hierarchy
1. 基本情報と概要
英単語: hierarchy
品詞: 名詞 (noun)
活用形: 単数形: hierarchy / 複数形: hierarchies
英語での意味:
A system in which people or things are arranged according to their importance or status.
日本語での意味:
「階層制」「上下関係のある組織構造」のことです。主に組織や社会において、人々や要素を優先順位や地位によって段階的に分ける仕組みを指します。たとえば会社組織や教会組織、あるいは生物学の分類体系など、色々な文脈で使われます。
「権力や重要度のレベルが高い順から低い順までを段階的に区別したもの」というニュアンスを持ち、組織や制度の上下関係を強調する時に使われます。ビジネスや学術の場面など、多くの分野でよく目にする単語です。
他の品詞形について
- 形容詞: hierarchical (階層的な)
- 副詞: hierarchically (階層的に)
CEFR レベル目安: B2(中上級)
組織構造や社会構造など、抽象的な概念を表す単語であり、高校生以上やビジネス英語、アカデミック英語などでも頻出です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- hier-: 元々はギリシャ語の “ἱερός (hieros)” に由来し、「聖なる」という意味を含むこともあります。
- -arch: ギリシャ語の “άρχω (arkhō)”=「支配する、統治する」という意味。
- -y: 「状態」「性質」を表す名詞化の接尾辞。
ここから「聖なる支配者」「聖職者の序列」などの意味が派生し、現在は一般的な「階層制、上下関係」という意味を持つようになりました。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連表現(10個)
- organizational hierarchy(組織の階層)
- social hierarchy(社会的階層)
- hierarchical structure(階層構造)
- flat hierarchy(フラットな階層、平坦な組織)
- chain of hierarchy(階層の連鎖)
- power hierarchy(権力階層)
- strict hierarchy(厳格な階層)
- top of the hierarchy(階層の頂点)
- break down the hierarchy(階層を崩す)
- maintain the hierarchy(階層を維持する)
3. 語源とニュアンス
語源
- ギリシャ語の “hierarchia” から来ており、元々は教会組織や宗教的権威構造を示す言葉でした。中世ラテン語 “hierarchia” を経て、後に英語 “hierarchy” となりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 主に組織や制度での上下関係や地位の明確化に焦点を当てる語です。
- 「階層的である」ことに対して、やや硬い・フォーマルな響きがあります。
- カジュアルな日常会話よりも、ビジネス文書・学術論文などのフォーマルな場面でよく使われます。
- 階層社会や格差を指摘する文脈(やや批判的な文脈)などで使用されることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): “a hierarchy / hierarchies” として扱われる。
- “hierarchy” を説明するときは、しばしば前置詞 “in” や “within” を使い “in a hierarchy” / “within the hierarchy” という構文になることが多い。
- 「階層制を築く」「整える」のように動詞と合わせるときは “establish a hierarchy” / “create a hierarchy” などがあります。
- 形容詞 “hierarchical” を使うときは “The organization has a hierarchical structure.” のように「階層的な」で修飾します。
イディオム・構文例
- “at the top of the hierarchy” = 「階層の頂点にいる」
- “flatten the hierarchy” = 「階層を平坦化する」
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
“I’m not a big fan of strict hierarchy at home, but sometimes it helps keep things organized.”
- (家の中で厳格な上下関係は好きじゃないけど、時々物事を整理するのには役立つんだ。)
- (家の中で厳格な上下関係は好きじゃないけど、時々物事を整理するのには役立つんだ。)
“Do you think our friend group has an unspoken hierarchy based on who plans the events?”
- (僕たちの友人グループって、イベントを企画する人によって暗黙の上下関係があると思う?)
- (僕たちの友人グループって、イベントを企画する人によって暗黙の上下関係があると思う?)
“In a sports team, there’s usually a natural hierarchy of skill level.”
- (スポーツチームでは、たいていスキルレベルに応じた自然な階層があるよね。)
- (スポーツチームでは、たいていスキルレベルに応じた自然な階層があるよね。)
ビジネスでの例文(3つ)
“Our company’s hierarchy is quite rigid, so decisions often take a long time.”
- (うちの会社の階層はかなり硬直的だから、決定に時間がかかるんだ。)
- (うちの会社の階層はかなり硬直的だから、決定に時間がかかるんだ。)
“We want to reduce the hierarchy so that employees can communicate more openly.”
- (従業員がより自由にコミュニケーションできるように、階層構造を減らすことを目指しています。)
- (従業員がより自由にコミュニケーションできるように、階層構造を減らすことを目指しています。)
“In the new organizational hierarchy, middle management has more autonomy.”
- (新しい組織の階層では、中間管理職により多くの裁量権があります。)
- (新しい組織の階層では、中間管理職により多くの裁量権があります。)
学術的・専門的な文脈(3つ)
“The taxonomy of species follows a strict hierarchy, ranging from kingdom down to species.”
- (生物の分類学は、界から種まで厳密な階層に従います。)
- (生物の分類学は、界から種まで厳密な階層に従います。)
“Sociologists study how hierarchy influences social mobility within different cultures.”
- (社会学者は、さまざまな文化で階層制が社会的流動性にどのように影響するかを研究しています。)
- (社会学者は、さまざまな文化で階層制が社会的流動性にどのように影響するかを研究しています。)
“Optimal design of a hierarchy can enhance efficiency in complex organizations.”
- (階層制を最適に設計することによって、複雑な組織の効率を高めることができます。)
- (階層制を最適に設計することによって、複雑な組織の効率を高めることができます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “ranking”(ランク付け)
- 「順位づけ」を強調した語。数値化・スコアリングに使いがち。
- 「順位づけ」を強調した語。数値化・スコアリングに使いがち。
- “pecking order”(序列、上下関係)
- 鳥がついばんで順位づけする様子から来た、よりカジュアルで口語的な表現。
- 鳥がついばんで順位づけする様子から来た、よりカジュアルで口語的な表現。
- “chain of command”(指揮系統)
- 上下関係を明確にしつつ、指令系統が存在する場面で主に使う。軍隊や組織に多い表現。
- 上下関係を明確にしつつ、指令系統が存在する場面で主に使う。軍隊や組織に多い表現。
- “structure”(構造)
- 広義での組織やシステムの構成要素の配置を指す。必ずしも上下関係を示さない。
- 広義での組織やシステムの構成要素の配置を指す。必ずしも上下関係を示さない。
反意語
- “egalitarian system” (平等主義の制度)
- 階層制をできるだけ排し、全員を平等に扱う制度。
- 階層制をできるだけ排し、全員を平等に扱う制度。
- “flat organization” (フラットな組織)
- 階層のレベルを最小限にし、なるべく上下関係を持たないシステム。
- 階層のレベルを最小限にし、なるべく上下関係を持たないシステム。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈhaɪərɑːrki/ (米), /ˈhaɪərɑːki/ (英)
- 強勢(アクセント)の位置: “hi・er・ar・chy” の最初の “hi” (第1音節) に強勢がきます。
- アメリカ英語とイギリス英語: 大きな違いはありませんが、 “r” の発音が地域によって微妙に異なる場合があります。
- よくある発音の間違い: “ハイアラーキー” のように “ar” がダブる部分で滑舌が難しく、 /ɪ/ や /e/ と間違えて発音しやすいので注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “hierarchy” は途中の “a” と “r” の並びを混同しがちで、 “heirarchy” や “hierachy” などのミスが起こりやすいです。
- 同音異義語との混同: 特に同音異義語はありませんが、発音が似た “hieratic (聖職者の)” と混同するのは稀に見られます。
- 試験対策: TOEIC や英検などの中上級レベル(英検準1級程度)で、ビジネスや社会の構造を説明する文脈などで出題されることがあります。抽象的な名詞として覚えておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “hierarchy” という単語の中には “arch” (建築のアーチにも使われる語幹) =「支配・統治」の要素があると覚えると、 “monarchy” (君主制) や “anarchy” (無政府状態) などと関連付けしやすいです。
- スペリングでは “hie-rar-chy” と区切るイメージをもつと、混乱しにくくなります。
- 語感としては “ハイアラーキー” と「ア」が連続するので、そこで一息ついて丁寧に発音する練習をすると覚えやすいです。
- イメージとして、ピラミッド型を思い浮かべると、上下関係や層のイメージが思い出しやすいでしょう。
以上が “hierarchy” の詳しい解説です。ぜひ覚えておいてください。
聖職の階級組織
聖職位階制政治
(一般に)階級組織,職階制;階層