cross
1. 基本情報と概要
単語: cross
品詞: 動詞 (他に名詞・形容詞としても使われる)
意味(英語): to go or move across something; to pass from one side to another.
意味(日本語): “渡る”、または“横切る”を意味します。「道を横断する」や「境界線を越える」などの場面で使われる、比較的基本的な動詞です。
ニュアンス: 「cross」は物理的に何かを横切る意味のほか、抽象的に“(境界・制限を)超える”ニュアンスでも使われます。たとえば「一線を越える」など精神的・比喩的に使われることもある単語です。
活用形:
- 現在形: cross / crosses (三人称単数)
- 過去形: crossed
- 過去分詞: crossed
- 現在分詞・動名詞: crossing
他の品詞形:
- 名詞形: a cross (十字架、交差点など)
- 形容詞形: cross (怒っている、いらいらした) 例: “He was cross with me.”(彼は私に対してむっとしていた)
CEFRレベルの目安: A2 (初級)
A2: 身近な状況でよく使われる語であり、道案内や基本的な会話など、初級学習者レベルでも頻繁に登場します。
2. 語構成と詳細な意味
語幹: “cross”
- 接頭語や接尾語が明確にあるわけではありません。元となる“cross”にさまざまな意味合いが派生しています。
関連単語・派生語:
- crossing (名詞) — 交差点、横断
- crossover (名詞) — 交差すること、ある分野から別の分野への転換
- crosswise (副詞) — 交差して、横切って
- crossing (名詞) — 交差点、横断
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- cross the street(通りを渡る)
- cross the road(道を横断する)
- cross the border(国境を越える)
- cross your fingers(指をクロスする: 幸運を祈る)
- cross a line(一線を越える)
- cross someone’s mind(人の頭をよぎる)
- cross paths with ~(~と偶然出会う)
- cross boundaries(境界を越える)
- cross one’s arms(腕を組む)
- cross off a list(リストから消す)
- cross the street(通りを渡る)
3. 語源とニュアンス
語源:
「cross」は古英語では “cros” と表記され、古ノルド語の “kross” に由来すると考えられています。さらに遡るとラテン語の “crux”(十字架)が起源となっています。キリスト教の十字架(cross)の影響で、その形や“横切る”動作が様々なニュアンスや表現に派生してきました。使用時の注意点(ニュアンス・感情的響きなど):
- 物理的に“横断する”場合はカジュアルな会話でよく使います。
- “cross the line” などの比喩表現は少し強いニュアンスを持ち、「(倫理的・社会的な)一線を越える」イメージになります。
- 口語と文章のどちらでも使われます。フォーマルとカジュアルの両方に対応できますが、ビジネス文書では「横断する」を “cross” だけでなく “pass through” や “go across” に書き換える場合もあります。
- 物理的に“横断する”場合はカジュアルな会話でよく使います。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- S + cross + 場所/物
- 例: “We crossed the river.”(私たちは川を渡った)
- 例: “We crossed the river.”(私たちは川を渡った)
- S + cross + over + 場所
- 例: “They crossed over the bridge.”(彼らは橋を渡った)
- 例: “They crossed over the bridge.”(彼らは橋を渡った)
- It crosses one’s mind (イディオム的表現; 「~の頭に浮かぶ」)
- 例: “It never crossed my mind to call him.”(彼に電話するなんて思いつかなかった)
- S + cross + 場所/物
可算・不可算など
- 動詞 “to cross” は他動詞としても自動詞としても使えますが、目的語がない場合は「何かを横切る対象」や「境界を越える対象」が省略されているニュアンスになります。
- 他動詞の例: “I crossed the street.”
- 自動詞の例: “When we reached the bridge, we crossed.”(私たちは橋に着いたとき、渡った)
- 名詞“I saw a cross on the wall.”(壁に十字架が見えた)の場合は加算名詞です。
- 動詞 “to cross” は他動詞としても自動詞としても使えますが、目的語がない場合は「何かを横切る対象」や「境界を越える対象」が省略されているニュアンスになります。
フォーマル/カジュアル
- 口語・会話: “Let’s cross the street here.” (ここで通りを渡ろう)
- ビジネス文章でも“cross”はそのまま用いられることが多いですが、注意深く文脈を整えることが大事です。
- 口語・会話: “Let’s cross the street here.” (ここで通りを渡ろう)
5. 実例と例文
5.1 日常会話(カジュアル)
- “Let’s cross the street and get a coffee.”
(通りを渡ってコーヒー買いに行こうよ。) - “I got lost in town and ended up crossing the same bridge twice!”
(街で迷って、同じ橋を二回も渡っちゃったよ!) - “It just crossed my mind that we should invite Lisa.”
(リサも誘ったほうがいいんじゃないかって、今ふと思ったよ。)
5.2 ビジネスシーン(フォーマル~中程度)
- “We need to cross the departmental boundaries to improve communication.”
(コミュニケーションを改善するためには、部門間の境界を越える必要があります。) - “Our team crossed the proposed deadlines several times due to unforeseen issues.”
(予期せぬ問題により、私たちのチームは提案された締め切りを何度か超過しました。) - “Before finalizing the contract, we must ensure that all legal requirements have been crossed off the checklist.”
(契約を最終決定する前に、すべての法的要件がチェックリストから消し込まれていることを要確認です。)
5.3 学術的・専門的場面
- “Researchers have attempted to cross genetic boundaries between species.”
(研究者たちは種間の遺伝的境界を越えようと試みてきました。) - “The expedition aimed to cross previously uncharted terrains.”
(その探検隊は、今まで踏破されたことのない地形を横断することを目的としました。) - “Mathematicians often cross disciplines such as physics and computer science to solve complex problems.”
(数学者は複雑な問題を解決するために、しばしば物理学やコンピュータ科学などの分野の境界を越えます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- pass (通り過ぎる)
- “pass”は通り過ぎるニュアンスが強く、必ずしも境界を越えるという意味には限定されません。
- “pass”は通り過ぎるニュアンスが強く、必ずしも境界を越えるという意味には限定されません。
- traverse (横断する, 遠くまで歩く)
- “traverse”は少しフォーマルで、広範囲を移動するイメージがあります。
- “traverse”は少しフォーマルで、広範囲を移動するイメージがあります。
- go across (横切って行く)
- “cross”をより会話的に分解したような表現で、基本的に同じ意味です。
- pass (通り過ぎる)
反意語
- remain (とどまる)
- “remain”はその場にいる、留まる意味で、「cross(移動)」の意味の逆となります。
- remain (とどまる)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /krɒs/ (イギリス英語), /krɔːs/ または /krɑːs/ (アメリカ英語)
- イギリス英語では「オ」に近い母音 /ɒ/ を使います。
- アメリカ英語では地域によって /krɔːs/ または /krɑːs/ と発音し、「クロース」「クラース」に近い音になります。
- イギリス英語では「オ」に近い母音 /ɒ/ を使います。
- アクセント(強勢): “cross”の一音節なので、特に強勢の移動はありません。
- よくある発音の間違い: 日本語の「クロス」のまま平坦に発音すると、英語の母音との違いで聞き取りにくくなる場合があります。舌や口の形を意識しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “cross” の最後の “-ss” を一つだけにする誤り (“cros”) に注意。
- 同音異義語との混同: “cross” と “cloth” や “crowd” など、スペルも発音も似ていないので大きな混同は少ないですが、発音が似通ってくる地域差もあるため要注意。
- 試験対策(TOEIC・英検など): “cross the street” や “cross the border” のような基本的フレーズとして出題される機会が多いです。「(頭を)よぎる」というイディオム “cross one’s mind” も頻出表現です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 覚え方のイメージ:
- “+” の形(十字)を連想すると“横切る”イメージがつかみやすいでしょう。
- “クロスワード (crossword)” を思い出すと“交差”の概念や縦横に行き来する感覚を思い出せます。
- “+” の形(十字)を連想すると“横切る”イメージがつかみやすいでしょう。
- 勉強テクニック:
- “cross off a list” のように「リストから消す」、 “cross the line” のように「一線を超える」など、たくさんのフレーズで練習すると自然に定着しやすいです。
- “cross”の過去形 “crossed” は “t” サウンドを弱めに発音しがちなので、自分で声に出して練習しましょう。
- “cross off a list” のように「リストから消す」、 “cross the line” のように「一線を超える」など、たくさんのフレーズで練習すると自然に定着しやすいです。
勉強を進めるうちに、単純な “渡る” だけでなく、比喩的な “越える” ニュアンスでも“cross”は頻繁に登場します。さまざまなフレーズやコロケーションを通して、“cross”の使い方を習得してみてください。
(信仰のしるしとして)〈人・自分〉‘に'十字を切る
…'を'交差させる(する)
…‘に'交差させて線を引く;《英》〈小切手〉‘に'線引きする;…'を'横線(×印)をつけて消す《+名+out(off),+out(off)+名》
…'を'横切る,横断する,渡る
〈心〉'を'よぎる,‘に'ふと浮かぶ
…‘と'すれ違う,行き違う
…'を'妨げる,‘の'じゃまをする
…'を'交配する