mortal
『必ず死ぬ運命の』 / 『致命題な』,命とりの(fatal) / 《名詞の前にのみ用いて》(はかない)人間の,現世の / 《名詞の前にのみ用いて》死ぬまで続く;殺さずにはおかない / 死の;死のぎわの / 《名詞の前にのみ用いて》《話》非常な,はなはだしい / 許すことのできない,永遠の死を招く / 《しばしばおどけて》人間
1. 基本情報と概要
単語: mortal
品詞: 形容詞(場合によっては名詞としても使用されます)
英語の意味: “subject to death; not immortal” / “causing or liable to cause death”
日本語の意味: 「死ぬ運命にある、不死ではない」「死の原因となるような、致命的な」
たとえば、人間はいつか必ず死ぬので「mortal」です。また、「mortal wound(致命傷)」のように、死に至らしめるほどの強い意味でも使われます。日常会話よりもやや文語的・文学的なニュアンスがあり、かつ厳かなシーンや深刻な場面で使われることが多いです。
活用形: 形容詞なので活用の変化は特にありませんが、名詞形(「人間、死すべき存在」)として “mortal(s)” とも使われる場合があります。
- 例: “We are all mortals.”(私たちは皆、死すべき存在です。)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
B2: ある程度長い文章を理解し、自分の意見も説明できるレベル。文学的表現にも触れる機会が増えるため、このレベルで “mortal” のような語も学習対象になります。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語: なし
- 語幹: mort- (ラテン語由来で “死” を意味する “mors, mortis”)
- 接尾語: -al(形容詞を作る接尾語)
関連する派生語・類縁語:
- immortal (形容詞): 不死の
- mortality (名詞): 死すべき運命、死亡率
- mortalize (動詞・まれ): ~を死すべき運命にする(文学的表現)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個):
- mortal wound → (致命傷)
- mortal danger → (命にかかわる危険)
- mortal sin → (大罪、致命的な罪)
- mortal enemy → (不倶戴天の敵、死闘を繰り広げる敵)
- mortal fear → (死の恐怖、激しい恐怖)
- mortal combat → (死闘)
- mortal blow → (致命的な一撃)
- mortal threat → (死をもたらす恐れ、重大な脅威)
- fear of one’s own mortality → (自分が死すべき存在であることへの恐れ)
- mere mortal → (ただの人間、普通の人)
3. 語源とニュアンス
語源:
「mortal」は、ラテン語の「mors(死)」またはその属格である「mortis」から派生した語で、古フランス語を経由して英語に入ってきました。もともとの意味は「死に関係する」「死をもたらす」というニュアンスを含んでいます。
ニュアンス・使用上の注意:
- 「死ぬ運命にある」「死に至らせる可能性がある」といった、深刻で重々しい響きがあります。
- 文学やドラマチックな表現でよく用いられ、日常会話でもやや強調的に使う場合がありますが、冗談めかして「I’m mortal, after all.(結局自分もただの人間だ)」というようなカジュアルな文脈にする場合もあります。
- 比較的フォーマルまたは文語的で、シリアスなシーンで好まれます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての使い方: 「死すべき」「致命的な」という意味を形容詞で修飾したいときに使います。
- 例: “He suffered a mortal wound in the battle.”
- 例: “He suffered a mortal wound in the battle.”
- 名詞としての使い方: 「死すべき存在」という意味で、主に人間を指すときに使われます。文語的・文学的です。
- 例: “All mortals must face death.”
イディオムや構文例:
- “mortal coil” : “shuffle off this mortal coil” という表現がシェイクスピア由来で「この世を去る」という意味で使われます(非常に文学的表現)。
- “a mortal blow to ~” : 「~にとって決定的な打撃」「致命的な打撃」を与えるというややフォーマルな言い回し。
可算・不可算:
- 名詞 “mortal” は「人間」を指すときは可算名詞です。
- 形容詞は可算・不可算の区別はありません。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “I’m just a mortal like everyone else; I need rest and sleep too.”
- (私も他の人と同じようにただの人間だから休みも睡眠も必要だよ。)
- (私も他の人と同じようにただの人間だから休みも睡眠も必要だよ。)
- “He’s acting like he’s immortal, but he’s mortal just like the rest of us.”
- (自分が不死身かのように振る舞っているけど、実際は私たちと同じで普通の人間です。)
- (自分が不死身かのように振る舞っているけど、実際は私たちと同じで普通の人間です。)
- “You don’t have to fear me; I’m only a mortal man.”
- (僕のこと怖がらなくていいよ。僕はただの人間だから。)
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “Even the most successful leaders are mortal and must retire eventually.”
- (どんなに成功したリーダーもいずれは退任しなければならない、死すべき運命です。)
- (どんなに成功したリーダーもいずれは退任しなければならない、死すべき運命です。)
- “A mortal mistake in our budgeting could cost the company its future.”
- (予算編成における致命的なミスが、会社の将来を失わせる可能性があります。)
- (予算編成における致命的なミスが、会社の将来を失わせる可能性があります。)
- “We must remember our clients are mortals with real needs and limitations.”
- (顧客は現実的なニーズや限界をもった人間だということを忘れてはいけません。)
学術的・文語的な例文 (3つ)
- “In ancient mythology, gods and mortals interact, each with their distinct realms.”
- (古代神話では、神々と人間がそれぞれの領域をもちながら相互作用を行います。)
- (古代神話では、神々と人間がそれぞれの領域をもちながら相互作用を行います。)
- “The philosopher tackled the question of mortal existence and human consciousness.”
- (その哲学者は人間(死すべき存在)の実存と人間の意識について論じました。)
- (その哲学者は人間(死すべき存在)の実存と人間の意識について論じました。)
- “His mortal frame eventually succumbed to disease, underscoring the fragility of life.”
- (彼の死すべき肉体は最終的に病気に屈し、人間の生命の儚さを強調しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- deadly(致命的な)
- fatal(致命的な)
- lethal(致死的な)
- perishable(腐りやすい、朽ちる運命の)
- human(人間的な、死すべき存在である)
- “deadly” / “fatal” / “lethal” は「致命的」という意味に重点があり、“mortal” は「死すべき」「死を免れない運命にある」というニュアンスが強いです。
- “perishable” は主に食べ物や物質が「腐りやすい、すぐにだめになる」という文脈で使われるため、“mortal” とは若干用途が異なります。
- “human” とは必ずしもイコールではありませんが、「mortal = 人間」というニュアンスを文学的に強調するときに対比的に使用されます。
反意語:
- immortal(不死の)
- eternal(永遠の)
- undying(死なない)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA):
- アメリカ英語: /ˈmɔːr.t̬əl/
- イギリス英語: /ˈmɔː.təl/
- アメリカ英語: /ˈmɔːr.t̬əl/
- アクセント: 先頭の “mor” の部分に強勢があります(MOR-tal)。
- 発音の違い: アメリカ英語では “r” の音がはっきり出る一方、イギリス英語ではやや柔らかい “r” となり、[t] がはっきり /təl/ と発音される傾向があります。
- よくある間違い: “moral” (/ˈmɔːr.əl/) と混同されやすいですが、つづりも発音も微妙に異なります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “mortal” と書くべきところを “moral” などと綴ってしまう間違いが頻発します。
- 同音異義語との混同: “mortal” と “moral” は発音も意味も異なります。“moral” は道徳的な意味ですので、注意が必要です。
- 試験対策: TOEICや英検などではあまり頻出する単語とはいえませんが、文学作品やアカデミックな文章では登場する可能性があります。文脈から判断できるようにしておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源から覚える: ラテン語 “mors, mortis”(死)を覚えておくと、「mort-」を含む派生語(mortality, immortal, morticianなど)を連想しやすくなります。
- イメージ: 「mortal」は「限りある人間の命」をイメージすると覚えやすいでしょう。
- スペリングのポイント: “mor” まで書いたら、そこに “t” を挟んで “-al” を付ける、と意識しましょう(“mora”ではなく“mort”)。
- 勉強テクニック: 文学的表現などでよく出てくるので、名作小説の一節や有名な引用で見かけたら印象的に覚える方法もおすすめです。
以上が形容詞 “mortal” の詳細解説です。
「死すべき」「死の原因となる」といった重い意味を持ち、文学的・フォーマルなニュアンスでよく使われます。名詞として「死すべき存在・人間」の意も知っておくと表現力が広がるでしょう。
必ず死ぬ運命の
死の;死のぎわの
許すことのできない,永遠の死を招く
致命題な,命とりの(fatal)
《名詞の前にのみ用いて》(はかない)人間の,現世の
《名詞の前にのみ用いて》死ぬまで続く;殺さずにはおかない
《名詞の前にのみ用いて》《話》非常な,はなはだしい
《しばしばおどけて》人間