long before
1. 基本情報と概要
英語表記: long before
品詞: 接続詞(句として用いられる場合が多い)、または副詞的フレーズ
- 英語での意味: A long time prior to something else (何かが起こるよりもずっと前に)
- 日本語での意味: 「ずっと前に」「~よりはるか前に」
- たとえば「Long before I was born, this house had been here.(私が生まれるずっと前からこの家は存在していました)」のように、「ある出来事よりも大分前から」というニュアンスを伝えるときに使う表現です。
CEFRレベル: B2(中上級)
- 実際の会話や文章の中で、時系列を強調して述べたいときに自然に出てくる表現です。中上級の英語学習者が理解しやすい表現ですが、使いこなすにはやや慣れが必要です。
活用形
「long before」はフレーズ(句)として用いられるため、動詞のように活用しません。接続詞的に使う場合は主節に対して従属節を導くときに使います。
例:
- Long before we noticed, the game had already started.
- Long before I moved here, this city was much smaller.
他の品詞の例
「long」単体で形容詞や副詞として使用可能です。
- 形容詞: “This is a long journey.”(これは長い旅です)
- 副詞: “That didn’t take long.”(それは長い時間かからなかった)
- 形容詞: “This is a long journey.”(これは長い旅です)
「before」単体で前置詞・接続詞・副詞として使用可能です。
- 前置詞: “before sunrise”(日の出前)
- 接続詞: “Finish your work before you go out.”(外出する前に仕事を終わらせなさい)
- 副詞: “I’ve seen him before.”(以前に彼を見たことがある)
- 前置詞: “before sunrise”(日の出前)
2. 語構成と詳細な意味
「long before」は、
- long(形容詞/副詞): 「長い」「長く」
- before(前置詞/接続詞/副詞): 「~の前」
の組み合わせで、「~の前だけれどもかなり前」という意味を強調する表現となります。
派生語・類縁語
- beforehand: 「前もって、事前に」
- previously: 「以前に」
- earlier: 「より早い時に」
コロケーション(共起表現)10選
- long before dawn (夜明けよりずっと前)
- long before the event (その出来事のずっと前)
- long before we realized (私たちが気づくよりずっと前)
- long before that day came (その日が来るずっと前)
- long before I was ready (私が準備できるずっと前)
- long before the deadline (締め切りよりずっと前)
- long before the sun rose (日が昇るずっと前)
- long before it was discovered (それが発見されるずっと前)
- long before they understood (彼らが理解するずっと前)
- long before you imagine (あなたが想像するよりずっと前)
どれも「ある基準となる時点よりかなり前に」という意味を持っています。
3. 語源とニュアンス
- long は古英語の “lang,” “long” から来ており、「引き伸ばされた距離や時間」を表します。
- before は古英語 “beforan” から来ています。
- 「long before」は、もともと「単に“before(前)」というより時間的に大きく隔たりがある」ことを強調するフレーズです。
ニュアンス・使用上の注意
- 「before」だけだと単に「前に」という意味ですが、「long before」にすることで「ずっと前」「はるか前」と、より強調します。
- フォーマルな文章でも、話し言葉でも比較的よく使われますが、文章語的に少し強調したいニュアンスを出すときに用いられることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
接続詞(あるいは副詞句)として long before + 主語 + 動詞 の形で使い、主節よりも前の時点を強調します。
- Long before I met him, I had heard many stories about his adventures.
- Long before I met him, I had heard many stories about his adventures.
文の最初だけでなく、文中や文末に置くことも可能ですが、接続詞として使う場合は通常、従属節の先頭に置きます。
「before」と「after」のように、時系列を示す接続詞の一種なので、主に過去や未来の時制を語るときに使われるケースが多いです。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
Long before we actually met in person, we had been chatting online.
- (実際に会うずっと前から、私たちはオンラインでやりとりしていたんだ。)
I started cooking long before you woke up.
- (あなたが起きるずっと前から料理を始めていたよ。)
They left long before the party ended.
- (彼らはパーティが終わるずっと前に帰ってしまった。)
ビジネスでの例文(3つ)
The company had finalized its strategy long before the competitors even noticed the market trend.
- (競合他社が市場のトレンドに気づくずっと前に、その会社は戦略を確定していた。)
Long before the official announcement, we prepared a contingency plan.
- (公式発表のずっと前に、私たちは緊急時対応の計画を立てていました。)
We need to secure funding long before the next fiscal year begins.
- (次の会計年度が始まるずっと前に、資金を確保する必要があります。)
学術的な文脈での例文(3つ)
Long before the theory was established, researchers had hinted at similar patterns.
- (その理論が確立されるずっと前から、研究者たちは類似のパターンを示唆していた。)
Evidence shows that this phenomenon existed long before recorded history.
- (記録された歴史よりずっと前から、この現象が存在していたという証拠がある。)
Long before the scientific community accepted the data, numerous experiments demonstrated the same results.
- (科学界がそのデータを受け入れるずっと前から、多くの実験が同じ結果を示していた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- long ago(ずっと前に)
- 「long before」は「何かよりも前」という比較のニュアンスがありますが、「long ago」は単に昔という意味を表します。
- 「long before」は「何かよりも前」という比較のニュアンスがありますが、「long ago」は単に昔という意味を表します。
- well before(かなり前に)
- 「well before」は期間こそ強調されるものの「long before」ほどの強いニュアンスではない場合があります。
- 「well before」は期間こそ強調されるものの「long before」ほどの強いニュアンスではない場合があります。
- way before(はるか前に)
- 「way before」はくだけた、口語的な表現で、カジュアルな場面で「ずっと前に」と言うときに使います。
反意語
- long after(~のずっと後に)
- 「long before」とは反対の事柄として「ずっと後に」という意味を持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /lɔːŋ bɪˈfɔːr/ (イギリス英語), /lɔːŋ bɪˈfɔːr/ or /lɑːŋ bɪˈfɔːr/ (アメリカ英語)
- アクセントは「long」の [ɔːŋ](または [ɑːŋ]) 音と、続く「be*fore」の *-fore** がやや強調されます。
- [long] の末尾 “ng” 音 /ŋ/ をくっきり発音し、[before] の [r] をアメリカ英語ではしっかり巻き舌気味に発音します。
- よくある間違いとして、[long] の “o” の母音を短く [lɒŋ] としてしまう、または “before” を [bəfɔr] のように短く発音してしまうケースがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「long before」は一つのかたまりとして覚えましょう。「before long」とは意味が逆転します。
- “before long” は「まもなく」の意味なので全く違います。
- “before long” は「まもなく」の意味なので全く違います。
- 「long」か「before」どちらかだけを使うと強調が弱まるので、意味の強さに応じて使い分けましょう。
- TOEICや英検などの試験では、時制や接続詞に関する問題で「long before」の誤用や混同に注意が必要です。たとえば「before long」と勘違いしてしまうなど、出題の可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ロング(すごく長い)+ビフォー(前)」とイメージして、「はるか昔・ずっと前」というニュアンスで覚えましょう。
- 「before long(まもなく)」と正反対なので、語順を混同しないように “LONG BEFORE = ずっと前” と “BEFORE LONG = まもなく” のセットで暗記すると良いです。
- 文章の流れで、時間の差をぐっと強調したいときに使える便利なフレーズなので、エッセイやスピーチなどでも活用できます。
上記のポイントを押さえて「long before」を使えば、出来事の時系列をより強調して伝えることができるようになります。会話でも文章でも応用できるフレーズなので、ぜひ覚えてみてください。
【接】(時間的に)...よりずっと前に, ...よりかなり以前に