “This philosophy explores the concept of the void in human existence.”


    • この哲学は、人間存在における虚無について探究するものです。


  3. “The legal system must address the legislative void concerning data protection.”


    • 法制度は、データ保護に関する立法上の空白を解消しなければならない。



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. empty(空の)


    • 単純に「中が何も入っていない」ことを指し、感情的な虚しさとは限らない。


  2. vacant(空いている、使用されていない)


    • 部屋や席などが空いている状態を指す。


  3. null(無効の)


    • 主に法的・数値的に「価値や効力がない」状態。コンピュータ用語でもよく使われる。


  4. vacuum(真空)


    • 物理的に空気など何も存在しない空間。


  5. devoid(~を欠いている)


    • 形容詞で「~がまったくない」という強調をする時に用いる。


反意語


  1. full(満たされた)


    • 中身が入っている、満満としている。


  2. valid(有効な)


    • 法的・規定上、効力を持っている。


  3. complete(完全な)


    • 不足がなく充実している。



7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA): /vɔɪd/

  • アメリカ英語: [vɔɪd] (“voi-d” )

  • イギリス英語: [vɔɪd] (ほぼ同じ発音で大きな違いはありません)

強勢(アクセント)


  • 単音節語なので、特にシラブルごとの強勢の違いはありませんが、/v/ と /ɔɪ/ をはっきり発音することがポイントです。

よくある発音の間違い


  • /bɔɪd/ と濁ってしまう、あるいは /vɔɪt/ と ending を誤ってしまうケース。

  • “voi-d” と明瞭に発音すると通じやすいです。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: “void”を “viod” とつづってしまうことがある。音の通りに「vo-d」と表記してしまいがちなので注意。

  • 同音異義語との混同: 同音異義語は特にありませんが、似た響きの「void」と「avoid」が混同されやすい。

  • 試験対策:


    • TOEICや英検などで、契約書やビジネス文書の語彙問題に絡むことがある。 “The contract is void.” など、法的効力がらみの表現が出題されやすいです。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「ボイド(VOID)=空っぽの空間を連想」

    “O” の丸い形を意識しながら、頭の中で「空虚な空間」をイメージすると覚えやすいかもしれません。

  • avoid の a + void

    「避ける」は「空っぽの状態を求める」という風に結びつけると連想しやすく、両方の単語をセットで覚えると便利です。

  • 短くインパクトのある単語でもあり、“空っぽ” “無効” “取り消す” という三つの意味が一体化しているとイメージすると記憶に残りやすいでしょう。


以上が “void” の詳細な解説です。幅広い文脈で使われる単語ですので、意味の異なる用法をしっかり区別しながら学習してみてください。

意味のイメージ
void
意味(1)

(法的に)無効な

意味(2)

《文》空虚な,からっぽの

意味(3)

《補語にのみ用いて》《be void of+名》(…が)ない,欠けた

意味(4)

〈U〉《the ~》(地球の回りの)空間,空所,虚空

意味(5)

〈C〉《単数形で》(地面・壁などの)すきま,割れ目

意味(6)

〈C〉《単数形で》空虚感,物足りなさ

意味(7)

(法的に)…‘を'無効にする

意味(8)

…‘を'からにする;…‘を'排泄(はいせつ)する

ビジネス英単語(BSL) / 和訳 / 4択問題

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