元となった辞書の項目
once
IPA(発音記号)
解説
以下では、接続詞としての once
に焦点を当てつつ、単語としての多面的な特徴を詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語 と 日本語)
- 英語: once (conjunction) – “as soon as”, “when something happens”
- 日本語: 「いったん~すると」「~したらすぐに」
「once」は主に接続詞として、「ある行為や出来事が一度起こったら、次はすぐに…」という意味を表す単語です。
「(~が起こった)その後、ただちに…」「一度~になったら…」といった状況で使います。
品詞
- 接続詞 (conjunction)
- その他にも副詞 (adverb)(「かつて」「一度」などを表す)として使われます。
活用形
- 接続詞・副詞ともに形の変化(活用)はありません。
例: once (conjunction), once (adverb)
他の品詞になった時の例
- 副詞として: “I once lived in London.”(かつてロンドンに住んでいた)
- 接続詞として: “Once I finish this task, I’ll call you.”(この作業を終えたら、すぐに電話します)
CEFR レベルの目安
- B1(中級)
日常会話などでよく登場し、文脈を理解できれば使いやすい言葉です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “once” は接頭語・接尾語を持たない、単独の語形です。
- 語幹 “once” は “one”(「1」を意味する数詞)の古い形 “ones” から派生して、「一度」の意味を持っています。
派生語や類縁語
- “one”(数字の「1」)
- “once upon a time” (慣用句: 昔々)
- “at once”(すぐに)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- once upon a time(昔々)
- once in a while(たまに)
- once again(再び)
- once more(もう一度)
- once and for all(きっぱりと/これを最後に)
- once you …(あなたが~したら)
- if once …(いったん~すると)
- once in a blue moon(めったにない、ごくまれに)
- once bitten, twice shy(「一度痛い目にあうと、慎重になる」のことわざ)
- at once(同時に / すぐに)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語 (Middle English) の “ones” に由来し、「一度」(one time) の意味を持っていました。そこから「1回起こったらすぐに、ある状態になったらすぐに」という接続詞的な用法が生まれました。
ニュアンス・使用上の注意
- 「once」はカジュアルな会話からフォーマルな文章まで幅広く使われます。
- 「いったん〜すると」というニュアンスがきわめて強く、「条件が満たされたらただちに次が起こる」という流れを強調したいときに用いられます。
- 口語表現でもよく登場しますが、文章でも無理なく使える便利な単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 接続詞 “once” は副詞節を導き、「いったん~したら…」の構文を作ります。
- “once” の節は “once + 主語 + 動詞” で始まり、その後ろに主節が続きます。
例)
“Once you understand this rule, everything becomes easier.”
(いったんこのルールを理解すると、すべてが簡単になります)
- フォーマル/カジュアル問わず使用可能です。
- 他動詞・自動詞の区別は動詞自体の性質によっていますが、”once” との組み合わせ方自体に制限はあまりありません。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例
- “Once I try this new dish, I’ll let you know if it’s good.”
(この新しい料理を試したら、良いかどうか教えるよ) - “Once you meet my friend, you’ll see why I respect him so much.”
(私の友だちに会ったら、私がなぜ彼をとても尊敬しているか分かるよ) - “Once you start exercising every day, you’ll feel more energetic.”
(毎日運動を始めると、もっと元気になるよ)
ビジネスシーンでの例
- “Once we finalize the contract, we can proceed with the project.”
(契約が最終決定したら、プロジェクトを進められます) - “Once the team agrees on the plan, I’ll schedule the kick-off meeting.”
(チームがプランに同意したら、キックオフ・ミーティングを設定します) - “Once you gather all the data, please send it to me for review.”
(すべてのデータを集めたら、確認のために私に送ってください)
学術的な文脈での例
- “Once the hypothesis is proven, we can move on to more complex experiments.”
(仮説が証明されたら、より複雑な実験に進むことができます) - “Once these conditions are satisfied, the system reaches equilibrium.”
(これらの条件が満たされると、システムは平衡状態に達します) - “Once the analysis is complete, we will publish the findings.”
(分析が完了したら、その結果を公表します)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(似た意味)
- when(~するとき)
- 若干広い意味で単に「~のとき」というタイミングを表すのに使われやすい。
- 若干広い意味で単に「~のとき」というタイミングを表すのに使われやすい。
- after(~した後で)
- 「終わった後の時間的な順序」を強調する。
- 「終わった後の時間的な順序」を強調する。
- as soon as(~するとすぐに)
- ほぼ「once」と同じ使い方だが、「起こるやいなや」のニュアンスがいっそう強い。
- ほぼ「once」と同じ使い方だが、「起こるやいなや」のニュアンスがいっそう強い。
反意語
- “before” (~する前に)
- 時間的な向きが逆方向になる。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /wʌns/
- アメリカ英語 / イギリス英語 ともに音声上の違いはあまり大きくなく、どちらも [wʌns] と発音されることが多いです。
- 強勢(アクセント)は “once” の 1 音節そのものに置かれます(単音節なので特に位置が変わらない)。
- スペルとのギャップで “o” が /w/ の音と共にスタートするので最初の
w
を日本語の「ワ」というよりはしっかり唇をとがらせた英語の /w/ として発音するとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “once” を “ones” や “one’s” と書き間違えることがある。
- “once” を “ones” や “one’s” と書き間違えることがある。
- 同音異義語との混同はほぼないですが、スペリングが似ている “one’s” は所有格なので要注意。
- 接続詞 “once” の意味を理解せず、「かつて」としか覚えていないと誤用する可能性がある。
- TOEIC・英検などでも文法問題で「接続詞としての once」が出題されることがあります。条件節として “once + 主語 + 動詞” を使う例を見かけるので、しっかりと区別しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “once” は “one time” から来ているので、「一度なにかが起きたら次に進む」というイメージを持つと覚えやすいです。
- スペリングは “on + ce” と分解し、「一度(on time)やったら(ce…続く)」という風に連想してみてもいいでしょう。
- 例文で「Once you do it, you’ll see...(一度やったら、わかるよ)」など、リズミカルに声に出して覚えると記憶に残りやすいです。
以上が接続詞 once
の詳細な解説です。条件が成立した瞬間、あるいは一度きっかけがあれば、その後すぐに何かが起こるというニュアンスをもつ便利な単語です。ぜひ文例を声に出して練習してみてください。
意味のイメージ