元となった辞書の項目
file
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: file
品詞: 動詞 (他にも名詞の用法があります)
CEFRレベル目安: B1 (中級)
- 「file」は「書類などを正式に提出する」「(書類を)整理して保管する」「行列を作って進む」などを表す動詞です。
- 日本語でいうと「提出する」「保管する」「一列に進む」といったニュアンスです。 「申し立てをする」「訴えを起こす」という意味で使われることもあります。オフィスや法廷など、公式の場面から日常的な文脈まで幅広く使われる単語です。
活用形
- 原形: file
- 三人称単数現在形: files
- 現在分詞・動名詞: filing
- 過去形・過去分詞: filed
他の品詞になった例
- 名詞: a file (書類や情報をまとめたもの、またはコンピュータ上のファイル)
- 形容詞的表現は通常見られないが、「file-sharing(ファイル共有)」のように複合名詞として使われるケースあり
2. 語構成と詳細な意味
「file」は短い単語で、特定の接頭語や接尾語がついているわけではありません。
派生語や類縁語
- filing (noun): 書類整理、登録、提出物
- defile (verb): 「一列になって通る(軍事的に使われることも)」「汚す」の意も。ただしこちらは別の語源混在で、ややこしいため注意。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ10選
- file a complaint(苦情を申し立てる)
- file a lawsuit(訴訟を起こす)
- file an appeal(控訴する/上訴する)
- file for divorce(離婚を申請する)
- file a report(報告書を提出する)
- file taxes(納税申告をする)
- file away documents(書類を整理して保管する)
- electronic filing(電子的な提出・保存)
- file out of the room(部屋から一列になって出る)
- file in(一列になって入る)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「file」はラテン語の「filum(糸)」に由来しているとされます。古いフランス語や中英語を経て、「列に糸でつなげるイメージ」→「整理・提出・縦に並ぶ」といった意味合いが派生しました。
- ニュアンス:
- 公的書類や事務手続きを連想させるため、ビジネスや法的な場面で頻繁に用いられます。
- 行列を作るという意味では、フォーマルにもカジュアルにも使われますが、実際には「file in/out」と短いフレーズで使われることが多いです。
- 口語でも見かけますが、公的手続きについてはフォーマルな響きで使われやすい傾向があります。
- 公的書類や事務手続きを連想させるため、ビジネスや法的な場面で頻繁に用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞として: 「書類などをファイリングする」「(書類を)提出する」
例: “They filed the documents in the cabinet.” - 自動詞として: 「一列に進む」
例: “The children filed into the classroom.”
一般的な構文・用法
- file + 名詞: “file a complaint”, “file a tax return”
- file + 前置詞 + 場所: “file into the auditorium”, “file out of the building”
- ビジネスシーンでは特に file a report, file taxes のように「公的・公式に提出する」意味でよく使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I need to file my papers away before I lose them.”
(書類をなくす前にきちんと整理しないと。) - “Could you file these receipts for me?”
(これらのレシートをファイリングしてもらえる?) - “We all filed out of the theater when the movie ended.”
(映画が終わると、私たちは皆一列になって劇場から出た。)
ビジネスシーンでの例文
- “I’m going to file this report today for the quarterly review.”
(四半期レビューのために、この報告書を今日中に提出します。) - “They decided to file a patent for their new invention.”
(彼らは新しい発明のために特許を申請することにした。) - “Make sure to file these invoices under the correct category.”
(これらの請求書を正しいカテゴリにファイリングしておいてね。)
学術的・フォーマルな文脈での例文
- “The researcher filed the data in an online repository.”
(研究者はデータをオンラインのリポジトリに登録した。) - “He filed an appeal regarding the rejected grant application.”
(彼は却下された助成金申請について上訴を行った。) - “Participants were asked to file into the lecture hall promptly.”
(参加者は速やかに講義室へ一列になって入るよう求められた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- submit(提出する)
- より「上に差し出す」公的または公式感が強い。
- より「上に差し出す」公的または公式感が強い。
- organize(整理する)
- 大まかに「整理する」という意味合いで使う。ただし「書類を提出する」意味は含まない。
- 大まかに「整理する」という意味合いで使う。ただし「書類を提出する」意味は含まない。
- lodge(苦情・申し立てなどを提出する)
- 英国などで「正式に申し立てを行う」のに使われるフォーマルな単語。
- 英国などで「正式に申し立てを行う」のに使われるフォーマルな単語。
反意語
- discard(捨てる)
- ignore(無視する)
- withdraw(取り下げる)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /faɪl/
- アメリカ英語とイギリス英語でほぼ同じ発音です。
- 一音節で「ファイル」と発音します。
- よくある間違い: 「fail (失敗する) /feɪl/」と混同されがちなので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “file” と “fill” の混同。「i」と「l」の数に注意。
- 同音異義語: “phial” (小瓶) や “phile” (語尾 -phile 好き者の意) は発音が似ていますが、まったく別の意味です。
- 試験対策:
- TOEICや英検などでは「file a complaint」「file for bankruptcy」などセットフレーズで問われることが多いです。
- 書類提出や公式手続き関連の語彙として覚えておくのがおすすめです。
- TOEICや英検などでは「file a complaint」「file for bankruptcy」などセットフレーズで問われることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「書類ケースのファイル」を連想すると、「書類をまとめる・提出する」という動詞の意味がイメージしやすいです。
- 「filing」作業は、糸で書類を通す昔のイメージから派生していると覚えると記憶に残りやすいです。
- 「行列を作る」の意味は「書類が順番に並んでいる状態」と関連づけるとイメージしやすいでしょう。
以上が、動詞「file」の詳細解説です。オフィス業務や公式手続きなど、実生活で頻繁に出会う単語なので、ぜひ覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈書類など〉‘を'ファイルに入れる,整理する
意味(2)
〈書類など〉‘を'提出する;…‘を'申し出る
意味(3)
(…を)出願する,申し込む《+for+名》