元となった辞書の項目
weep
解説
以下では、動詞「weep」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: weep
品詞: 動詞 (Verb)
意味(英語): to cry, especially by shedding tears.
意味(日本語): 涙を流して泣くこと。感情が激しく揺さぶられて涙を流す際に使われる表現です。「cry」よりも文学的または強い悲しみのニュアンスがある場合によく使われます。
「weep」は、「cry」よりも少し文語的・感情的な響きのある単語で、特に深い悲しみや感情のこみ上げを表す時に使われることが多いです。
活用形
- 原形: weep
- 3人称単数現在形: weeps
- 現在分詞 / 動名詞: weeping
- 過去形: wept
- 過去分詞: wept
他の品詞形
- 「weeping」(形容詞的用法)
例) “a weeping widow” (泣き伏す未亡人) - 「weeping」(名詞的用法・文語的)
例) “the sound of weeping” (泣き声)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 「cry」という単語の方がA1–A2レベルで出やすいですが、「weep」はより文学的表現として扱われることが多いため、B2レベルでのボキャブラリーとしておすすめです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「weep」は、はっきりした接頭語や接尾語のない単語です。
- 語幹: weep
詳細な意味
- 涙を流して泣く
- 「涙」以外の液体も「しみ出す、滴り落ちる」というニュアンスでも使われます(やや文語的・比喩的)。
関連語や派生語
- 「weeping」(形容詞/名詞): 泣いている状態、あるいは泣くこと。
- 「weepy」(形容詞): 泣きそうな、涙もろい。
よく使われるコロケーション(10個)
- weep bitterly (激しく泣く)
- weep quietly (声を殺して泣く)
- weep tears of joy (嬉し涙を流す)
- weep uncontrollably (制御不能なくらい泣く)
- weep for someone (誰かのために泣く)
- weep in despair (絶望のあまり泣く)
- weep at the sight of ~ (~を見て泣く)
- weep with relief (安堵して涙を流す)
- weep all night (一晩中泣く)
- weep over a loss (失ったものを嘆き泣く)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「weep」は、古英語の “wēpan” に由来し、さらにゲルマン祖語から派生したと考えられています。古くから「泣く」「嘆く」という意味で用いられてきました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 「cry」よりも文学的・感情的な響きが強いです。悲劇的な場面や深い悲しみ、または強い喜び(「喜びの涙」のようなニュアンス)で使われることが多いです。
- 口語でも使われますが、カジュアルな場面では「cry」の方が頻度が高いです。
- 「weep」は小説や詩、感情的なスピーチなどで見る機会が多い単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 自動詞的な使い方: 主語が自らの意思で泣く場合に用います。
例: “She wept all night.” - 他動詞的な使い方(やや古風): 目的語をとることもありますが、現代ではあまり一般的ではありません。
例: “They wept their lost youth.” (失われた若さを嘆いた) – 文語的・古風な表現
一般的な構文やイディオム
- “weep for + 人/物” : ~のために泣く
- “weep over + 出来事” : ~に嘆き悲しむ
- “weep with + 感情” : ~の感情とともに泣く
フォーマル / カジュアル
- フォーマル寄り・文学的表現: 「weep」
- カジュアル: 「cry」
5. 実例と例文
さまざまな文脈で3つずつ例文を挙げます。
1) 日常会話 (カジュアルなシーン)
- “I just watched a sad movie and ended up weeping.”
(悲しい映画を観て、つい泣いてしまったんだ。) - “He wept when he read her farewell letter.”
(彼は彼女の別れの手紙を読んで泣いた。) - “She was so happy to see her dog recover that she wept tears of joy.”
(彼女は犬の回復を見て、嬉しさのあまり涙を流した。)
2) ビジネス (ややフォーマルなシーン)
- “Our CEO’s heartfelt speech made some employees weep.”
(社長の心のこもったスピーチで、涙を流す社員もいた。) - “When the company announced layoffs, several staff members began to weep.”
(リストラが発表された時、何人かのスタッフが泣き始めた。) - “He tried not to weep during the farewell ceremony for his longtime colleague.”
(長年の同僚の送別会で、彼は泣くまいと努めた。)
3) 学術的・文語的な文脈
- “In literature, the protagonist often weeps to symbolize profound despair.”
(文学作品では、主人公は深い絶望を象徴するためにしばしば泣く描写がある。) - “The historian noted how citizens openly wept at the sight of their war-torn city.”
(歴史家は、市民が戦災にあった街の様子を見て公然と涙を流した様子を記録していると述べた。) - “In this poem, the willow seems to weep along with the sorrowful narrator.”
(この詩では、柳の木が悲しみに沈んだ語り手と共に泣いているように描かれている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- cry (泣く)
・最も一般的な「泣く」を表す動詞。カジュアルで日常的。 - sob (すすり泣く)
・声を詰まらせてしゃくり上げるように泣くイメージ。 - bawl (大声で泣く)
・子供が大声で泣きわめくようなイメージ。
【ニュアンスの違い】
- “weep” は深い感情や厳かな雰囲気を伴う、やや文語的表現。
- “cry” は一番多用されるカジュアルな表現。
- “sob” は涙と共に声も詰まるような激しい泣き方。
- “bawl” は大声・わめくような泣き方。
反意語
- laugh (笑う)
意味が正反対ですが、感情の発露という点では頻繁に対比されます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /wiːp/
- アメリカ英語: wíːp
- イギリス英語: wiːp
- アクセント: 「weep」の1音節目“weep”全体に強勢がきます。
- よくある間違い: 語末の “p” をあいまいにして “wee” だけにならないように注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「wee」と書きかけてしまう(“wee”は別の意味で「小さい」という形容詞)。
- 同音異義語: とくに “week” (週) と発音を混同しないように。/wiːk/ と /wiːp/ は子音が異なります。
- 試験対策: TOEICや英検では、文学的表現や感情表現に関わる設問で「weep」が “cry” の同義語として出題されることがあります。また、句動詞やイディオムと混用される場合があるので注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「weep」という単語はつづりが短いわりに発音の最後に “p” があるので、語尾をしっかり意識して覚えると良いです。
- 「cry」との違いは「しめやかに涙を流す」といった雰囲気。「ウィープ(weep)」はちょっと古風で、神秘的・感情的に聞こえるイメージがあります。
- 聖書の一節「Jesus wept.(イエスは泣いた)」は非常に有名で、最も短い節のひとつとして知られ、例文として覚えやすいです。
以上が、動詞「weep」の詳細な解説です。「cry」よりも文語的かつ深く悲しみを表現する印象があるので、文学や詩、スピーチなどでよく見かける単語です。感情を深く表したいとき、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
涙を流す,泣く
意味(2)
(…を)悲しむ嘆く,《+over(for)+名(doing)》
意味(3)
〈傷口などが〉液体を分泌する;《文》水をしたたらせる
意味(4)
〈涙〉‘を'流す
意味(5)
〈人,自分〉‘に'涙を流させる:《weep+名+副(窃)…に涙を流させ…にする》
意味(6)
《文》〈事〉‘に'涙を流す,‘を'悲しむ