元となった辞書の項目
encounter
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: encounter
品詞: 動詞 (他動詞・自動詞)
- 英語の意味: to meet or come across (especially unexpectedly); to experience or face (difficulties, problems, etc.)
- 日本語の意味: 「(予期せずに)出会う」「(問題や困難に)直面する」という意味です。
- たとえば、「道で偶然友達に出くわす」「新しい問題に直面する」といった場面で使われます。ややフォーマルなニュアンスで、ビジネスや公的文書でも使用されます。
動詞の活用形
- 原形: encounter
- 三人称単数現在形: encounters
- 現在分詞/動名詞: encountering
- 過去形/過去分詞: encountered
他の品詞形
- 名詞形: 「encounter (名詞)」 … 「出会い、遭遇」という意味になります。
例: “I had a strange encounter with an old friend yesterday.” - 形容詞形: 「encountered」は形容詞的に「遭遇した」という限定的な使われ方をすることもありますが、一般的にはあまり多くありません。
CEFR レベルの目安: B2(中上級)
- B2(中上級): 日常的なトピックについて複雑な文章でも理解ができ、抽象的な議論にも参加できるレベルです。
- 「encounter」は日常会話よりも少しフォーマルな響きがあり、ニュース記事やビジネス、学術的な文脈などでも遭遇しやすい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: “en-” は「中へ」「~にする・させる」のニュアンスを持つことが多いですが、ここではフランス語に由来しており、直接的に「中へ」というよりは「~と対面する・出会う」といった感覚を含みます。
- 語幹: “count” (ラテン語の contra 「反対に」などに由来)
- 接尾語: “-er” という明示的な接尾語はここでは働いていませんが、「encounter」という動詞全体としてフランス語由来の語形です。
詳細な意味
- 思いがけず~に出会う
- (困難・問題などに)直面する
- (対戦相手などに)対峙する (やや文語的)
よく使われるコロケーション(10個)
- encounter a problem(問題に直面する)
- encounter difficulties(困難に遭遇する)
- encounter an obstacle(障害にぶつかる)
- encounter unexpected challenges(予期しない課題に出くわす)
- encounter someone by chance(誰かに偶然出会う)
- encounter resistance(抵抗に直面する)
- encounter new ideas(新しい考えに触れる)
- encounter a stranger(見知らぬ人と出会う)
- encounter cultural differences(文化の違いに直面する)
- encounter harsh realities(厳しい現実に直面する)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語(Middle English)の encountren に由来し、古フランス語の encountrer(「出会う」「対面する」の意)から派生。フランス語の “en-” と “contre (対して)” による複合がもとになっています。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「encounter」は比較的フォーマルで、偶然の出会いでも問題との直面でも使われます。
- 口語では “run into” や “come across” が使われることも多いですが、ビジネス文書や公的場面では「encounter」が好まれます。
- 敬意を払いつつ「予期せずに出会う」というニュアンスや「望ましくない事態に直面する」という含みがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞としては「~に遭遇する」のように目的語を伴います。例: “I encountered a serious issue.”
- 自動詞としては文脈によって使われますが、比較的まれです。例えば “When you travel, you’re likely to encounter many surprises.” と目的語(many surprises)がある形が主流です。
- 使用シーン
- フォーマル: ビジネス・公的文書・学術的な文脈
- カジュアル: 日常会話では使われるものの、「run into」のほうが耳馴染みがあるかもしれません。
- フォーマル: ビジネス・公的文書・学術的な文脈
一般的な構文
- “encounter + 名詞”
例: “encounter a new culture” - “be encountered by + 名詞” (受動態)
例: “We were encountered by unexpected problems.”
イディオム
- 直接的なイディオムはないものの、“first encounter” など「出会った最初の瞬間」という表現で使われることが多いです。
例: “Our first encounter was quite memorable.”
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I encountered an old friend at the supermarket yesterday.”
(昨日スーパーで昔の友人に出くわしたんだ。) - “We may encounter a few bumps in the road, but let’s keep going.”
(いくつか困難にぶつかるかもしれないけど、前に進もう。) - “You never know who you’ll encounter when you travel alone.”
(一人旅をするとき、誰に出会うかはわからないものだよ。)
ビジネスシーンでの例文
- “We have encountered some delays in the supply chain.”
(サプライチェーンでいくつかの遅延が発生しています。) - “When working with overseas clients, you might encounter language barriers.”
(海外のお客様と仕事をする際には、言語の壁に直面するかもしれません。) - “Our project encountered unexpected technical issues.”
(私たちのプロジェクトは、思いがけない技術的問題に直面しました。)
学術的な文脈での例文
- “Researchers often encounter ethical dilemmas when conducting human trials.”
(研究者は、人を対象とした実験を行う際に、しばしば倫理的ジレンマに直面します。) - “In statistical analysis, we sometimes encounter outliers that affect the results.”
(統計分析において、結果に影響を及ぼす外れ値に遭遇することがあります。) - “Many explorers encountered harsh climates during their Arctic expeditions.”
(多くの探検家は、北極探検の際に過酷な気候に直面しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- run into(偶然に出会う)
- カジュアルな口語表現。「encounter」よりややくだけた印象。
- カジュアルな口語表現。「encounter」よりややくだけた印象。
- come across(偶然に発見する/見かける)
- 物や情報に「偶然出くわす」というニュアンスが強い。
- 物や情報に「偶然出くわす」というニュアンスが強い。
- face(問題・困難に直面する)
- 「encounter」ほど偶然性はなく、「責任をもって向き合う」ニュアンスが強い。
- 「encounter」ほど偶然性はなく、「責任をもって向き合う」ニュアンスが強い。
- meet with(問題・困難などに直面する / 人と会う)
- ややフォーマル。人との予定された会合にも使うため「偶然」よりは「意図して会う」印象。
- ややフォーマル。人との予定された会合にも使うため「偶然」よりは「意図して会う」印象。
反意語
- avoid(避ける)
- evade(回避する)
- miss(行き違いになる / すれ違う)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɪnˈkaʊn.tər/ (米), /ɪnˈkaʊn.tə/ (英)
- アクセント: “en-COUN-ter” のように、第二音節 “coun” に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語: アメリカ英語では語尾の “-er” が /ər/ のように弱められた音に、イギリス英語では /ə/ のように聞こえることが多いです。
- よくある間違い:
“in-counter” のように最初の音節に強勢を置いてしまう発音をする人がいますが、正しくは “en-COUN-ter”(第二音節に強勢)です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “encouter” と “n” をひとつ落としたり、 “counter” と混同しがちなので注意。
- 同音異義語は特にありませんが、“encounter” と “account” や “counter” など近いスペルの単語と混同することが多いです。
- TOEIC・英検など試験対策:
- ビジネスの文脈で「問題に直面する」「障害に遭遇する」の表現が出題されやすいです。
- 「encounter problems」「encounter difficulties」などのフレーズが設問や選択肢に登場することが多いので、目的語との組み合わせをしっかり覚えておくと役立ちます。
- ビジネスの文脈で「問題に直面する」「障害に遭遇する」の表現が出題されやすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源から覚える: “en-” + “counter” (対面する) → 「まさに相手と向き合う」イメージをすると、「遭遇する」「直面する」という意味を思い出しやすくなります。
- スペリングのコツ: 「en」+「coun」+「ter」=「encounter」。 “counter” の前に “en” がついていると覚えましょう。
- イメージ: 「ドアを開けたら突然問題や人に“ドンッ”とぶつかる」ような絵を想像すると、偶然・不意の出会いを思い出しやすいです。
以上が、動詞 encounter の詳細な解説です。困難や人との出会いなど、「遭遇」や「直面」を表現したいときにとても便利な単語なので、ぜひ使い方をマスターしてください。
意味のイメージ
意味(1)
(偶然、思いがけなく)出合う,でくわす
意味(2)
(問題、危険、反対などに)逢う,出会う,遭遇する
意味(3)
(困難、現実などに)直面する
意味(4)
(災難が)降りかかる