元となった辞書の項目
in a sense
解説
1. 基本情報と概要
英語表記: in a sense
日本語訳: 「ある意味では」「ある程度」「言ってみれば」
「in a sense」は、物事をやや限定的に捉えたり、特定の観点から考えたときに「こういう解釈もできる」というニュアンスを伝えるための表現です。ちょっと遠回しに、直接的ではないけれど、ある意味でそうとも言える、といったニュアンスがあります。
- 品詞: 慣用句・副詞句 (Phrase / Adverbial phrase)
- 活用形: 固定フレーズのため動詞のように活用しません。
- 他の品詞形: 「sense」は名詞ですが、「in a sense」はフレーズとして使われます。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
※日常会話でも使われますが、微妙なニュアンスを伝えられるようになると、語学レベルとしては中上級以上の表現になります。
2. 語構成と詳細な意味
- in: 「~の中に」「~の状態で」を表す前置詞
- a: 不定冠詞(ここでは「単一の」というよりも慣用的につながっています)
- sense: 「感覚」「意味」「見方」「解釈」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10選)
- in a sense, it’s true.
- ある意味では、それは本当だ。
- in a broader sense
- より広い意味では
- in a literal sense
- 文字通りの意味では
- in a figurative sense
- 比喩的な意味では
- in some sense(s)
- ある種の意味では
- in a real sense
- 実際のところは
- in no sense
- 決して~でない
- in every sense of the word
- あらゆる意味で
- in the strict sense
- 厳密な意味では
- in a certain sense
- ある意味では
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「sense」はラテン語の「sentīre(感じる)」から派生し、古フランス語を経由して英語に入ったとされています。「in a sense」は「ある感覚・観点の中では」というところから、「ある意味では~」という意味合いに発展しました。
- ニュアンス: 「完全にそうだと言い切れないが、ある特定の角度や観点から見れば」という遠回し・控えめな言い方です。直截的ではなく、柔らかいニュアンスを持ちます。
- 使用時の注意:
- 口語・文章ともに使える柔軟な表現です。少し控えめに主張するときや、ニュアンスを和らげたいときに使われます。
- フォーマルすぎないので、ビジネス文書などでも比較的そのまま使えますが、より丁寧に表現するときは他のフレーズ(e.g., “to some extent”)を使うこともあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 文法: 前置詞句(in + a + sense)で構成され、文中では副詞句として機能します。
- 使用シーン: 一般的に文章にも口語にもよく出てきます。
- 可算・不可算: 「sense」は名詞ですが、ここでは「in a sense」という慣用句として固定しているため、可算・不可算の区別としては「sense」は可算名詞ですが、このフレーズ自体にはその区別を意識しなくて問題ありません。
- 典型的な構文例:
- In a sense, (主語 + 動詞 + …)
- (主語 + be動詞) + in a sense.
- In a sense, (主語 + 動詞 + …)
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “In a sense, I agree with you, but I still have some doubts.”
- 「ある意味ではあなたに賛成だけど、まだちょっと疑問があるよ。」
- “In a sense, it’s like you’re starting over.”
- 「ある意味では、あなたは一からやり直しているような感じだよ。」
- “It’s not cheating in a sense, but it feels unfair.”
- 「ある意味ではズルじゃないけど、不公平な感じがするね。」
ビジネスシーン(中程度のフォーマル)
- “In a sense, the new strategy addresses the market gap effectively.”
- 「ある意味で、この新しい戦略は市場の隙間を効果的に埋めています。」
- “Our product, in a sense, remains unique in the industry.”
- 「ある意味で、当社の製品は業界内でユニークな存在です。」
- “In a sense, we are restructuring to improve overall efficiency.”
- 「ある意味で、全体の効率化を図るために再編成を行っています。」
学術的な文脈(フォーマル)
- “In a sense, this theory provides a new perspective on the phenomenon.”
- 「ある意味で、この理論はその現象に新たな視点を与えます。」
- “The conclusion is valid in a sense, yet further research is clearly needed.”
- 「結論はある意味では正しいが、さらなる研究が明らかに必要です。」
- “In a sense, these findings underscore the importance of interdisciplinary approaches.”
- 「ある意味で、これらの発見は学際的アプローチの重要性を強調しています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- to some extent(ある程度は)
- 「in a sense」より“程度”に注目した言い方で、やや客観的な響きがある。
- in some way(何らかの意味で)
- より漠然とした表現で、意味・方法がはっきりしないニュアンス。
- sort of / kind of(ちょっとした、ある種の)
- 口語的でカジュアル。「曖昧だけどね」というニュアンスが強い。
- in a manner of speaking(言ってみれば)
- より丁寧かつ婉曲的な言い回し。
- in a way(ある意味で)
- 「in a sense」とほぼ同義。ただし、より日常的に使われることが多い。
反意語
- 「in a sense」の明確な反意表現はありませんが、強いて挙げるなら
- “absolutely”(絶対に)や “definitely”(はっきりと)は「ある意味では」ではなく「完全に」という対極のニュアンスになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪn ə sens/
- アメリカ英語: [ɪn ə sɛns]
- イギリス英語: [ɪn ə sɛns](大きな違いはありません)
- アメリカ英語: [ɪn ə sɛns]
- アクセント: 特定の単語に強いアクセントは置かれず、「in a sense」のまとまりとして軽く続けて発音します。「sense」の“S”音をはっきりと発音するのがポイントです。
- よくある間違い:
- “in sense”と“in a sense”を混同する。慣用句としては必ず“a”が入ります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “sence”や“scense”などと書き間違えないように注意。
- 同音異義語: “cents” (硬貨のセント)、“scents” (香り、匂い)、“sense” (意味、感覚) は同音異義語なので注意が必要です。
- 試験対策:
- TOEICや英検などで長文読解に出てくる場合は、「部分的に」というニュアンスを上手に捉えるのがポイントです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「in a sense」は「1つの見方(sense)の中に入って考えてみるイメージ」。位置関係を思い浮かべるとわかりやすいです。
- 覚え方: 「ある感覚の中に(in)1つ(a)の世界がある」という連想をすると、無理なく頭に入りやすいでしょう。
以上が「in a sense」の詳細解説です。物事を少し遠回しに、柔らかく表現したい時に、とても便利なフレーズです。ぜひ会話や文章で使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
ある意味では
意味(2)
ある程度までは,一面では