元となった辞書の項目
imply
解説
以下では、動詞「imply」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語での意味
“imply” :to suggest something indirectly rather than stating it plainly
日本語での意味
「imply」:暗に示す、ほのめかす、含意する
「はっきりとは言わないけれど、言外に示している、というニュアンスの動詞です。相手に直接的に言わずに、それとなく分かるように伝えるときに使われます。」
品詞
動詞(Verb)
活用形
- 原形:imply
- 三人称単数現在形:implies
- 現在分詞/動名詞:implying
- 過去形:implied
- 過去分詞:implied
他の品詞形
- implication (名詞) : 含意、暗示
例)The implication of his statement was that he was not interested.
CEFRレベル:B2(中上級)
- B2 (中上級) レベルの単語:日常会話でも使われるが、微妙なニュアンスを理解し、説得力を持って使いこなすには、ある程度の語彙力と英語力が必要です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語:特になし
- 語幹:「ply(折りたたむ/重ねる、巻き込む)」に由来するラテン語の要素 “plicare”から
- 接尾語:特になし
「imply」はラテン語の “implicare”(巻き込む、含む)に由来します。
「im- (in) + plicare (to fold)」が一体となって、「何かを中に巻き込む、ほのめかす」という意味が発展しました。
関連単語・派生語
- implication (名詞):含意、暗示、言外の意味
- implicit (形容詞):暗黙の、絶対の
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- imply a suggestion(提案を暗にほのめかす)
- imply a meaning(意味を含意する)
- imply a possibility(可能性を示唆する)
- imply guilt(罪を示唆する)
- imply consent(同意をほのめかす)
- strongly imply(強く示唆する)
- seem to imply(~を示唆しているように思われる)
- what do you imply?(何を暗に言おうとしているの?)
- imply a connection(つながりを暗示する)
- be implied in the text(文章の中に含意されている)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “implicare” = in(中に) + plicare(折りたたむ、巻き込む)
- そこから「~を中に巻き込んで伝える、暗に含む」という意味になりました。
ニュアンス・使用時の注意
- はっきり言わずに言外に相手に察してもらうような、控えめかつやんわりした表現。
- ややフォーマルな文書やレポートでも使われ、会話でも使われますが、直接的に言うよりも間接的な表現であることに注意しましょう。
- カジュアルな場面よりも、少し丁寧・フォーマルよりの文脈でよく見られます。
4. 文法的な特徴と構文
構文のポイント
- imply + 名詞(目的語)
例)His words implied a hidden message. - imply + 節(that節など)
例)This data implies (that) the theory might be correct.
※ that は省略されることが多いです。
イディオム
特定のイディオムというよりは、“imply that…” “be implied by…” など、目的語や接続詞と結びつきやすい動詞です。
フォーマル/カジュアル
- フォーマル:ビジネス文書や論文などで「示唆する」という意味で、よく用いられます。
- カジュアル:日常会話でも使えますが、「hint(ほのめかす)」に比べると少しフォーマル・堅い印象です。
5. 実例と例文
ここでは、以下の3つの文脈で各3例ずつ示します。
① 日常会話での例文
- “Are you implying that I forgot to lock the door?”
(私がドアの鍵をかけ忘れたとでも言いたいの?) - “When you say it’s ‘interesting,’ do you imply it’s not good?”
(「面白い」と言うけど、それって微妙だってことを言いたいの?) - “Her tone of voice seemed to imply she wasn’t happy with the plan.”
(彼女の口調からして、その計画に満足していないことを示しているようだった。)
② ビジネスでの例文
- “The report implies that we should reconsider our marketing strategy.”
(その報告書は、私たちがマーケティング戦略を見直すべきだと示唆している。) - “What does the client’s feedback imply for our next step?”
(クライアントのフィードバックは、私たちの次のステップにどう影響することを示しているのでしょうか?) - “Her comments implied a potential partnership with the competitor.”
(彼女の発言は、競合他社との提携の可能性を示唆していた。)
③ 学術的・専門的な文脈での例文
- “These findings imply a correlation between social media use and mental health.”
(これらの研究結果は、ソーシャルメディアの使用とメンタルヘルスの間の関連性を示唆している。) - “The data clearly implies that further investigation is necessary.”
(そのデータは、さらなる調査が必要であることをはっきりと示唆している。) - “Our hypothesis implies the existence of a yet undiscovered particle.”
(私たちの仮説は、未発見の粒子の存在を示唆する。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- suggest(示唆する)
- 推測や示唆の意味合いがより柔らかく、日常会話で使いやすい。
- 推測や示唆の意味合いがより柔らかく、日常会話で使いやすい。
- hint(ほのめかす)
- 口語的。「示唆する」というより「それとなくほのめかす」ニュアンスでカジュアル。
- 口語的。「示唆する」というより「それとなくほのめかす」ニュアンスでカジュアル。
- indicate(示す)
- はっきりデータが示すようなイメージで、フォーマル・客観的な文脈で使われやすい。
- はっきりデータが示すようなイメージで、フォーマル・客観的な文脈で使われやすい。
- insinuate(当てこする、ほのめかす)
- imply よりもネガティブなニュアンスがある。陰口や悪意を伴う場合に使われることが多い。
反意語(Antonyms)
- state explicitly(明言する)
- declare(宣言する)
- assert(断言する)
いずれも、はっきり明言する・直接言及するという点で「imply(暗に示す)」とは反対のアクションを表します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ɪmˈplaɪ/
- イギリス英語: /ɪmˈplaɪ/
アクセントの位置
- 第2音節(-ply)にアクセントがあります。
im-PLI-y(イム・プライ)
よくある発音の間違い
- 最初の “i” が “aim” のように発音されることがありますが、正しくは「イ」に近い音です。
- “m” の後の “p” をはっきり発音して強調するようにすると、自然に発音できます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「暗示する」は他にも “suggest” や “hint” などがありますが、「imply」との微妙な違いを理解する必要があります。
- 綴り漏れ(imp*ily → impl*y のように “l” を重ねたりするミス)は要注意。
- TOEICや英検などの試験でも、「この文が暗に何を示唆しているか」を問う問題で “imply” が登場することがあります。文脈の読解力が求められます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “imply” の頭文字 “im-” は「中に入れる(in)」、 “ply” は「折りたたむ」というラテン語由来をイメージすると、「言葉を折りたたんで内に含む(=直接言わずに言葉の中に包む)」という感覚で覚えやすいです。
- また、“imply” は “implicit” や “implication” と語源を共有しており、一緒に覚えると単語のつながりが理解しやすくなります。
以上が動詞「imply」の詳細な解説です。文章や会話の中で上手に “imply” を使いこなせると、ニュアンスの異なる表現ができるようになり、より洗練されたコミュニケーションが可能になります。ぜひ日頃から意識して使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…‘を'ほのめかす,暗に示す
意味(2)
…‘を'意味を含む,…[の存在]‘を'当然の前提とする