元となった辞書の項目
inhabit
解説
動詞「inhabit」の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語での意味: “to live in or occupy (a place or environment)”
日本語での意味: 「(場所や環境に)住む・居住する」「生息する」
「inhabit」は、動物や人が特定の場所や環境に住む、あるいは生息しているという状況を表す単語です。日常会話というよりは、少し文書的や学術的なニュアンスを持ちます。
- 品詞: 動詞 (Verb)
- 活用形:
- 原形: inhabit
- 三人称単数現在形: inhabits
- 現在分詞・動名詞: inhabiting
- 過去形: inhabited
- 過去分詞: inhabited
- 原形: inhabit
「inhabit」は主に動詞として使われますが、名詞形「inhabitant(住民・生息動物)」や形容詞形「inhabitable(居住可能な)」などに派生します。
- CEFRレベルの目安: B2(中上級)
「live」や「stay」などの基本的な動詞を一通り学んでから、人や動物が「(環境に)生息する」と表現したいときに使われる比較的専門的な語彙です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- in-: 中に、内側で
- habit: ラテン語の“habitāre”(住む)が語源
派生語や類縁語
- inhabitant (名詞) : 居住者、住民、生息動物
- habitat (名詞) : 生息地
- habitable (形容詞) : 住むことができる、居住可能な
- co-inhabit (動詞) : 共存する、同じ場所に住む
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- inhabit a region
(地域に住む/生息する) - inhabit the earth
(地球上に生息する) - inhabit an area
(ある地域に居住する) - creatures that inhabit the forest
(森に生息する生き物) - permanently inhabit
(永住する・継続的に住む) - densely inhabited
(人口が密集している) - originally inhabited by
(もともと~が住んでいた) - inhabit the mind
(比喩的に「心に住む」) - inhabit another world
(別の世界に住む) - inhabit a realm
(王国や領域に住む)
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語の「inhabitāre」(「in(中に)」+「habitāre(住む)」が組み合わさったもの) が直接の語源とされています。古くから「住む・生息する」の意味で使われており、英語でも学術や文書の上で「居住する」というニュアンスで用いられるようになりました。
使用時の注意点
- 「live」や「reside」よりも文語的、ややフォーマルな響きを持ちます。
- 動植物や微生物が特定の環境に生息しているときにもよく使われます。
- 日常会話や口語よりも、学術文章や報告書、ニュース記事などでよく見かけます。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 (transitive verb): 「inhabit + 場所」の形で用いられます。目的語として「場所」「環境」を取るのが一般的です。
例: “They inhabit the northern part of the island.”主な構文例
- “(主語) + inhabit(s) + 場所”
例: “Many endangered species inhabit this rainforest.” - 受け身形: “(場所) + is inhabited by + (主語)”
例: “This region is inhabited by wild boars.”
- “(主語) + inhabit(s) + 場所”
口語/文語
- 文法的使用方法に違いはありませんが、口語では「live in ~」や「reside in ~」を使うことが多く、「inhabit」はより文書的/学術的。
5. 実例と例文
(1) 日常会話
- “Many birds inhabit the trees in our backyard.”
(うちの裏庭の木にはたくさんの鳥が住んでいるよ。) - “I read that penguins inhabit coastal regions in the southern hemisphere.”
(ペンギンは南半球の沿岸地域に生息しているって読んだよ。) - “I wonder if any dangerous animals inhabit this forest.”
(この森に危険な動物が住んでいるかしら。)
(2) ビジネスシーン
- “According to our research, only a few species inhabit this part of the coast.”
(弊社の調査によると、この沿岸部にはわずかな種しか生息していません。) - “We need to confirm whether the construction area is inhabited by any protected wildlife.”
(工事区域に保護対象の野生生物が生息しているかどうかを確認する必要があります。) - “Their environmental report indicates that migratory birds inhabit the wetlands year-round.”
(彼らの環境調査報告書によると、渡り鳥が一年中その湿地に生息しているそうです。)
(3) 学術・専門的文脈
- “The archaeological findings suggest that early humans inhabited this region over 10,000 years ago.”
(考古学的発見によれば、1万年以上前に初期人類がこの地域に居住していたと考えられている。) - “Microbes that inhabit extreme environments offer new insights into biotechnology.”
(過酷な環境に生息する微生物はバイオテクノロジーの新たな知見をもたらしてくれます。) - “The concept of niche refers to the role and position a species inhabits within its ecosystem.”
(生態学でいうニッチとは、生態系の中で種が占める役割や位置を指す。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- live (住む)
- 「live」は最も一般的な「住む」。口語・日常表現で多用される。
- 例: “I live in Tokyo.”(私は東京に住んでいる。)
- 「live」は最も一般的な「住む」。口語・日常表現で多用される。
- reside (居住する)
- 少しフォーマルな「住む」。文書でも口語でも使える。
- 例: “He resides in a quiet village.”(彼は静かな村に住んでいます。)
- 少しフォーマルな「住む」。文書でも口語でも使える。
- dwell (住む)
- 古風で文語的。詩的な響きがある。
- 例: “He dwelled in the castle for many years.”(彼は長年その城に住んでいた。)
- 古風で文語的。詩的な響きがある。
反意語
- 明確な反意語はありませんが、「leave(離れる)」「depart(去る)」が文脈上逆の動作になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪnˈhæbɪt/
- アクセント: “in-HAB-it”のように第2音節 “hab” に強勢が置かれます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはなく、アメリカ英語・イギリス英語ともほぼ同じ発音です。
- よくある発音の間違い: “habit” (ハビット) と混同して、アクセントを間違って第一音節に置きがちになることに注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “inhibit” (抑制する) と綴りが似ているので混同に注意。
- 同音異義語との混同: 発音が似た単語は少ないですが、“in-habit” と区切って誤解しないように(“habit(習慣)”とは全く別の意味)。
- 試験対策: TOEICや英検などで、文脈上「生息地」や「居住」の話題の文章では見かけることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “in(内側)+habit(住む)” → 「中で住む」
- ストーリー: 生き物が「in(中)」に「habit(居る)」とイメージすると記憶しやすい。
- 勉強テク: 「inhibit (抑制する)」や「habit (習慣)」など、似たスペリングの単語とペアで学習し、意味の違いを明確にすると定着しやすい。
以上が「inhabit」の詳細解説です。「inhabit」は研究論文やドキュメンタリーなどでも頻繁に登場する大切な単語ですので、ぜひ上記のポイントを参考に覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…‘に'住む,居る