元となった辞書の項目
shadow
解説
1. 基本情報と概要
単語: shadow
品詞: 動詞 (もともと名詞としても存在する単語です)
意味(英語・日本語)
- (英) to follow and observe someone closely; to accompany like a shadow
- (日) 「(人)に付きまとって監視する」「(人)について回る」「影のようについて学ぶ」といった意味です。
たとえば、誰かの仕事ぶりを学ぶために付き添う場合にも使われます。少し「密かに追う」「陰から監視する」というニュアンスがあります。
活用形
- 原形: shadow
- 三人称単数現在形: shadows
- 現在分詞・動名詞: shadowing
- 過去形: shadowed
- 過去分詞: shadowed
他の品詞になった場合
- 名詞: a shadow(影)
例: “I saw his shadow on the wall.” - 形容詞: shadowy(影のような、はっきりしない)
例: “We saw a shadowy figure in the distance.”
難易度(CEFRレベルの目安)
- B2(中上級)
- 理由: 「shadow」は名詞としてはB1程度でも頻繁に見ますが、動詞としては少し上級の表現に近いニュアンス(監視する・学習目的で付き添うなど)を持つため、B2あたりのレベルとして見られやすいです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: shadow(中核となる意味は「影」)
- 接頭語や接尾語は特にありません。古英語 “sceadu” から発展してきた単語です。
よく使われるコロケーション(10個)
- shadow someone
- (人に付き添う/人を監視する)
- (人に付き添う/人を監視する)
- shadow a suspect
- (容疑者を尾行する)
- (容疑者を尾行する)
- shadow the work of + 人・部署
- (~の仕事を見習い目的でついて見る)
- (~の仕事を見習い目的でついて見る)
- cast a shadow on/over
- (~に影を落とす・暗い雰囲気にする)〔動詞「cast」のコロケーション〕
- (~に影を落とす・暗い雰囲気にする)〔動詞「cast」のコロケーション〕
- under the shadow of
- (~の影響下で)〔名詞的用法のイディオム〕
- (~の影響下で)〔名詞的用法のイディオム〕
- shadow cabinet
- (影の内閣)〔政治用語〕
- (影の内閣)〔政治用語〕
- live in someone’s shadow
- (~の影に隠れて暮らす)〔実質的にはイディオム的名詞表現〕
- (~の影に隠れて暮らす)〔実質的にはイディオム的名詞表現〕
- shadow the event
- (イベントを密かに観察する/補佐として付く)
- (イベントを密かに観察する/補佐として付く)
- shadow delegation
- (視察メンバーに付き添う)
- (視察メンバーに付き添う)
- shadow training
- (研修で先輩などに付き添うトレーニング)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “sceadu” から発展した語で、「暗がり」「陰」を意味していました。
- 名詞としての “shadow” は「影」ですが、そこから「影のように付き従う」という意味が派生して動詞としても使われるようになっています。
ニュアンスと使用上の注意
- 「影のように付いて回る」というイメージがあるため、相手にとってはやや警戒感を与えるニュアンスになる場合があります。
- 一方で、研修や学習の目的で先輩社員の仕事を「shadowする」という使い方もあり、フォーマルなビジネスシーンでも見られます。
- 口語でも書き言葉でも使われますが、誰かを「尾行する」「監視する」という意味の場合は少し重め、秘密めいた響きを持ちます。学習目的の付き添いの場合はカジュアルまたはフォーマルにも使われます(文脈による)。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞: “shadow” は何か(誰か)を目的語にとります。
例: “They shadowed the politician all day.” - 名詞・形容詞との混同: “shadow” は名詞としての用法が最も知られていますが、動詞で使う場合には目的語が必要な他動詞であることを意識してください。
一般的な構文・イディオム
- shadow + 名詞(人・対象)
(監視・観察・学習目的で付き従う)
例: “I will shadow the new manager for a week to learn the ropes.” - be overshadowed by + 名詞
(~によって影が薄くなる、~に圧倒される)
例: “Her achievements were overshadowed by the scandal.”
フォーマル/カジュアル
- “shadow” (動詞) はフォーマルな文章でも、口語的表現でも使われます。ただし「監視する」の文脈はややフォーマル寄り(ビジネス、捜査、政治関連など)で使用されることが多いです。
- 人の仕事を見学する場面(ビジネス研修など)でもカジュアルに “I’ll shadow you for a while” と使うことがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Don’t shadow me like that! It’s creepy.”
(そんなふうに僕につきまとわないでよ。気味が悪いよ。) - “My dog shadows me everywhere I go.”
(うちの犬は、私が行くところどこへでもついてきます。) - “Could you not shadow my phone calls? I need some privacy.”
(電話を盗み聞きしないでくれない? プライバシーが欲しいんだ。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “This week, I’ll shadow our senior programmer to learn about the new system.”
(今週は、新システムについて学ぶために先輩プログラマーに付き添います。) - “We have a new intern who will be shadowing me to understand client management.”
(新しいインターンが顧客管理を把握するために私に付き添う予定です。) - “The security team decided to shadow the suspect around the office.”
(警備チームはその容疑者を社内で監視することに決めました。)
学術的・専門的な文脈(3つ)
- “Researchers shadowed the wildlife in their natural habitat to gather behavioral data.”
(研究者たちは、動物たちの行動データを収集するために自然環境の中で追跡観察を行った。) - “During her residency, the junior doctor shadowed a senior surgeon to refine her skills.”
(研修期間中、その若手医師は技能を磨くために先輩外科医に付き添った。) - “The inspector was authorized to shadow the laboratory procedures for quality assurance.”
(検査官は品質保証のため、研究所の手順を監視する許可を与えられた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- follow(ついて行く)
- 一般的に「後について行く」という意味。監視や学習目的が必ずしも含まれない。
- 一般的に「後について行く」という意味。監視や学習目的が必ずしも含まれない。
- trail(後をつける)
- 「尾行する」「追跡する」ニュアンスを強調。捜査や警察が使うイメージが強い。
- 「尾行する」「追跡する」ニュアンスを強調。捜査や警察が使うイメージが強い。
- track(追跡する)
- 情報や履歴をたどる意味合いが強い。同じ現場で後をつける場合もある。
- 情報や履歴をたどる意味合いが強い。同じ現場で後をつける場合もある。
- observe(観察する)
- 距離を保って観察する場合に使う。必ずしも付いて回るわけではない。
反意語
- ignore(無視する)
- 「影のように付いて回る」とは反対に、意図的に関心を払わないという意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- 米: /ˈʃædoʊ/
- 英: /ˈʃædəʊ/
- 米: /ˈʃædoʊ/
- 強勢(アクセント)の位置:
- “sha” の部分にアクセントがあります。
- “sha” の部分にアクセントがあります。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語は末尾が “-doʊ” (ドウ) の発音、イギリス英語は “-dəʊ” (ダウ) のような発音になります。
- アメリカ英語は末尾が “-doʊ” (ドウ) の発音、イギリス英語は “-dəʊ” (ダウ) のような発音になります。
- よくある発音の間違い:
- “shado” や “shadou” のように曖昧な母音になることがあるので注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “shadow” の “a” と “o” の位置を間違えて “shawdow” や “shawdow” と書くエラーが起きやすいです。
- 同音異義語との混同: “shade” と混同しないよう注意。“shade” は名詞や動詞で「日陰にする」「色合い」など、微妙に違った意味です。
- 試験対策: TOEICや英検では、ニュース記事やビジネス文書で「shadowing a new employee」のような形で出題される場合があります。「監視する」「付き添う」「見習う」など意味が広いので、文脈で判断することが重要です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “shadow” を名詞でイメージすると「影」なので、そこから「影のように付き添う」と思い出すと覚えやすいです。
- 「シャドーイング(英語学習法)」で「CDなどの音声を追いかける」という意味合いをすでにご存じの方もいるかもしれませんが、この “shadow” も「後をついて真似する」というイメージです。
- スペリングで “a” と “o” の順を間違えないよう、“sh-ad-ow” と3音節を意識しておくと覚えやすいでしょう。
以上が動詞 “shadow” の詳細な解説です。名詞としての “shadow” との使い分けを意識しながら学習を進めてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…‘を'影でおおう,陰にする
意味(2)
…‘を'尾行する
意味(3)
…‘に'暗い影を落とす,‘を'暗く(憂うつに)する