defy
〈他〉《...してみようとAに》挑む, 挑発する,挑戦する《~ A to do》 / 〈他〉 を無視する,をものともしない / 〈他〉を拒む,を受け付けない,拒否する / 〈他〉逆らう,従わない
以下では、英単語「defy」を、できるだけ詳細に解説していきます。
1. 基本情報と概要
● 単語
- defy
● 品詞
- 動詞 (verb)
● 意味(英語)
- To refuse to obey or show respect for authority, rules, or traditional ideas.
● 意味(日本語)
- 権威やルール、慣習などに従うことを拒む、逆らう。
つまり、自分に課せられた指示や決まりごとを無視したり、反抗したりするようなニュアンスがあります。
● 活用形
- 原形: defy
- 三人称単数現在: defies
- 過去形: defied
- 過去分詞: defied
- 現在分詞/動名詞: defying
● 他の品詞形
- 名詞形: defiance(反抗)
- 形容詞形: defiant(反抗的な)
● CEFRレベルの目安
- B2(中上級)レベル以上の学習者が知っていることが多い単語です。
(B2: 日常会話をこなし、抽象的な話題でもやりとりができる程度)
2. 語構成と詳細な意味
「defy」は、もともと「信仰を捨てる・挑む」というニュアンスを含む古フランス語が起源とされています。
- 接頭語「de-」に直接の意味付けをするのはやや複雑ですが、ラテン語や古フランス語の変化の中で「違反する、否定する」といった意味が含意されています。
2-1. よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- defy authority(権力に逆らう)
- defy the odds(不利な状況に挑む・克服する)
- defy belief(信じがたい)
- defy logic(論理から外れる、理解しがたい)
- defy convention(慣習に逆らう)
- defy gravity(重力に逆らう)
- openly defy(公然と反抗する)
- boldly defy(大胆に逆らう)
- defy explanation(説明がつかない、理解できない)
- defy expectations(期待に反して驚かせる)
3. 語源とニュアンス
● 語源
- 中英語「defien」 → 古フランス語「defoier」 → ラテン語系の「disfidare」(信仰を捨てる・不信に置く)から派生したと考えられています。
● ニュアンス
- 「defy」は、相手(上司、政府、権威など)の指示・命令・慣習に真っ向から逆らう、対抗する意味合いをもちます。
- 強い意志や勇気を示すポジティブな文脈でも、反抗的な負のイメージでも使われることがあります。
- 口語・文章どちらでも使われますが、少し強めの語感があるため、明確に「逆らう」「挑む」という態度を示すシーンに向いています。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 (transitive verb) として使われるのが一般的です。目的語をとって「~に逆らう」という形をとります。
例: She defied her parents’ wishes.(彼女は両親の願いに反抗した)イディオム / よく使われる構文
- defy description(言葉で言い表せない)
- defy the laws of something(~の法則に反する)特に「defy the laws of physics(物理法則に逆らう)」などの表現がある。
- defy description(言葉で言い表せない)
フォーマルとカジュアル、両方の文脈で使用可能ですが、表意が強いためにやや硬めに聞こえる場合もあります。
5. 実例と例文
5-1. 日常会話での例文(カジュアル)
“I can’t believe you’d defy your coach like that!”
(コーチにあんなふうに逆らうなんて信じられないよ!)“If you defy the rules, you might get in trouble.”
(ルールに逆らうと、問題を起こすかもしれないよ。)“Sometimes you have to defy expectations to stand out.”
(ときには期待を覆してこそ目立つことができるんだ。)
5-2. ビジネスでの例文(ややフォーマル)
“The startup chose to defy conventional strategies and pursue a riskier approach.”
(そのスタートアップは従来の戦略に逆らい、よりリスクの高いアプローチを取ることに決めた。)“He defied the company policy by proposing a more innovative solution.”
(彼はより革新的な解決策を提案し、社内方針に反している形となった。)“Her decision to defy the board’s recommendation was both bold and controversial.”
(彼女の取締役会の勧告に反する決断は、大胆でもあり、物議も醸しました。)
5-3. 学術的/公的な文脈での例文
“This new scientific discovery seems to defy all previously established theories.”
(この新しい科学的発見は、これまでの定説をすべて覆すように見える。)“Historical figures who defied oppressive regimes are often remembered as heroes.”
(圧政に抵抗した歴史的人物は、しばしば英雄として記憶される。)“The data defies clear categorization, suggesting a need for further research.”
(そのデータは明確な分類を許さず、さらなる研究の必要性を示唆している。)
6. 類義語・反意語と比較
● 類義語 (Synonyms)
- resist(抵抗する)
- 「物理的・精神的に抵抗する」という意味。より直接的に「押し返す」というニュアンスが強い。
- 「物理的・精神的に抵抗する」という意味。より直接的に「押し返す」というニュアンスが強い。
- disobey(従わない)
- 「命令や法律などに従わない」という意味で、より直接的な不服従。
- 「命令や法律などに従わない」という意味で、より直接的な不服従。
- oppose(反対する)
- 主に意見や立場の違いを示すときに使われる。
- 主に意見や立場の違いを示すときに使われる。
- challenge(挑む)
- 挑戦、挑発、競合のイメージがある。
- 挑戦、挑発、競合のイメージがある。
- confront(立ち向かう)
- 直接対決する、対峙するイメージが強い。
- 直接対決する、対峙するイメージが強い。
● 反意語 (Antonyms)
- obey(従う)
- submit(服従する)
- comply(従う、準拠する)
類義語との違いは、たとえば“resist”よりも“defy”は、より激しく意図的に「(相手を)無視する」「反発する」といった印象があり、多少ドラマチックなニュアンスを帯びる場合が多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
● 発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /dɪˈfaɪ/
- イギリス英語: /dɪˈfaɪ/
● 強勢(アクセント)
- 「-fy」の部分(語尾)を強めに発音します。
- “di-FY”のようなリズムになります。
● よくある発音の間違い
- 「de」部分を「dee」と発音してしまったり、「fi」を「fai」ではなく「fee」に近く伸ばしてしまうことがあるので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「defie」と書いてしまわないよう注意。語尾は “-fy” です。
- 同音異義語の混同: 「deny(否定する)」と混同しやすいですが、意味・スペルともに異なります。
- 資格試験での出題傾向: TOEICや英検の長文読解などで、権威に逆らう文脈の語彙として出ることがあります。
- 名詞形「defiance」、形容詞形「defiant」とセットで覚えておくと役立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「de- + fi-」というスペルの並びは少し珍しいので、まずスペルそのものをしっかりと覚える。
- 「defy」は「SF映画やファンタジーなどで“defy gravity” (重力に逆らう) という表現をよく見る」とイメージすると、単語の意味がすっと入るかもしれません。
- 「defiance(反抗)」という名詞も同時に覚えると、使い方が広がります。
以上が「defy」の詳細解説です。反抗や挑戦といった強いイメージのある語なので、ぜひ文脈に合わせて活用してください。
…'を'無視する,ものともしない
〈物事が〉…'を'拒む,受け付けない
《defy+名+to do》(…してみようと)〈人〉に挑む,挑戦する