元となった辞書の項目
institution
解説
1. 基本情報と概要
単語: institution
品詞: 名詞 (可算名詞)
活用形(数の変化):
- 単数形:institution
- 複数形:institutions
英語での意味:
- A significant organization founded for a religious, educational, professional, or social purpose.
- An established law, practice, or custom in a society.
日本語での意味:
- (社会的な)機関、団体、施設(教育や福祉、文化などさまざまな分野での組織や施設)
- 制度、慣習(社会の中で長く続いている仕組みや風習)
「institution」は、大学や病院、銀行などの大きな組織から、社会の中で長く受け継がれてきた制度や慣習までを指す単語です。公的な組織をイメージすることが多いですが、社会の“仕組み”そのものを指すときにも使います。
他の品詞への展開例:
- 形容詞: institutional(制度上の、組織の)
- 動詞: institute(設立する、制定する)
- 名詞: institute も、似た意味で「研究所」や「学会」を指すことがあります。
CEFRレベル: B2(中上級)
“institution”は抽象的な意味や厳かな響きを持つため、中上級レベルで学習するとよい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- 語幹: “institute” (設立する、設ける)
- 接尾語: “-ion” (行為・状態を表す名詞化の接尾語)
派生語や類縁語:
- institutional (形容詞) … 制度上の、組織の
- institutionalize (動詞) … 制度化する、施設に収容する
- institute (名詞・動詞) … 研究所や学会などの施設 / 設立する
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個):
- government institution (政府機関)
- financial institution (金融機関)
- educational institution (教育機関)
- cultural institution (文化施設)
- charitable institution (慈善団体)
- public institution (公共機関)
- pillar of the institution (組織の柱)
- reform an institution (制度を改革する)
- institutional framework (制度的枠組み)
- longstanding institution (長年続く制度・慣習)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の “institutio” (設立、訓練、教育)が起源
- “instituere”(設立する、始める)から派生
歴史的には、教会や大学など“権威のある公的機関”を指す語としてよく使われてきました。現代では、無形の「制度」や「慣習」の意味でも広く使われます。公的で多少フォーマルな印象を与える単語ですが、日常的な文脈でも使われることがあります。
ニュアンスや使用時の注意:
- 重要な組織や、長く続く社会システムを示す際に使うため、格式がある雰囲気を持つ。
- 会話でも用いられますが、やや堅め・フォーマル寄りの表現。
4. 文法的な特徴と構文
可算名詞としての使い方
- An institution, the institution, institutions などと冠詞や複数形をとります。
よくある構文例
- “[A] is a well-known institution.” (Aは有名な機関です)
- “The institution of [X] has been around for centuries.” ([X]という制度は何世紀も前から存在している)
- “[A] is a well-known institution.” (Aは有名な機関です)
イディオム的表現
- “an institution in one’s own right” … 自己の権威を持った存在としての機関・人物(特に長年活躍していて権威ある人/ものを指して使われる場合もあります)
フォーマル/カジュアルの度合い:
- 場所・組織を強調したいときにフォーマルな文脈でよく使われるが、慣習的な意味では日常会話でも登場する。
5. 実例と例文
A. 日常会話での例文
- “This museum is a local institution that everyone here knows about.”
(この博物館は地元のみんなが知っている存在だよ。) - “My grandmother’s Sunday dinners are like an institution in our family.”
(おばあちゃんの日曜ディナーは、我が家ではもはや「おなじみの慣習」だよ。) - “He’s been working at that charity institution for years.”
(彼はあの慈善団体で何年も働いているんだ。)
B. ビジネスでの例文
- “We need to collaborate with financial institutions to secure funding.”
(資金を確保するために、金融機関との連携が必要です。) - “Our company is recognized as a leading institution in the tech field.”
(当社はテクノロジー業界のリーディング機関として認められています。) - “We are discussing the institution of a new holiday policy next quarter.”
(来期からの新たな休日制度の導入を検討中です。)
C. 学術的な文脈での例文
- “The role of educational institutions is paramount in shaping society.”
(教育機関の役割は社会形成において極めて重要です。) - “This institution has produced several Nobel Prize winners.”
(この機関は複数のノーベル賞受賞者を輩出しています。) - “A deeper understanding of social institutions is crucial for sociological research.”
(社会学研究には社会制度の深い理解が不可欠です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- organization(組織)
- より一般的に使われ、規模の大小を問わない。
- より一般的に使われ、規模の大小を問わない。
- establishment(設立された機関、施設)
- institutionに比べやや形式的な印象。「建物としての施設」というニュアンスも含む。
- institutionに比べやや形式的な印象。「建物としての施設」というニュアンスも含む。
- foundation(財団、基盤)
- 資金や研究などのために設立された特定の機関の意味が強い。
- 資金や研究などのために設立された特定の機関の意味が強い。
反意語:
- 「institution」のはっきりした反意語はありませんが、あえて言うなら 「custom(慣習)」の対立概念として「innovation(革新)」などが、制度や慣習を壊す・変えるという点で対比的に示されることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記:
- 米国英語: /ˌɪn.stɪˈtuː.ʃən/
- 英国英語: /ˌɪn.stɪˈtjuː.ʃən/
アクセントの位置:
- “in-sti-tu-tion” の第3音節「tu」に主要な強勢が置かれます。
アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語では「tuː」の部分がややはっきりした「トゥー」に聞こえ、
- イギリス英語では「tjuː」のように「チュー」に近い発音になる。
よくある発音の間違い:
- 第2音節 “sti” を強く読んでしまう
- “tu” の母音を短く /tʌ/ のように発音してしまう
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “institution” は “-tion” で終わる単語なので、「instiution」や「instituion」とつづりを混乱しやすいので注意。
- “institution” は “-tion” で終わる単語なので、「instiution」や「instituion」とつづりを混乱しやすいので注意。
- 同音・類似語との混同
- “institute” と綴りが似ているが、響き・意味が微妙に違う点を区別する必要がある。
- “institute” と綴りが似ているが、響き・意味が微妙に違う点を区別する必要がある。
- 試験対策
- TOEICや英検では、金融機関や教育機関などを表す文脈で出題されることが多い。文中の名詞修飾としてよく登場する。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「institute(作り上げる) + -ion(名詞化)」のイメージをもつと、「作り上げられた組織や制度」と覚えやすいです。
- 「institution」と聞いてまず「大学や病院などの大きな施設」というビジュアルイメージをすると、そこから「制度」や「慣習」への広がりも覚えやすくなります。
- スペリングを覚えるときには、「in-sti-tu-tion」と、音節ごとに区切って覚えるのがコツです。
以上が「institution」の詳細解説です。長年続く大きな組織や制度を表す、少しフォーマルなニュアンスを持つ単語として、使い方をマスターしていきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉設立,制定,開始
意味(2)
〈C〉慣例,制度,慣習
意味(3)
〈C〉公共機関(学校・病院など);学会,協会;その建物