spoil
〈物事〉‘を'『だいなしにする』,損なう / 〈子供など〉‘を'『甘やかしてだめにする』,増長させる / 《古》(…を)…‘から'奪う《+『名』+『of』+『名』》 / 〈物が〉『だいなしになる』,だめになる
1. 基本情報と概要
単語: spoil
品詞: 動詞 (他動詞・自動詞として使われる)
意味(英語): to damage or ruin something; to go bad (especially for food); to treat someone too kindly or generously
意味(日本語): 何かを台無しにする、(特に食べ物が)腐る、または人に甘やかしすぎる
「spoil」は、たとえば「パーティーを台無しにする」「子どもを甘やかす」「食べ物が腐る」などの文脈で使われる動詞です。日常会話からビジネスまで幅広く使われ、ニュアンスとしては「本来あるべき良い状態を損なう」「度を越して甘やかす」といった感覚があります。
活用形
- 現在形: spoil / spoils
- 現在進行形: spoiling
- 過去形: spoiled / spoilt (イギリス英語で特に
spoilt
が使われることがあります) - 過去分詞形: spoiled / spoilt
他の品詞への派生例
- 名詞: spoiler(ネタバレ、または台無しにするもの・人)
- 形容詞: spoiled(甘やかされた、または腐った)
- 形容詞: spoilt(主にイギリス英語、同上)
難易度の目安 (CEFR): B2(中上級)
B2レベルは、日常会話に加えて仕事や学習などでも複雑な内容をある程度理解し、自分の意思を伝えられるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「spoil」自体には明確な接頭語や接尾語は含まれていません。語源的にはラテン語 spoliare(「はぎ取る」「略奪する」)に由来し、そこから古フランス語 esploillier を経由して中英語の spoilen が生まれ、現代の「spoil」になりました。
詳細な意味
- 台無しにする・損なう
例: You spoiled the surprise.(サプライズを台無しにしたね) - 食べ物などが腐る
例: The milk will spoil if it’s not refrigerated.(冷蔵しないと牛乳が腐るよ) - 甘やかす
例: They spoil their grandchildren with too many gifts.(彼らは孫にプレゼントを与えすぎて甘やかしている)
関連表現・コロケーション(10選)
- spoil the surprise(サプライズを台無しにする)
- spoil the fun(楽しみを台無しにする)
- spoil one’s appetite(食欲を失わせる)
- spoil a child(子どもを甘やかす)
- spoil the party(パーティーを台無しにする)
- spoil the mood(雰囲気を壊す)
- spoil someone rotten((俗語的に)徹底的に甘やかす)
- spoil the view(景色を台無しにする)
- spoil an opportunity(チャンスを逃す/潰す)
- go/spoil bad((口語)腐る/ダメになる)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 spoliare(略奪する) → 古フランス語 esploillier → 中英語 spoilen → 現代英語 spoil
当初は「奪い取る」「略奪する」という意味合いが強かったが、そこから「損なう」「台無しにする」という意味も派生しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「台無しにする」という意味のとき、人の期待や計画を踏みにじるネガティブな響きを持ちます。
- 「食べ物が腐る」という意味は比較的中立的ですが、「ダメになってしまう」という感情が含まれます。
- 「人を甘やかす」という文脈では、良くも悪くも相手を優遇しすぎるイメージがあります。
また、フォーマル・カジュアル両方で使われますが、「spoil the surprise」などは日常的、「spoil a report」などはビジネスや公的な文脈でも使われます。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞/自動詞
- 他動詞: 「~を台無しにする」「~を甘やかす」
(例) Don’t spoil your sister’s birthday. - 自動詞: 「(食べ物が)腐る」
(例) The food spoiled overnight.
- 他動詞: 「~を台無しにする」「~を甘やかす」
イディオム/構文
- be spoiling for a fight(ケンカをふっかけたくてうずうずしている)
- spare the rod and spoil the child(しつけに厳しくないと子どもを甘やかすことになる)
- be spoiling for a fight(ケンカをふっかけたくてうずうずしている)
使用シーン
- 堅いビジネス文書からカジュアルな会話まで幅広く使えます。ただし、子どもを「甘やかす」という場合はややカジュアルで感情的な響きがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3例)
- “Don’t tell me the ending! You’ll spoil the whole movie.”
- 「結末を言わないでよ!映画全部を台無しにしちゃうよ。」
- “You really spoiled me on my birthday with all those gifts.”
- 「あなたはあんなにたくさんのプレゼントをくれて、私の誕生日を本当に特別なものにしてくれた(甘やかしてくれた)。」
- “We have to eat the leftovers soon or they’ll spoil.”
- 「早く残り物を食べないと腐っちゃうよ。」
ビジネスシーンでの例文 (3例)
- “If the new regulations are not followed carefully, they could spoil our market reputation.”
- 「新しい規制がしっかり守られなければ、市場での評判を台無しにしてしまうかもしれません。」
- “Please store these samples properly; any mishandling could spoil them.”
- 「これらのサンプルは適切に保管してください。扱いを誤るとダメになってしまいますので。」
- “I don’t want to spoil the deal by bringing up controversial topics.”
- 「物議を醸すような話題を出して契約を台無しにしたくありません。」
学術的な文脈 (3例)
- “Improper preservation methods often spoil valuable historical artifacts.”
- 「不適切な保存方法は、貴重な歴史的遺物を台無しにすることが多いです。」
- “Exposing laboratory samples to direct sunlight can spoil the results of the experiment.”
- 「実験サンプルを直射日光にさらすと、実験結果を台無しにする可能性があります。」
- “Researchers must be cautious not to spoil the data by introducing bias inadvertently.”
- 「研究者は、偏りを知らず知らずのうちに加えてデータを台無しにしないよう注意しなくてはなりません。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- ruin(台無しにする)
- 日本語訳: 「~を台無しにする」
- “ruin” は「完全に破壊する」ニュアンスが強く、より深刻なイメージ。
- 日本語訳: 「~を台無しにする」
- mar(損なう)
- 日本語訳: 「~を傷つける、損なう」
- 見た目や質を部分的に損なうニュアンス。
- 日本語訳: 「~を傷つける、損なう」
- damage(損害を与える)
- 日本語訳: 「損害を与える」
- 物理的・金銭的な被害を指す場合が多い。スケールが大きい場合にも使う。
- 日本語訳: 「損害を与える」
反意語
- preserve(保存する)
- 日本語訳: 「保存する」
- 「台無しにする」に対して「守る・保存する」という意味。
- 日本語訳: 「保存する」
- enhance(高める)
- 日本語訳: 「高める、良くする」
- 「ダメにする」の反対で「さらに良い状態にする」のニュアンス。
- 日本語訳: 「高める、良くする」
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /spɔɪl/
- 米音: [spɔɪl] (「スポイル」に近い)
- 英音: [spɔɪl] (米英とも大きくは変わりませんが、地域によって母音の長さに若干差がある場合があります)
アクセント
1つの音節なので、特に強勢による違いはありません。
よくある発音の間違い
- 「spoil」 を「spoul」や「spoya」などと曖昧に発音する。
- 母音の /ɔɪ/ があいまいになりやすいので、
boy
の /ɔɪ/ と同じ音で発音するように意識するとよいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「spoling」「spolied」などの誤りに注意。lの後に正しく i を置き、過去形では -ed(あるいはイギリス英語圏の場合 -t で終了)。
- 同音異義語との混同: 大きな同音異義語はありませんが、発音上
soil
(土) などと混同する恐れがないよう注意。 - 試験対策
- TOIECや英検で「damaged」「ruined」など類似語との区別を出題される可能性があります。
- 「子どもを甘やかす」用法についても穴埋め問題などでよく登場します。
- TOIECや英検で「damaged」「ruined」など類似語との区別を出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「spoiler(ネタバレ)」と関連づけて覚えると、映画やドラマで「ネタをばらして台無しにするイメージ」がわかりやすいでしょう。
- 「スポイル」という音自体が「台無しにする」イメージを連想しやすいので、イメージとして「何かを腐らせる・台無しにする」画を思い浮かべると覚えやすいです。
- 活用形に慣れるには、それぞれの場面で「ruin」「damage」と言い換えてみたり、「spoiled food(腐った食品)」などよくある表現をセットで覚えておくとスムーズです。
以上が動詞「spoil」の詳細な解説です。使い方の幅が広く、日常生活からビジネス、学術でも使われる重要な単語ですので、ぜひ積極的に使ってみてください。
〈物事〉‘を'だいなしにする,損なう
〈子供など〉‘を'甘やかしてだめにする,増長させる
《古》(…を)…‘から'奪う《+名+of+名》
〈物が〉だいなしになる,だめになる