元となった辞書の項目
suck
動詞
(…から)〈ミルクなど〉‘を'『吸う』,すする《+名+from(out of)+名》 / …‘の'汁を吸う(すする) / (口の中で)…‘を'『しゃぶる』,なめる / (一般に)…‘を'吸い込む,吸い取る《+in(up)+名》 / (…を)吸う《+at+名》 / 乳を吸う / 価値がない,最低だ,最悪だ,ひどくいやったらしい,むかつくほどだ,不快だ
解説
以下では、動詞「suck」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: suck
品詞: 動詞 (Verb)
活用形:
- 原形: suck
- 三人称単数形: sucks
- 過去形: sucked
- 過去分詞形: sucked
- 現在進行形: sucking
意味(英語)
- To draw something into the mouth by using lips and tongue.
- (Slang) To be bad or unpleasant.
意味(日本語)
- 「吸う」「口で吸い込む」の意味を持つ動詞。ストローでジュースを「吸う」場合などに使います。
- 「ストローで液体を吸い上げる」といった場面で使われる、とても基本的なイメージです。
- 「ストローで液体を吸い上げる」といった場面で使われる、とても基本的なイメージです。
- 「ひどい」「最悪だ」というスラング的な用法もあります。
- 「That sucks.(それは最悪だ)」のように、カジュアルに「ひどい」「嫌だ」というニュアンスを表すときに使います。
他の品詞形
- 名詞形: 直接の名詞形としてはあまり一般的ではありませんが、「一口吸う行為」という意味で“a suck”が使われる場合があります。
- 形容詞形: “sucky” (俗っぽい表現; 「ひどい」「最悪の」)
- 派生語: “sucker” (名詞: 「吸うもの」「だまされやすい人」など)
CEFRレベルの目安
- B1(中級)〜B2(中上級): 日常的な「吸う」の意味はB1程度で理解できるレベル。スラング用法など、よりカジュアルで口語的な用法はB2レベルの理解がある方が適切です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- 接頭語・接尾語: 直接的な接頭語・接尾語はありません。
- 語幹: “suck”
詳細な意味・用法:
- (Literal) 「吸う」
- 物理的に何かを吸い込むときに使われる。
- (Slang) 「ひどい」「最悪だ」
- カジュアルな口語表現。フォーマルな場面では避けるほうが無難。
関連フレーズ・コロケーション(10例)
- suck up (liquid) –「液体を吸い上げる」
- suck in air –「空気を吸い込む」
- suck out the venom –「毒を吸い出す」
- suck on a straw –「ストローを吸う」
- suck (at something) –「〜が下手だ」(スラング表現)
- suck up to (someone) –「(人)にこびへつらう」
- That sucks. –「それは最悪だ」
- suck in one’s stomach –「おなかを引っ込める」
- suck the energy out of someone –「(人)のエネルギーを吸い取る」
- suck out the marrow –「骨の髄を吸う(徹底的に楽しむ/利用する といった比喩的表現としても使われる)」
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古英語の “sūcan” → 中英語の “sucken” → 現在の “suck”
- 基本的には「口で液体や空気を引き込む」という意味から発展してきました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 物理的な「吸う」という意味では日常的に使われる。
- スラングとしての「ひどい」「嫌だ」という用法は非常にカジュアルかつくだけた表現。公の場やビジネスの場面では避けたほうがよい場合が多いです。
- 文章(書き言葉)よりも口語(話し言葉)でよく使われる。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (Transitive verb): “suck something” → 何を吸うかの目的語を取ります。
例: “He sucked the juice through a straw.” - 自動詞 (Intransitive verb): “suck on something” → “on + 名詞” で「〜を吸う」や「しゃぶる」の意味になります。
例: “The child is sucking on a candy.”
一般的な構文やイディオム
- suck up to someone: 「誰かにおべっかを使う」
- That sucks.: 「それはひどい、最悪だ」
- suck in one’s breath: 驚いたり痛みを感じたりするときに「息を吸い込む」
フォーマル/カジュアルの特徴:
- フォーマル: 物理的な意味の「吸う」は問題なく使えます。スラング的用法はフォーマルな場面では不適切。
- カジュアル: 友人同士や非公式な会話で「That sucks.」や「I suck at doing math.」などの表現まで広く使えます。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文
- “Could you please pass me a straw? I want to suck the juice properly.”
(ストローを取ってもらえますか?ジュースをちゃんと吸いたいんです。) - “This candy is so good! I can’t stop sucking on it.”
(このキャンディ、おいしいね!ずっとしゃぶり続けちゃう。) - “I’m sorry, I really suck at dancing.”
(ごめん、ダンスは本当に苦手なんだ。)
5.2 ビジネスシーンでの例文
- “Our new vacuum cleaner is designed to suck up dirt more efficiently.”
(私たちの新しい掃除機は、ゴミをより効率的に吸い上げるように設計されています。) - “We shouldn’t just suck up to the boss; we need to show real results.”
(上司にただこびへつらうだけではなく、本当の成果を示す必要があります。) - “If the strategy fails, it will suck for the entire project.” (少しカジュアル)
(もし戦略が失敗してしまえば、プロジェクト全体にとって最悪の事態になるでしょう。)
5.3 学術的・専門的文脈での例文
- “This apparatus can suck air at a controlled rate to measure the gas concentration accurately.”
(この装置は一定の速度で空気を吸い込み、正確にガス濃度を測定できます。) - “Researchers observed how certain insects suck nectar from flowers using a specialized proboscis.”
(研究者たちは、特定の昆虫がどのように特殊な口吻で花から蜜を吸うかを観察しました。) - “The black hole’s gravitational force can suck in surrounding matter.”
(ブラックホールの重力は周囲の物質を引き込むことができます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- draw in(吸い込む)
- 一般的に空気や液体だけでなく、人や物を引き寄せるイメージでも使われる。
- 一般的に空気や液体だけでなく、人や物を引き寄せるイメージでも使われる。
- inhale(吸入する)
- 特に呼吸や薬などを吸い込む場合に、よりフォーマル・医学的に使われる。
- 特に呼吸や薬などを吸い込む場合に、よりフォーマル・医学的に使われる。
- sip(すする)
- 少量をちびちびと飲むニュアンス。
- 少量をちびちびと飲むニュアンス。
- be terrible / be awful(ひどい)
- スラング「It sucks.」の意味に近いが、よりフォーマルに「ひどい」と言いたい場合に使う。
反意語
- 吹き出す / 吹く: blow
- 物理的に「吹き出す」という動作。例: “blow air” (空気を吹く)
- 物理的に「吹き出す」という動作。例: “blow air” (空気を吹く)
- be great / be awesome (「素晴らしい」)
- スラング「That sucks.」の反対の意味として、「That’s awesome!」などが使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /sʌk/
- アメリカ英語(AmE): [sʌk]
- イギリス英語(BrE): [sʌk]
- アメリカ英語(AmE): [sʌk]
- アクセント: 1音節語なので、特に前後で強勢の変化はありません。
- よくある発音ミス: 日本語の「サック」と言ってしまうと[a]に近くなりがちです。“ʌ”は「ア」と「オ」の中間くらいの音をイメージするとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “suck” を “suc” や “succ” と書いてしまうミス。
- スラングと物理的意味の混同: カジュアルな場面では “It sucks.” が最下級の評価を表すことを、フォーマルでは避けるように意識。
- 同音異義語との混同: 同音語はほぼありませんが、“suck” と “sack” (袋) は発音が似ているようで異なります。
- 試験対策: TOEICや英検などでは物理的な「吸う」の意味で出題される可能性がありますが、スラング用法はあまり出題されない傾向です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ストローを“サクッ”と音を立てて吸うイメージ」と覚えると発音も近づきます。
- カジュアル表現として「That sucks!」=「それは嫌だ」「最悪」を一括りで覚えると便利です。
- 「吸う(suck) ↔ 吹く(blow)」という対比でセットで覚えておくと単語のイメージが固定しやすいです。
以上が、動詞「suck」の詳細解説です。物理的な「吸う」の意味と、スラングとしての「ひどい」の意味の両面をしっかり理解して使い分けてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…から)〈ミルクなど〉‘を'吸う,すする《+名+from(out of)+名》
意味(2)
…‘の'汁を吸う(すする)
意味(3)
(口の中で)…‘を'しゃぶる,なめる
意味(4)
(一般に)…‘を'吸い込む,吸い取る《+in(up)+名》
意味(5)
(…を)吸う《+at+名》
意味(6)
乳を吸う
意味(7)
価値がない,最低だ,最悪だ,ひどくいやったらしい,むかつくほどだ,不快だ,不十分だ,低品質