all too
以下では “all too” を、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
品詞: 副詞句 (intensifier / 強調表現)
主な意味(英語): “very” や “excessively” (過度に、あまりにも)
主な意味(日本語): 「あまりにも」「非常に」「とても」「過度に」など。
「all too」は、形容詞や副詞をさらに強めるために使われる表現です。通常「too(〜すぎる)」をさらに強調するときに用いられ、「想像以上に〜」「必要以上に〜」というニュアンスを強く示すときに便利です。
- 例: “The test was all too difficult.”(テストはあまりにも難しすぎた。)
なお、「all too」自体は「活用形」などを持ちません。あくまで「all」+「too」の組み合わせです。
また、「all」や「too」を単独で使うときの意味はそれぞれ異なりますが、組み合わさることで「過度の強調」を表す定型的な副詞句になります。
CEFRレベルの目安: B2 (中上級)
- A1 超初心者: 基本的な挨拶や数字など
- A2 初級: 短いフレーズでやり取りができる
- B1 中級: 日常会話の話題をこなせる
- B2 中上級: 抽象的な話題や複雑な文章もある程度理解できる
- C1 上級: かなり高度な話題も理解・発信できる
- C2 最上級: ほぼ母語話者と同等に使いこなせる
2. 語構成と詳細な意味
- all: 「すべて」「完全に」などを意味する単語ですが、ここでは“強調”の役割。
- too: 「〜すぎる」「あまりにも〜」といった、“過剰”を意味する単語。
この2つが合わさって「必要以上に・あまりにも過度に」という強めの意味を表します。
派生表現や類縁語
- too: 過剰・過度を表す
- far too:「はるかに〜しすぎる」という似た強調表現
- only too: 「とても〜だ(嬉しいほどに)」という肯定的強調(文脈で意味が変わる)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- be all too aware of …(…を痛いほど心得ている)
- all too easy(あまりにも簡単すぎる)
- all too often(あまりにも頻繁に)
- all too common(あまりにもよくあること)
- all too soon(あまりにも早すぎる)
- all too familiar(あまりによく知っている)
- all too real(あまりにも現実的なもの / 切迫感がある)
- all too human(人間らしすぎる、人間臭い)
- all too late(あまりにも遅すぎる)
- all too quickly(あまりにもすぐに)
3. 語源とニュアンス
「all」や「too」はともに古英語時代から使われている頻出単語ですが、二つが結びついた「all too」は、少なくとも中英語以降に「too(あまりに〜)」をさらに強めたい場合に使われてきたと考えられます。
微妙なニュアンス・使用上の注意
- 感情的・否定的に捉えられることが多い
例:It’s all too sad.
(あまりにも悲しすぎる) - やや文語的または文章的な響きがありますが、口語でも使われます。
- 自分の感情や考え方を強調する場合に使われることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
基本構文: “all too + 形容詞/副詞” もしくは “be all too + 形容詞”
- 例: “It is all too obvious.”(あまりにも明らかだ)
- 例: “The day ended all too quickly.”(その日はあまりにもすぐに終わってしまった)
- 例: “It is all too obvious.”(あまりにも明らかだ)
口語・文章どちらでも使えますが、文章的には「心情のこもった強調表現」として用いられることも多いです。
副詞句であるため、前後の文脈次第で位置を変えても意味は伝わりますが、形容詞/副詞の直前が最も自然です。
5. 実例と例文
ここでは日常会話・ビジネス・学術的文脈の3パターンで例文を示します。
A. 日常会話での例文 (3つ)
- “The party was all too short. I wish it had lasted longer.”
- (パーティーがあまりにも短かった。もっと続いていたらよかったのに。)
- (パーティーがあまりにも短かった。もっと続いていたらよかったのに。)
- “I found his joke all too funny; I couldn’t stop laughing.”
- (彼の冗談があまりにも面白すぎて、笑いが止まらなかった。)
- (彼の冗談があまりにも面白すぎて、笑いが止まらなかった。)
- “It’s all too easy to spend money on online shopping these days.”
- (最近はオンラインショッピングでお金を使いすぎてしまいがちだ。)
B. ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “The deadline approached all too quickly, leaving us little time to review.”
- (締め切りがあまりにも早く迫ってきて、レビューの時間がほとんどありませんでした。)
- (締め切りがあまりにも早く迫ってきて、レビューの時間がほとんどありませんでした。)
- “It’s all too common for small errors to lead to major project setbacks.”
- (小さなミスが大きなプロジェクトの後退につながることはあまりにもよくあることです。)
- (小さなミスが大きなプロジェクトの後退につながることはあまりにもよくあることです。)
- “We became all too aware of the market’s volatility after last month’s losses.”
- (先月の損失を経て、市場の変動の大きさを痛いほど実感するようになりました。)
C. 学術的/フォーマルな文脈での例文 (3つ)
- “In historical studies, it is all too easy to overlook the contributions of minority groups.”
- (歴史研究においては、少数派集団の貢献を見落とすことがあまりにも簡単に起こりがちです。)
- (歴史研究においては、少数派集団の貢献を見落とすことがあまりにも簡単に起こりがちです。)
- “The phenomenon is all too often misunderstood, leading to inaccurate conclusions.”
- (その現象はあまりにも頻繁に誤解されており、不正確な結論に結びつくことが多い。)
- (その現象はあまりにも頻繁に誤解されており、不正確な結論に結びつくことが多い。)
- “Researchers are all too familiar with the challenge of securing sufficient funding.”
- (研究者たちは、十分な資金を確保することの難しさをあまりにもよく知っている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- very(とても)
- “very”は単純に程度の高さを表す。一方で“all too”は「度を越している/過度に」というネガティブ・感情的ニュアンスが強い。
- “very”は単純に程度の高さを表す。一方で“all too”は「度を越している/過度に」というネガティブ・感情的ニュアンスが強い。
- excessively(過剰に/度を超えて)
- “excessively”は書き言葉でフォーマル寄り。 “all too”はやや文芸的な響きがある。
- “excessively”は書き言葉でフォーマル寄り。 “all too”はやや文芸的な響きがある。
- far too(はるかに〜すぎる)
- “far too”も「〜すぎる」を強調する(しばしば感情的)。“all too”よりも「差が大きい」ことを強く示す印象。
- overly(過度に、やたらに)
- “overly”も「〜すぎる」を表すが、“all too”ほど感情のこもった表現ではない。
反意語
- 明確な反意語はありませんが、強いて言えば「not too ~」「hardly too ~」などで「そこまで〜ではない」と表現する場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA(国際音声記号):
- イギリス英語 (RP): /ɔːl tuː/
- アメリカ英語 (GA): /ɑːl tuː/ または /ɔl tuː/
- イギリス英語 (RP): /ɔːl tuː/
アクセント:
- “all” と “too” それぞれにアクセントがありますが、通常は「all TOO」のように “too” を強めて言うことが多いです。
- “all” と “too” それぞれにアクセントがありますが、通常は「all TOO」のように “too” を強めて言うことが多いです。
よくある間違い:
- “all to” と書き間違えたり発音してしまうことがありますが、必ず “all too” です。
- “too” が /tu/ (トゥー) にならず /tə/ (タ) のように弱音化するとニュアンスが伝わりにくくなります。
- “all to” と書き間違えたり発音してしまうことがありますが、必ず “all too” です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “all to” と書いてしまう。
- 文法的混乱: “It’s all too late” と “It’s always too late” を混同する。
- 意味の誤解: “very” くらいの軽い強調と思いがちだが、実際には「過度の強調」や「感情的強調」がある。
試験対策や資格試験での出題傾向
- 英検やTOEICの読解問題などで、文章中の微妙なニュアンスを捉えさせる問題として出題される可能性があります。
- 「all too often」や「all too easy」などが熟語表現として選択肢に含まれ、適切な意味を選ばせるパターンも考えられます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「all=すべて」「too=〜すぎる」から、“すべてが過度すぎるイメージ”を連想すると覚えやすいです。
- 「必要以上に(all)さらに(too)強調している」という流れで理解すると、読んだだけで「かなり強調しているな」という響きが掴めます。
- 「だけど、本当にやりすぎ…!」という感情的ニュアンスを頭に置いておくと、自然な使い方をしやすくなります。
以上が “all too” の詳細解説です。
「過度な強調」や「必要以上に強い感情」を表したいときに便利な表現ですので、文脈に応じて使ってみてください。
(しばしば好ましくないことに対して)非常に,あまりにも