元となった辞書の項目
sharp
IPA(発音記号)
解説
以下では、副詞 sharp
について、さまざまな観点から詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “sharp” (as an adverb) → “exactly,” “precisely,” “suddenly,” or “abruptly”
- 日本語: (副詞)「きっかり」「ちょうど」「急に」「急激に」など
特に「時間がちょうど」という意味では “We’ll leave at 8 a.m. sharp.”(8時きっかりに出発します)のように使われます。
「急に・急激に」という意味合いでも使われ、「He turned sharp to the left.」(彼は急に左に曲がった)のように表現されます。
副詞としては「時間や動きが正確かつ急激」というニュアンスを持ちます。
品詞と活用形
- 品詞: 副詞 (adverb)
- “sharp” は形容詞 (adjective) としても頻繁に使用されます。形容詞の場合は比較級 “sharper”, 最上級 “sharpest” がありますが、副詞 “sharp” はこの形で固定的に使われます(同じ意味を「sharply」で表すことも可能ですが、ニュアンスが少し異なります)。
他の品詞への派生形
- 形容詞: (例) “a sharp knife” → 「鋭いナイフ」
- 副詞: (例) “The plane left at 10 sharp.” → 「飛行機は10時ちょうどに出発した」
- 名詞: “a sharp” (音楽用語で「シャープ記号」や「半音上げ」の意味)
- 動詞: “to sharp” はほぼ使われませんが、「音程を半音上げる」という音楽用法がごくまれに見られます。
CEFRレベルの目安
- B1: 中級
時間を表す「〜時ちょうど」など、日常的に使う簡単な表現でありながら、形容詞との使い分けの理解が必要なため、中級レベルに位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “sharp”
- 現代英語において、「前置詞 + 語幹」といった構成はありません。
- 現代英語において、「前置詞 + 語幹」といった構成はありません。
- 接頭語・接尾語: 特になし
- 「-ly」を付けて “sharply” にすると、「急激に」「鋭く」といったニュアンスの別の副詞になります。
派生語や関連語
- sharpen (動詞) : 「鋭くする・研ぐ」
- sharply (副詞) : 「鋭く・急激に」
- sharpness (名詞) : 「鋭さ・急激さ」
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “at 7 sharp” → 「7時きっかりに」
- “turn sharp left/right” → 「急に左/右に曲がる」
- “look sharp” → 「テキパキ動く/格好よく見える」
- “sharp increase” (形容詞的用法) → 「急増」
- “sharp drop” (形容詞的用法) → 「急落」
- “be sharp” → 「(人が)頭の回転が速い/鋭い」(副詞ではなく形容詞句的感覚)
- “dress sharp” → 「おしゃれに着こなす、きちんとした服装をする」
- “sharp turn” (形容詞的用法) → 「急カーブ」
- “sharp contrast” (形容詞的用法) → 「はっきりした対照」
- “sharp focus” (形容詞的用法) → 「鮮明な焦点/はっきりとした集中」
※ 上記のうち、副詞としては1・2・7などが特に該当しますが、形容詞や他の用法でも「sharp」がよく使われるため、広い文脈での例を含めて紹介しています。
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語 “scearp” に由来し、「とがった」「はっきりと切れ目のある」という意味を持っていました。
- そこから、時間感覚がはっきりしている「きっかり」や、動きの切れの良さを示す「急に」、また感覚が鋭い「sharp mind」へと派生していきました。
使用時のニュアンス・注意点
- 「〜時ちょうど」の意味で使われるときは、会話でもビジネスでも「時間厳守」のニュアンスが強いです。
- 「急に」「急激に」という場面では、物理的な動作や変化に重点が置かれます。
- 口語・文語ともに幅広く使われますが、カジュアルな会話では特に「time + sharp」で時間をきっちり守ることを促すニュアンスでよく見られます。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞としては「動詞や文全体を修飾する」役割を果たします。
- 「時間 + sharp」の表現:この場合、副詞が時間を修飾し「ちょうどその時刻に」という意味になります。
- 例: “Be here at six sharp.”
- 例: “Be here at six sharp.”
イディオムや定型表現
- “Look sharp!”:命令形で「急げ!」「気をつけろ!」というカジュアルな慣用表現。
- “Be sharp with someone”:形容詞的に「誰かに厳しく当たる」という意味をとりやすい表現(ただし slightly archaic / 一部地域的)。
フォーマル / カジュアル
- フォーマルな文書でも「時間厳守」を伝える際に “sharp” は使われます。例えば会議の案内など。
- カジュアルな会話でも「5時ちょうどね!」といった軽い口調で “5 o’clock sharp!” という言い方が可能です。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Let’s meet at the café at 3 p.m. sharp.”
(カフェに3時ちょうどに集合しよう。) - “He turned sharp around the corner without warning.”
(彼は予告もなく、急に角を曲がったんだ。) - “I arrived sharp at the movie theater, but the line was still long.”
(映画館にぴったりの時間に着いたけど、まだ列が長かった。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Please be seated by 9 a.m. sharp for the presentation.”
(プレゼンのために、9時ちょうどまでに着席してください。) - “The conference call will begin at 10 a.m. sharp, so don’t be late.”
(電話会議は10時きっかりに始まるので遅れないように。) - “We’re leaving for the airport sharp at 5 p.m. to avoid traffic.”
(渋滞を避けるために、午後5時ちょうどに空港へ出発します。)
学術的 / 講義での例文(3つ)
- “The professor starts the lecture at 8:30 a.m. sharp every day.”
(教授は毎日、午前8時30分ちょうどに講義を始めます。) - “Students are asked to submit their projects sharp at the deadline.”
(学生は締め切り時刻ぴったりにプロジェクトを提出するよう求められています。) - “The data showed a sharp rise in temperature over a short period.”
(データは短期間で急激な気温上昇を示していました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “exactly” → 「(時間や量が)正確に」
- “We’ll leave exactly at 9 a.m.”
- “sharp” よりもややフォーマルかつ丁寧な響き。
- “We’ll leave exactly at 9 a.m.”
- “promptly” → 「迅速に・直ちに」
- “Please arrive promptly at noon.”
- “sharp” よりも「素早さ」「遅れない」のニュアンスが強い。
- “Please arrive promptly at noon.”
- “precisely” → 「厳密に・正確に」
- “We calculated the results precisely.”
- “sharp” がカジュアルでも使えるのに対し、こちらはややフォーマル・学術的。
- “We calculated the results precisely.”
反意語
- 直接的な反意語はやや難しいですが、「曖昧に」「遅れて」などの意味を表すなら “late” や “vaguely” が反対の概念に近いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ʃɑːrp/ (米: シャープ), /ʃɑːp/ (英: シャープ)
- アメリカ英語 /ʃɑrp/ とイギリス英語 /ʃɑːp/ で母音の長さがやや異なる場合があります。
- アメリカ英語 /ʃɑrp/ とイギリス英語 /ʃɑːp/ で母音の長さがやや異なる場合があります。
- 強勢(アクセント)は “sharp” 全体に自然なストレスがあります。
- よくある発音の間違い: “sarup” のように、母音が不明瞭になることがあります。母音は “アー” と伸ばし気味に発音すると近くなります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “shurp” や “sharpe” などと綴ってしまうケース。
- “sharp” と “sharply” の混同:
- “sharp” は「副詞」でも「時間きっかり」「急に」とコンパクトに使われる表現。
- “sharply” は「鋭く」「厳しく」といったイメージの、副詞的な強調表現。
- “sharp” は「副詞」でも「時間きっかり」「急に」とコンパクトに使われる表現。
- 同音異義語との混乱はあまりありませんが、”sharp” と “shrub” など発音が似た単語に注意。
- TOEICや英検などのテストでも、会議やアナウンス文などで「◯時 sharp」という表現がリスニングやビジネス関連の英文で使われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “sharp” というと「刃物の鋭さ」を連想しがちですが、「時間も刃物みたいにピタッと切り取る」というイメージをもつと「ちょうど◯時」= “◯ o’clock sharp” と覚えやすいです。
- 短くて覚えやすい単語なので、時計を見たときに「きっかりだ!」と思ったら “sharp” と声に出してみると記憶に定着しやすくなります。
以上が、副詞 “sharp” の総合的な解説です。時間や動作をピタッと決めるニュアンスをぜひ活用してみてください。