元となった辞書の項目
lay out
解説
以下では、句動詞「lay out」をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “to lay out”
- 日本語: 「配置する」「設計する」「説明する」「お金を費やす」などの意味を持つ句動詞。
たとえば、部屋の家具をきれいに並べるときに「lay out the furniture」と言ったり、計画を詳細に説明するときに「lay out the plan」と言います。日常的な場面から、ビジネス文書や会議でのプレゼンなど幅広く使われる表現です。
品詞
- 句動詞(Phrasal Verb): 動詞 “lay” + 副詞 “out” の組み合わせ
活用形
- 原形: lay out
- 3人称単数現在形: lays out
- 過去形: laid out
- 過去分詞形: laid out
- 現在分詞形: laying out
他の品詞への変化例
- 名詞形: layout (ハイフンなしで一語、「レイアウト」)
- 例: The layout of the page is quite clear. (ページのレイアウトがとてもわかりやすい)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
- 「lay out」は基本的な単語の組み合わせで理解できる一方、ニュアンスや使い方が多岐にわたるため、ある程度の語彙力が必要となります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- lay (置く・敷く) + out (外へ・広げて)
「外に広げて置く」がベースのイメージ。
詳細な意味・用法
- 物を配置する、並べる
- 例: lay out the tools on the table (テーブルの上に道具を並べる)
- 設計・構想する、計画を立てる
- 例: lay out a plan (プランを策定する)
- 説明する、示す(特にわかりやすく整理して)
- 例: lay out the details (詳細を説明する)
- (お金を)費やす
- 例: lay out a large sum of money (大金をつぎ込む)
- (口語的に)殴って倒す、打ちのめす
- 例: He was laid out by one punch. (一発で倒された)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- lay out a plan → プランを策定する
- lay out a budget → 予算を組む・予算を提示する
- lay out the tools → 道具を並べる
- lay out the blueprint → 設計図を広げる/示す
- lay out the foundation → 基礎を築く/考えを提示する
- lay out the garden → 庭を設計する
- lay out one’s ideas → 考えを整理して示す
- lay out a timeline → スケジュールを組む
- lay out all the options → 選択肢をすべて提示する
- lay out money for something → 何かにお金を出す
3. 語源とニュアンス
語源
- 「lay」は古英語 “lecgan”(置く・寝かせる)に由来します。
- 「out」は古英語 “ut”(外に)に由来し、「外に広げる」イメージを補強します。
- 組み合わさることで、「外に並べて見せる・敷く」→「配置・設計・説明する」と意味が広がってきました。
ニュアンス・注意点
- 基本的には「計画・説明・配置」など、整理して示すイメージ。
- お金を費やす含みは文脈による。
- 「殴って倒す」意はやや口語的・カジュアルです。
使用シーン
- 文章、スピーチ、会議、プレゼンテーション、日常会話まで広範囲で使用。
- 「knock someone out」と同様に「laid out flat on the ground」のときはかなりカジュアル・口語的です。
4. 文法的な特徴と構文
- 「lay out + 目的語」の形で、他動詞的に使われるのが基本です。
- 例: She laid out the documents clearly.
- 例: She laid out the documents clearly.
- 目的語が代名詞の場合は分割できる(目的語を間に挟める)。
- 例: She laid them out on the table. (OK) / She laid out them on the table. (やや不自然)
- 多くの場合「them」を“lay”と“out”の間に置くほうが好まれます。
- 例: She laid them out on the table. (OK) / She laid out them on the table. (やや不自然)
- フォーマル/カジュアルどちらでも使われるが、口語では「設計」「費やす」以外にも「打ちのめす」の意味をとることがあるため注意が必要。
- 名詞形の “layout” は可算名詞として使われる場合が多いです。
- 例: The layout of this magazine is quite appealing. (可算名詞)
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “Could you lay out the tableware before our guests arrive?”
(お客さんが来る前に食器を並べてくれる?) - “I need to lay out my clothes for tomorrow’s trip.”
(明日の旅行のために服を準備しておかなくちゃ。) - “He laid out all his cards on the table and confessed everything.”
(彼はすべてを包み隠さず話したよ。比喩的表現)
(B) ビジネスでの例文
- “We should clearly lay out our marketing strategy for the next quarter.”
(次の四半期に向けて、マーケティング戦略を明確に提示する必要がある。) - “Could you lay out a timeline for the new project launch?”
(新しいプロジェクトの開始に向けたスケジュールを組んでもらえますか?) - “They have laid out a detailed financial plan to secure funding.”
(資金調達を確保するため、彼らは詳しい財務計画を策定しました。)
(C) 学術的な文脈での例文
- “This paper lays out the theoretical framework for our study.”
(この論文は私たちの研究の理論的枠組みを提示しています。) - “He laid out the historical context first to support his argument.”
(彼は主張を裏付けるために、まず歴史的背景を提示しました。) - “The researcher will lay out the methodology in the following section.”
(研究者は次のセクションで研究手法を示します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “arrange” (配置する / 準備する)
- “Arrange” は物の配置だけでなく、人との約束や予定を「整える」ニュアンスにも使います。
- “lay out” はより「広げて並べる」イメージが強い。
- “Arrange” は物の配置だけでなく、人との約束や予定を「整える」ニュアンスにも使います。
- “set out” (準備して始める / 明示する)
- “Set out” は主に「旅に出る」「計画を始める」というニュアンスにも使われます。
- “lay out” は「見せる・方針を明確にする」ニュアンスが強い。
- “Set out” は主に「旅に出る」「計画を始める」というニュアンスにも使われます。
- “map out” (全体像を示して計画する)
- “Map out” は特に「段取りを緻密に計画する」イメージ。
- “lay out” はもう少し広い意味で、並べる・示す・費用をかけるなど多義的。
- “Map out” は特に「段取りを緻密に計画する」イメージ。
反意語
- “conceal”(隠す)
- “lay out” は明確に見えるように並べたり説明したりするので、その反対は「隠す」や「伏せる」。
- “withhold”(保留する、留保する)
- “lay out” が情報を積極的に提示するイメージに対し、「withhold」は出し惜しみする感覚。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /leɪ aʊt/
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな変化はありませんが、
- アメリカ英語: [レイ アウト]寄りの口の開きがやや大きい
- イギリス英語: [レイ アウト]もほぼ同じ。 “out” がやや /aʊ/ で少し短めになる場合も。
- アメリカ英語: [レイ アウト]寄りの口の開きがやや大きい
- アクセントは「lay」の部分に自然に強勢が置かれ、“out”もはっきりと発音されます。
- 間違いがちなのは “lie out” と混同すること。“lie” と “lay” は異なる動詞ですので要注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “lay out” と “layout” の区別
- “layout” は名詞として一語で使われる。
- “lay out” は動詞句として分けて使われる。
- “layout” は名詞として一語で使われる。
- “lie”と“lay”の混同
- “lie out” という表現は一般的ではない。
- “lie” (横になる) と “lay” (〜を置く) の区別は大切。
- “lie out” という表現は一般的ではない。
- TOEICや英検では、計画や説明をする文脈で「lay out a plan / approach」として出題されることがある。
- ビジネス文脈や意図を説明する文脈で役立つ表現。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “lay + out” → 直訳すると「外に置く・広げる」。
- 机の上に物を並べて広げるイメージや、頭の中の考えを外に広げて見せるイメージで覚えるとわかりやすいです。
- “Layout” が「デザインや配置」という名詞になった理由も、「外へ広げて見せる」イメージから来ています。
以上が「lay out」の詳細な解説です。並べる、広げる、見せるといったイメージをつかむと覚えやすいので、ぜひ参考にしてください。
意味のイメージ
意味(1)
を明確に説明する
意味(2)
を並べる, を広げる