free
以下では、英単語「free」を「動詞」としてできるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: free
品詞: 動詞 (他に形容詞・副詞の用法もあり)
活用形:
• 原形: free
• 三人称単数現在形: frees
• 過去形: freed
• 過去分詞形: freed
• 現在進行形: freeing
意味 (英語): to release someone or something from confinement, captivity, or other restrictions.
意味 (日本語): (人や物を)自由にする、解放する、(束縛・制限などから)解き放つ。
「誰かを束縛や制限から解き放す」というニュアンスの動詞です。たとえば「檻の中の動物を放してやる」「組織から人を解任して自由にする」などの場面で使われます。日常会話でもビジネスや公の場でも、「物理的に解放する」だけでなく「使えるようにする」「時間を空ける」という少し広いニュアンスでも使われます。
CEFRレベル目安:
• A2(初級)~B1(中級)レベル:
- 「誰かを解放する」という基本用法が理解できればコミュニケーションには十分であり、比較的早めの段階で学習する単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「free」は古英語「frēo」から派生した言葉です。接頭語や接尾語が付いている形ではありませんが、もともとは「自由」「束縛のない」という意味を含む語幹です。
ほかの品詞での関連語
- 形容詞: free(自由な、無料の)
- 副詞: free(自由に、無料で)
- 名詞: freedom(自由)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- free someone from prison
(誰かを刑務所から解放する) - free up space
(スペースを空ける) - free up time
(時間を空ける) - free the hostages
(人質を解放する) - free yourself from doubt
(疑念から自分を解放する) - free a country from oppression
(国を圧政から解放する) - free someone of charges
(罪状を免除する) - feel free to do something
(遠慮なく何かをする・自由に何かをしてよい) - set someone free
(誰かを自由にする) - free a blocked drive / free a blocked passage
(塞がれた通路・抜け道を確保する)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古英語「frēo」から来ており、「拘束されていない」「自分の意志が統制されない」という意味があります。さらにさかのぼると、ゲルマン祖語で「愛する」「好意」を表す要素も含んでいたとされます。
ニュアンス・使用時の注意:
- 「物理的に解放する」だけでなく、「心や考えを解放する」「時間やリソースを空ける」といった抽象的な用法でも使われます。
- カジュアルな場面では「フランクに使ってOK」ですが、ビジネスやフォーマルなシチュエーションでも常用される、広範囲で使いやすい単語です。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 / 自動詞:
- 「free」は基本的に「誰か(何か)を解放する」と目的語をとるため、他動詞として使われることが多いです。
- ただし表現によっては受動態や「set someone free」のように補語構文が含まれる場合もあります。
- 「free」は基本的に「誰か(何か)を解放する」と目的語をとるため、他動詞として使われることが多いです。
一般的な構文:
- free + 目的語 + from + 名詞
例: The organization freed the animals from the cage. - free + up + 目的語
例: I need to free up some time.(時間を空ける必要がある)
- free + 目的語 + from + 名詞
イディオム:
- set (someone) free: (人を解放する)
- feel free (to ~): (自由に~する、遠慮なく~する)
- set (someone) free: (人を解放する)
フォーマル/カジュアルの違い:
- 「free up time」「feel free to ~」などは、日常カジュアル表現でもビジネスメールでもよく見られます。
- 「liberate」や「emancipate」は「free」のフォーマル表現にあたります。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “Could you free up some space on the table for me?”
(テーブルの上を少し片付けてもらえる?) - “Feel free to use my laptop if you need it.”
(必要なら私のノートパソコンを自由に使っていいよ。) - “I need to free my mind of these worries.”
(この心配事を頭から追い払いたい。)
ビジネスシーン (ややフォーマル)
- “We need to free up additional resources for the new project.”
(新しいプロジェクトのために追加のリソースを確保する必要があります。) - “The manager decided to free one staff member from administrative duties.”
(マネージャーはあるスタッフを事務作業から解放する(業務変更する)ことにしました。) - “Feel free to contact us if you have any questions.”
(ご質問があればお気軽にご連絡ください。)
学術・公的な文脈 (フォーマル)
- “Efforts were made to free the political prisoners.”
(政治犯を解放するための取り組みがなされた。) - “New legislation aims to free local economies from excessive regulations.”
(新しい法案は地域経済を過度な規制から解放することを目指しています。) - “The study examined methods to free individuals from systemic barriers.”
(その研究では、個人を制度的障壁から解き放つ方法を検証した。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- release(解放する)
- 物理的・精神的な束縛から解放する意味。
- “He was released from prison.”
- 物理的・精神的な束縛から解放する意味。
- liberate(解放する)
- 比較的フォーマルで、政治的・社会的な oppression からの解放でよく使う。
- “They were liberated by the allied forces.”
- 比較的フォーマルで、政治的・社会的な oppression からの解放でよく使う。
- emancipate(解放する)
- さらにフォーマルで、法律や社会制度からの解放に用いる。
- “Slaves were emancipated in the 19th century.”
- さらにフォーマルで、法律や社会制度からの解放に用いる。
- set free(自由にする)
- イディオム的に「free」とほぼ同義。
- “He set the birds free.”
- イディオム的に「free」とほぼ同義。
反意語 (Antonyms)
- imprison(投獄する)
- confine(閉じ込める)
- restrain(拘束する、抑制する)
- capture(捕らえる)
いずれも「閉じ込める」「拘束する」という意味なので、「free」の正反対になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /friː/
- アメリカ英語: [friː](フリー)
- イギリス英語: [friː](同じくフリー、アメリカ英語と大きな差はありません)
- 一般的に母音は「イー」と長めに伸ばす発音です。
- アクセントは1音節のため単語全体に置かれ、ほぼ同じ強さとなります。
- よくある誤りとして “fee” (/fiː/) と混同しないように注意が必要。
- fee → /fiː/(「料金」)
- free → /friː/(先頭に/f/ + /r/が入る)
- fee → /fiː/(「料金」)
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「free」を「flee」と書き間違えないように注意。「flee」は「逃げる(動詞)」の意味。
- 発音の混同: 上記の通り、fee (/fiː/) と紛らわしい。
- 「for free」は「無料で」という意味の慣用的な表現。試験でもよく出題されるため覚えておきたい。
- TOEICや英検などでも、「feel free to contact us」のフレーズや「free up some space/time」の表現が出題されることがある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「フリー」のカタカナ表記に慣れてしまうと、feeとの区別が曖昧になるため、/f/ + /r/の舌の動きをしっかり意識して発音を練習しましょう。
- 視覚イメージとして、「鳥かごから鳥が飛び立っていく」シーンを思い浮かべると「誰か(何か)を自由にする」という動詞の意味が定着しやすいです。
- 短い単語なので、形容詞「free」との区別を文脈で覚えるのもポイントです(“to be free” は形容詞、“to free someone” は動詞)。
以上が、動詞「free」の詳細解説です。使いこなすことで、英語の表現力がより広がりますので、ぜひ例文とあわせて練習してみてください。
〈他〉《…から》〈人・国など〉を自由にする, を解放する《from ...》
(困難などから)〈人〉‘を'救う《+名+form+名》
(障害などを)〈人・物〉‘から'取り除く《+名+of(from)+名》
(物を)…‘から'片付ける,外す《+名+of+名》