元となった辞書の項目
part
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: to separate or divide; to leave or go away from someone or something
- 日本語: 「分かれる」「別れる」「分割する」などの意味を持ちます。たとえば、誰かとの関係や道を「別れる」「分かれて進む」というニュアンスで使われる動詞です。日常会話では「別れる」とか「分かれて進む」といった状況でよく登場します。
品詞
- 動詞 (verb)
活用形
- 原形: part
- 三人称単数現在形: parts
- 過去形・過去分詞形: parted
- 進行形 (動名詞) / 現在分詞形: parting
他の品詞形
- 名詞: part(部分、一部、役割、など)
例)He played a small part in the play.
CEFRレベルの目安
- B1(中級): 「part」は名詞として使われる頻度が高いですが、動詞としての「part」は日常会話レベルでもよく耳にする単語です。B1レベルで、文章中や会話中に「お別れする」「分かれる」といった表現として理解・使用できると良いでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: part
ラテン語の“pars(部分)”が由来とされます。そこから派生した形で、「分ける」という意味合いに発展しました。
派生語や類縁語
- participate(動詞):「参加する」
- partial(形容詞):「部分的な」「不完全な」
- partition(名詞/動詞):「仕切り」「分割する」
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- part ways with …(…と道を分かれる)
- part company(別々の道を行く、分かれる)
- part hair(髪を分ける)
- part from someone(誰かと離れる)
- part on good terms(良い関係のまま別れる)
- part with something(何かを手放す/別れを告げる)
- part peacefully(穏やかに別れる)
- part forever(永遠に別れる)
- part at the crossroad(岐路で分かれる)
- part over differences(意見の相違によって別れる)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語“pars(部分)” → 古フランス語“partir(分ける、別れる)”を経て英語に入ったとされています。
- 元々は「分割する」という物理的な意味合いでしたが、そこから広く「別れる」「離れる」という抽象的な意味に派生しました。
ニュアンス・使用時の注意
- フォーマルかカジュアルか: 「part ways」はややフォーマルにも聞こえますが、日常会話でも使われます。あまりフレンドリーな別れ方を示すわけではない可能性があるため、相手や状況によってはニュアンスに注意が必要です。
- 感情的には「別離」や「分かれ」を意味し、慎重な使い方が必要な場合もあります。
- 文章でも口語でも比較的頻繁に登場しますが、とくに「part ways」は書き言葉・話し言葉の両方で使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 + 自動詞:
- 「場面・人から離れる」:自動詞的に用いて「part from …」の形で使うことが多いです。
- 「何かを分ける・手放す」:他動詞として「part with …」の形でよく使われ、「手放す」「譲る」のニュアンスを含みます。
- 「場面・人から離れる」:自動詞的に用いて「part from …」の形で使うことが多いです。
- 名詞としては可算/不可算の使い分けがありますが、動詞は「part」のみ、時制に応じて形が変わります。
一般的な構文やイディオム
- part ways with someone: 「(意見や進む道が違うため)人と離れる/別れる」
- part from someone: 「誰かと(物理的・感情的に)分かれて進む」
- part with something: 「惜しんで何かを手放す」
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “We decided to part after the movie.”
(映画の後、私たちはそれぞれ別れることにしました。) - “Let’s meet again soon—sorry we have to part so early.”
(またすぐ会おうね。こんなに早く別れなきゃならなくてごめん。) - “I always part my hair in the middle.”
(私はいつも髪の毛を真ん中で分けています。)
ビジネスシーンでの例文
- “After finalizing the contract, we parted on good terms.”
(契約を締結した後、良好な関係のまま別れました。) - “The company decided to part ways with the underperforming subsidiary.”
(会社は業績不振の子会社と分かれる決断を下しました。) - “We parted from our long-time supplier due to cost inefficiencies.”
(コスト面の非効率性が理由で、長年の仕入先とは別れることになりました。)
学術的・研究系の例文
- “In the study, researchers parted the sample group into two categories.”
(研究では、サンプル群を2つのカテゴリーに分けました。) - “We must part theoretical assumptions from empirical data.”
(理論的仮説と実験データを分けて考えなければなりません。) - “Upon reviewing the methodology, the team decided to part from the original hypothesis.”
(方法論を再検討した結果、チームは当初の仮説を放棄することを決定しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- separate(分ける、別れる)
- “separate”は「切り離す」という物理的または抽象的なニュアンス。「part」は「離れる」「別々になる」という意味が強い。
- “separate”は「切り離す」という物理的または抽象的なニュアンス。「part」は「離れる」「別々になる」という意味が強い。
- split(分割する、分裂する)
- “split”は「一つのものを複数に分ける」イメージ。 “part”よりも「力を加えて分ける」感じが強い場合が多い。
- “split”は「一つのものを複数に分ける」イメージ。 “part”よりも「力を加えて分ける」感じが強い場合が多い。
- divide(分割する)
- “divide”は数学的・論理的に物事を分割するニュアンス。 “part”も「分割する」意味はあるが、もう少し口語的に「別れる」という意味でよく使われる。
反意語
- unite(結合する)
- join(結合する、参加する)
“part”の反対は「一つになる」「結びつく」というイメージです。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /pɑːrt/ (アメリカ英語: /pɑrt/), (イギリス英語: /pɑːt/)
- アメリカ英語では “r” をしっかり発音し、[パート]に近い音。イギリス英語では “r” の音が弱く、[パート]という響きになりますが、アメリカ英語よりも母音がやや長めに感じられる場合があります。
- よくある間違いとして、 /pært/(パェート) のように発音しないよう気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “part” は短い単語ですが、“park” や “past” と混同しないように注意しましょう。
- 同音異義語との混同: “part”と“port”はスペルも発音も違いますが、早口や聞き取りの際に混同しやすいことがあります。
- 試験対策: TOEICや英検では、熟語の「part with something」や「part ways with someone」などの表現、あるいは文脈に合わせて「分かれる」「離れる」意味を正しく選択肢で選べるかどうかが出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源からイメージ: “part”は「部分(pars)」が起点→何かを「部分にする=分ける」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 覚え方のコツ: 「部品(parts)は分かれたもの」というイメージで、動詞も「分ける」「別れる」とリンクさせると混乱しにくくなります。
- 実際に使ってみる: 自分の髪をとかす時に「I part my hair in the middle.」など、身近な行動と関連付けると定着しやすいでしょう。
以上が、動詞「part」の詳細解説になります。普段は名詞として目にすることが多い単語ですが、動詞としての使い方もぜひ覚えて活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
別れる
意味(2)
(物を)手放す,処分する《+with+名〈物〉》
意味(3)
(二つ以上の部分に)分かれる
意味(4)
(…から)…を引き離す,分ける《+名+from+名》
意味(5)
…‘を'二つに(部分に)分ける;(各部分に)‘を'分ける)《+名+into(in)+名》