bestow
1. 基本情報と概要
単語: bestow
品詞: 動詞 (to bestow)
英語での意味: to give something as an honor or present
日本語での意味: “(名誉・贈り物などを) 授ける、与える。”
「目上の人や組織が、名誉あるものや特別なものを与える」というニュアンスの単語です。公的・正式な場面や、伝統などを重んじる状況で使われることが多いです。
活用形
- 現在形: bestow / bestows
- 過去形: bestowed
- 過去分詞形: bestowed
- 現在分詞・動名詞形: bestowing
同じ語根を使った他の品詞形はあまり一般的ではありませんが、名詞形として “bestowment” (あまり頻度は高くありません)を見かけることがあります。
CEFRレベルの目安: C1 (上級)
学習の段階としては、いわゆる高度な表現にあたり、文学的・フォーマルな文章やスピーチで使われることが多いです。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語: 特に明示的な接頭語はなく、“be-” がついてはいますが、動詞化のニュアンスを持つ接頭辞的要素とされています。
語幹: “stow” - 本来は「しまう、格納する」の意ですが、「~を与える」という意味とはやや変化しています。
接尾語: なし
関連・派生語
- bestowment (名詞): 授与、贈与(比較的まれ)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- bestow an honor (名誉を授ける)
- bestow a gift (贈り物を与える)
- bestow a title (称号を授ける)
- bestow upon someone (誰かに~を与える)
- bestow blessings (祝福を授ける)
- bestow grace (恩寵を与える)
- bestow authority (権限を授ける)
- bestow a favor (好意を示す・施す)
- bestow recognition (認知や表彰を授ける)
- bestow the right (権利を与える)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 中英語の “bestowen” (to place, to give) に由来すると考えられています。“be-” は強意や方向性を示す接頭辞として働き、“stow” は「場所」を意味する古い語から来ています。「しかるべき場所に置く」→「授ける」という変化が起こっています。
ニュアンスや使用時の注意:
- フォーマル寄り: 「授与する」「授ける」という響きがあり、ビジネスや儀式的な場面、公式の文書などに向いています。
- 口語ではやや硬め: 日常会話で使うと非常にかしこまった印象を与えます。
- 感情的響き: 特に高貴さや有り難みが強調され、何かを「特別に与える」イメージがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (transitive verb): 必ず何を与えるのか(目的語)と、誰に与えるのか(to/ upon + 目的格)を伴います。
- 例: “They bestowed an award on her.” (彼らは彼女に賞を授けた)
一般的な構文
bestow + 直接目的語 + on/upon + 間接目的語
- 例: “They bestowed the honor upon him.”
- 例: “They bestowed the honor upon him.”
be + bestowed + (on/upon + 目的格)
- 例: “This title was bestowed upon her by the committee.”
- 例: “This title was bestowed upon her by the committee.”
イディオム
- “bestow (something) upon (someone)” … 誰かに何かを贈る・授ける典型的な言い方。
- フォーマルな式典や公的スピーチなどで用いられるケースが多いです。
5. 実例と例文
日常会話でこの単語はやや堅い印象を与えますが、以下は自然な例文です。
5.1 日常会話 (3例)
“My grandmother bestowed her favorite necklace upon me before she passed away.”
- 祖母は亡くなる前に、彼女のお気に入りのネックレスを私に授けてくれました。
“I want to thank you for bestowing such kindness on me.”
- あなたが私にそのような親切を与えてくれたことに感謝したいです。
“He bestowed his advice freely, even when people didn’t ask for it.”
- 彼は人が頼んでいなくても、気前よくアドバイスを授けていました。
5.2 ビジネスシーン (3例)
“The board of directors bestowed the Employee of the Year award on John for his outstanding performance.”
- 取締役会はジョンの卓越した業績を称えて、「年間最優秀社員賞」を授与しました。
“We are proud to bestow this certificate of excellence upon you.”
- 弊社はこの優秀賞をあなたに授けられることを誇りに思います。
“The company bestowed a special bonus on all the staff who contributed to the project.”
- 会社はプロジェクトに貢献した全スタッフに特別ボーナスを授与しました。
5.3 学術的な文脈 (3例)
“The university bestowed an honorary doctorate on Professor Smith for his groundbreaking research.”
- 大学は、画期的な研究に対してスミス教授に名誉博士号を授与しました。
“This prestigious award is bestowed only upon scholars who make outstanding contributions to the field.”
- この権威ある賞は、その分野に顕著な貢献をした学者だけに授与されます。
“Our organization has bestowed significant research grants on promising scientists worldwide.”
- 私たちの組織は、有望な科学者たちに大規模な研究助成金を授けています。
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- grant (与える、許可する)
- 公式・公的に権利やお金、許可などを与える場合にしばしば使われる。
- 公式・公的に権利やお金、許可などを与える場合にしばしば使われる。
- confer (授ける、(会議などで)協議する)
- 公式な称号や学位などを授与するという文脈で使われる。
- 公式な称号や学位などを授与するという文脈で使われる。
- present (贈る、提出する)
- カジュアルからフォーマルまで幅広く用いられるが、bestow ほどの厳かな響きはやや薄い。
- カジュアルからフォーマルまで幅広く用いられるが、bestow ほどの厳かな響きはやや薄い。
- award (賞を与える、授与する)
- 何らかの賞や評価を与える場合の定番表現。
反意語 (Antonyms)
- withhold (与えないでおく、保留する)
- deny (与えない、認めない)
bestow は「寛大に授ける」というニュアンスが強い一方、withhold などは「与えずにとどめておく」という反対の意味になります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA): /bɪˈstoʊ/ (米), /bɪˈstəʊ/ (英)
- アメリカ英語: ビ・ストウ (後半は「ストウ」と発音)
- イギリス英語: ビ・ストウ(“əʊ”の発音がやや長く聞こえる)
- 強勢(アクセント): 2音節目の「stow (stoʊ / stəʊ)」に強勢があります。
よくある発音ミス:
- 「be-stow」ではなく「bi-STOW」と強調する部分に注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “bestow” を “bistow” や “bestwo” と書くミスが起こりやすいです。
- 用法の限定: フォーマルな文脈で使うのが一般的で、カジュアルな会話で頻繁に使うと不自然に聞こえるかもしれません。
- 同音類似語との混同: 同じ発音ではありませんが “best row” (ベストな行の意味?) など、文字を区切って考えてしまう人もいるので注意です。
- 試験対策: TOEICなどの日常ビジネス英語では頻出度はそこまで高くありませんが、英検1級や上級レベルの英語試験では見かける場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “be + stow” → 場所に“ストウ”を置くイメージ。「特定の場所にあるものを
be
(埋め込むイメージ)する」→「正式に授ける」と連想すると覚えやすいかもしれません。 - 語感のフォーマルさ: “bestow” には儀式的・重々しい響きがあります。何かを“授かる”場面をイメージすると自然に思い出せます。
- スペリングの注意: “be” + “stow” と分解して頭に入れておくと間違いが減ります。
円滑な会話の中では、もう少し日常寄りの単語 “give”, “offer” 等を使うことが多いですが、フォーマル・文学的表現を覚えたい方は「bestow」を押さえておくと表現の幅が広がります。
(…に)…'を'授ける,贈る,与える《+名+on(upon)+名》