元となった辞書の項目
utter
解説
以下では、動詞「utter」について、できるだけ詳しく解説していきます。学習の参考としてご活用ください。
1. 基本情報と概要
単語: utter
品詞: 動詞 (同じ形の形容詞も存在しますが、ここでは主に動詞として扱います)
意味(英語): to speak or make a sound; to express something in words or sounds.
意味(日本語): 声や音を発する、言葉として表現する。
「何かをはっきりと口に出す」というニュアンスの動詞です。感情的な叫びや、一言だけ小さくつぶやく状況などにも使われます。
活用形:
- 原形: utter
- 三人称単数現在形: utters
- 過去形: uttered
- 過去分詞形: uttered
- 現在分詞形: uttering
他の品詞になったときの例:
- 形容詞の utter : 「完全な、全くの」という意味。たとえば “utter silence” (完全な沈黙)など。
- 副詞の utterly : 「まったく、完全に」という意味。たとえば “utterly exhausted” (まったく疲れきった)など。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 語彙や文法の知識がある程度豊富で、文章や会話の中で表現力を高める段階。ややフォーマルな表現として学習するのに適しています。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源に関係する要素: 「utter」自体は、古英語の「ūter(外側の)」という意味から派生したと考えられており、「口の外に出す」というイメージです。
- 接頭語や接尾語が特別に付加されない単語ですが、派生形として「-ly」をつけた副詞「utterly」があります。
詳細な意味・ニュアンス
- 口に出す / 声を発する: とくに言葉だけでなく、短い叫び声やため息、うめき声などを「発する」ことを表します。
- (意見や考えを)言い表す: 特にフォーマルな文脈や文学的表現でも使われ、「はっきり口に出す」ニュアンスが強いです。
よく使われるコロケーション10選
- utter a word – 一言発する
- utter a sound – 音を発する
- utter a sigh – ため息をつく
- utter a cry – 叫び声をあげる
- utter a single word – ただ一言を発する
- utter a statement – 声明を口にする
- utter a threat – 脅しの言葉を口にする
- utter a complaint – 不平を言う
- utter a prayer – 祈りの言葉を口にする
- utter under one’s breath – 小声でつぶやく
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「utter」は中英語の “uttren” や古英語の “ūter” から来ており、「外部へ出す」といった意味が由来とされています。
- 「口の外へ音や言葉を出す」という感覚が、そのまま「口に出す」「声に出す」という意味に発展しました。
ニュアンスと使用時の注意:
- フォーマル / 文語的: 日常会話でも使われますが、「speak」「say」と比べるとやや文語調やフォーマルさが感じられます。
- 強い響き: 「まったく言葉を発しない」→「一言も言わない」のような強調要素が込められることもあります。
- 感情や衝撃を表す: 「叫び声を上げる」「あえぎ声を出す」など、瞬間的な発話にも使われる単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞として使われる: 「何を(内容) + utter」の形で使われることが多い。
例: She uttered a cry. (彼女は叫び声をあげた) - 目的語が省略される場合もあり、「声を発した」程度で止まることもあります。
例: He barely uttered.(ほとんど声を出さなかった)
一般的な構文の例
- utter + 名詞(対象)
例: He refused to utter a single word about the incident. - utter + 名詞句(形容詞修飾を伴う)
例: She uttered an exasperated sigh. - 同義のフレーズとの比較
- say something → 「何かを言う」
- speak out → 「はっきり意見を言う」
「utter」はこれらより少しフォーマルまたは文学的に響きます。
- say something → 「何かを言う」
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I was so shocked that I couldn’t utter a word.”
(あまりに驚いて、一言も発することができなかった。) - “He uttered a small laugh and kept walking.”
(彼は小さく笑い声を漏らして歩き続けた。) - “Could you utter your question more clearly?”
(質問をもう少しはっきり口にしてもらえますか?)
ビジネスシーンでの例文
- “She uttered her concerns about the new policy during the meeting.”
(会議の中で、彼女は新方針に対する懸念を口にしました。) - “The CEO uttered a formal apology for the company’s mistake.”
(CEOは、会社のミスに対して正式に謝罪を述べました。) - “He couldn’t utter a single objection when the proposal was presented.”
(その提案が出されたとき、彼は一切反対意見を口にできませんでした。)
学術的・フォーマルな場面での例文
- “Historians have noted that the king rarely uttered his true intentions in public.”
(歴史家によれば、その王は公の場ではめったに本心を口にすることがなかったとされる。) - “Participants were asked not to utter any words during the experiment.”
(被験者たちは実験中、一切言葉を発しないよう求められた。) - “The philosopher uttered profound statements that shaped modern thought.”
(その哲学者は現代思想を形成するような重要な意見を口にした。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- say(言う)
- 最も広い意味で「言う」。より一般的。
- 最も広い意味で「言う」。より一般的。
- speak(話す)
- 一方的に話すイメージ。「言語を話す」という広い意味。
- 一方的に話すイメージ。「言語を話す」という広い意味。
- murmur(つぶやく)
- 声音が低くはっきりしない小声。
- 声音が低くはっきりしない小声。
- whisper(ささやく)
- 小声・ささやきというニュアンス。
- 小声・ささやきというニュアンス。
- voice(言葉に出す)
- 意見や思いを「声に出す」という少しフォーマルな表現。
「utter」はそれらの中でも、特に「はっきり口に出す」「発する」というニュアンスがややフォーマルかつ文学的に強いのが特徴です。
反意語
- remain silent(黙ったままでいる)
- keep quiet(静かにしている)
- conceal one’s words(言葉を隠す)
7. 発音とアクセントの特徴
IPA(国際音声記号)
- イギリス英語: /ˈʌt.ər/
- アメリカ英語: /ˈʌt̬.ɚ/
- イギリス英語: /ˈʌt.ər/
アクセント位置
- どちらも第一音節「ʌt」にアクセントがあります。
- どちらも第一音節「ʌt」にアクセントがあります。
よくある間違い
- 末尾の “t” を強く発音しすぎる、あるいは “u” を「ウーター」と伸ばしすぎること。
- 実際は短めで “アッター” に近い音を意識すると発音しやすいです。
- 末尾の “t” を強く発音しすぎる、あるいは “u” を「ウーター」と伸ばしすぎること。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “utter” を “uter” や “utterr” としてしまう。
- 動詞と形容詞の混同: 動詞として「声を発する」、形容詞として「完全な」。文脈で判断しましょう。
- TOEICや英検などの試験
- 難易度の高い読解問題やリスニングで、意図的にフォーマルな単語として出題される場合があります。
- 「utter failure(完全な失敗)」「utter a sound(音を発する)」など、動詞・形容詞両方の意味に注意を払うと良いです。
- 難易度の高い読解問題やリスニングで、意図的にフォーマルな単語として出題される場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「外へ出す」(out) と関連づけて覚えるとイメージしやすいです。
- 「声(sound)を “out” にする ⇒ “utter”」という感覚で捉えるとすぐに意味が結び付きます。
- スペリングは “u + t + t + e + r” と、子音が連続しているのがポイントです。言葉を外へ「突出(t・t)」させるイメージで思い出すのも有効です。
上記のポイントを踏まえ、ぜひ「utter」を積極的に使ってみてください。フォーマルな場面や書き言葉での使用が多い単語ですが、感情表現を豊かにする上で便利な表現となります。
意味のイメージ
意味(1)
〈音声・言葉など〉‘を'発する,口に出す
意味(2)
〈考え・意見など〉‘を'述べる,表現する