元となった辞書の項目
gravity
解説
以下では「gravity」という単語を、学習者の方にもわかりやすいよう、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: gravity
品詞: 名詞 (noun)
英語の意味:
1) the force that attracts a body toward the center of the earth, or toward any other physical body having mass
2) extreme importance or seriousness
日本語の意味:
1) 重力、引力
2) (事柄・状況などの) 重大さ、深刻さ
「gravity」は、日常会話では主に「重力」の意味で使われますが、フォーマルな文脈では「重大さ」「深刻さ」を表すこともあります。たとえば、物事の深刻度合いを強調したいときに「the gravity of the situation」のように使います。
活用形:
名詞のため、形自体は変化しません (複数形“gravities”は非常にまれ)。
形容詞形としては “grave” (形容詞: 重大な、重々しい) などがあります。
CEFRレベルの目安: B2 (中上級)
自然科学のみならず、社会的・比喩的な文脈でも使われるため、ある程度の語彙力と文脈理解が必要となります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “grav” (ラテン語由来で「重い」の意)
- 接尾語: “-ity” (名詞を作る接尾語: 性質や状態を表す)
関連・派生語
- grave (adj.): 重大な、重々しい
- gravitate (v.): 引き寄せられる、惹かれる
- gravitational (adj.): 重力の、重力に関する
- gravitas (n.): 真面目さ、重厚さ
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- the gravity of the situation → 状況の深刻さ
- law of gravity → 万有引力の法則
- gravity field → 重力場
- zero gravity → 無重力
- gravity pull → 重力の引力
- center of gravity → 重心
- gravity well → 重力井戸(天体物理学用語)
- lend gravity to (something) → (何かを) 重大に見せる/深刻さを加える
- gravity-defying → 重力に逆らう(ような)
- to recognize the gravity of (something) → (何かの) 重大さを認識する
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語「gravitas」(重さ、重々しさ) に由来します。フランス語の「gravité」を経て英語に取り入れられました。
- 歴史的背景: 17世紀ごろから「重力」を表す科学用語としてよく使われるようになり、ニュートンの研究や近代物理学の進展とともに一般にも広まりました。
- ニュアンス:
- 科学的文脈では「重力」の意味が強い
- 比喩的に「深刻さ」「重大さ」を表す際には、ややフォーマルで重々しい響きがあります
- 堅い印象を与える単語なので、カジュアルな会話で「深刻さ」を述べる場合は “seriousness” などを使うことも多いです
- 科学的文脈では「重力」の意味が強い
4. 文法的な特徴と構文
- 可算/不可算: 基本的に 不可算名詞 として扱われます。(ただし、概念としての「重力」は数えられない。文脈上、複数形を使うことはほとんどありません)
- 使用シーン:
- カジュアル → 「重力」(理科・日常科学の話題)
- フォーマル/ビジネス → 「重大さ」「深刻さ」(会議、スピーチ、論文など)
- カジュアル → 「重力」(理科・日常科学の話題)
イディオム・一般的な構文
- the gravity of [Noun]: 「〜の重大さ」
例) the gravity of the problem (その問題の重大さ) - escape gravity: 「重力を振り切る」(宇宙ロケットなどについて)
5. 実例と例文
(A) 日常会話 (カジュアルな場面)
- “I wonder what zero gravity feels like.”
「無重力ってどんな感覚なんだろうね。」 - “Because of gravity, everything falls back down.”
「重力があるから、すべて落ちてくるんだよ。」 - “Watch out for the gravity of your words; they can really hurt someone.”
「言葉の重大さには気をつけてね。それで誰かを深く傷つけちゃうこともあるよ。」
(B) ビジネス (ややフォーマルな場面)
- “We cannot ignore the gravity of the financial situation.”
「財政状況の深刻さを無視することはできません。」 - “The CEO’s speech underscored the gravity of the company’s declining profits.”
「CEOのスピーチは、会社の利益減少の重大さを強調していました。」 - “Given the gravity of these findings, a strategic response is necessary.”
「これらの調査結果の重大性を踏まえて、戦略的な対応が求められます。」
(C) 学術的な文脈 (科学・アカデミック)
- “Newton’s law of gravity revolutionized physics.”
「ニュートンの万有引力の法則は物理学を一変させました。」 - “The concept of gravity is essential in understanding planetary orbits.”
「惑星軌道を理解するうえで、重力の概念は不可欠です。」 - “Researchers are studying how gravity affects plant growth in microgravity environments.”
「研究者たちは、微小重力環境で重力が植物の成長にどのように影響するかを研究しています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- seriousness (深刻さ)
比較的カジュアルな場面もOK。日常会話でも使いやすい。 - weight (重さ・重み)
抽象的な意味では “weight of responsibility” のように使えるが、「深刻さ」や「重大さ」は語感として弱め。
反意語
- lightness (軽さ)
重力の反意語というよりは物理的に「軽いこと」を表す。抽象的に「軽い気持ち」といった表現に使える場合もあるが、「gravity = 重大さ」の反意語としては「軽薄さ」「気楽さ」というニュアンスになる。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈɡrævəti/
- アメリカ英語 (GA): 「グラヴィティ」のように /ˈɡræv.ə.ti/
- イギリス英語 (RP): ほぼ同じだがやや /ˈɡræv.ɪ.ti/ のように “ɪ” が強めになる傾向あり。
- 強勢 (アクセント): 最初の音節 “gra” の部分に強勢がきます。
- よくある間違い: 語頭の “gra” を「グレイ」と長く伸ばしてしまう、あるいは “-vity” の発音が「ヴィティ」ではなく、「ヴァイティ」になってしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “gravety”, “graviry” と書くミスが多い。
- 発音混同: “grave” (ɡreɪv) と 「gravity」(ɡrævəti) の区別。
- 意味の混同: 「重大さ」の意味を知らずに、常に「重力」にしか使えないと思う場合がある。
- 試験対策: TOEICや英検では、科学文脈や「深刻さ」を表す文章で登場することがあります。文脈判断で正しく訳せるかがポイントです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “grav-” は「重い」というラテン語に由来 (例: “grave” = 重大な、重々しい)。
- 記憶法: 「
グラ
っと落ちる引力」をイメージすると覚えやすいかもしれません。 - 単語カード: 両面に “gravity / グラヴィティ” と “重力 / 重大さ” と書いて、裏面には簡単な文例を入れると定着しやすいでしょう。
以上が「gravity」の詳細解説です。科学的文脈から比喩の用法まで幅広く使われる単語ですので、文脈に応じて意味を使い分けてください。
意味のイメージ
意味(1)
(地球の)引力,重力;重量(weight)
意味(2)
厳粛さ,まじめさ
意味(3)
重大さ,ゆゆしさ