元となった辞書の項目
in itself
解説
1. 基本情報と概要
単語(表現): in itself
品詞: 副詞句あるいは句(前置詞 + 冠詞 + 名詞)の形で、文中では副詞的に働くことが多いです。
意味(英語・日本語)
- 英語: “by its very nature; considered alone”
- 日本語: 「それ自体としては」「それだけで見れば」「本質的には」
- 「何かをほかの要素や状況と切り離して、そのもの自体だけを考えたときに」というニュアンスを表す表現です。例えば「それ自体は悪いことではない」「それだけを取り出せば問題ない」というように、対象単体だけを評価するときに使われます。
活用形と他の品詞
- 「in itself」は句として固定的に使われるため、活用形はありません。
- 類似表現として「(in) and of itself」「by itself」「per se」などがあります。
CEFRレベル
- B2(中上級)レベル前後
- 基本的な単語の組み合わせですが、抽象的・論証的な文脈で使われることが多いため、ある程度慣れた学習者向けです。
2. 語構成と詳細な意味
- in: 前置詞「〜の中に」
- itself: 代名詞 “it” の強調形で、「それ自身・それ自体」という意味
- これらが合わさることで、「それ自体の中に」「そのものだけに着目して」という意味を表します。
関連する派生表現
- by itself: 「単独で」という意味。
- in and of itself: 「それ自体、そしてそれに付随するものも含めて」というような、より強調した表現。
- per se: ラテン語由来で「それ自体としては」「本質的には」という意味。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- “not harmful in itself” (それ自体は害がない)
- “interesting in itself” (それ自体としては興味深い)
- “in itself meaningless” (それ自体としては意味をなさない)
- “in itself valuable” (それ自体は価値がある)
- “a problem in itself” (それ自体が問題)
- “in itself sufficient” (それ自体で十分である)
- “in itself irrelevant” (それ自体は無関係である)
- “in itself crucial” (それ自体が重要である)
- “in itself questionable” (それ自体が疑わしい)
- “in itself harmless” (それ自体は無害である)
3. 語源とニュアンス
- 語源:
- “in” は古英語・ゲルマン系の前置詞。
- “itself” は “it”(中性を表す代名詞)+ “self”(自己・自体)から。
- “in” は古英語・ゲルマン系の前置詞。
- 歴史的背景
- 古くから “it” + “self” の形は「それ自身で」「自分自身で」という意味を持ち、そこに “in” が組み合わさり、文中で「ある対象を単独で考える」ニュアンスを表すようになりました。
- 古くから “it” + “self” の形は「それ自身で」「自分自身で」という意味を持ち、そこに “in” が組み合わさり、文中で「ある対象を単独で考える」ニュアンスを表すようになりました。
- 使用時の注意点・ニュアンス
- 「in itself」を使うときは、「これ1つだけを見ればどうか?」という視点で語る場合が多いです。
- しばしば「それ以外の文脈や周辺事情はとりあえず置いておいて」という含みを持つので、議論や論文などフォーマルな場面でも使われます。
- カジュアルな会話でも、「それ自体はいいんだけど」「単体で見ればね」というように自然に使われることがあります。
- 「in itself」を使うときは、「これ1つだけを見ればどうか?」という視点で語る場合が多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞句として使われることが一般的です。
- “in itself” は文中の副詞的要素として、主に以下のように文末か文中で修飾します。
- 例: “The idea is not bad in itself, but we can’t afford it.”
- 例: “The idea is not bad in itself, but we can’t afford it.”
- フォーマル/カジュアルの別:
- 論文やビジネス文書でも丁寧に「in itself」と書くことがありますが、日常会話でも自然に使えます。
- 論文やビジネス文書でも丁寧に「in itself」と書くことがありますが、日常会話でも自然に使えます。
- 他動詞・自動詞の使い分けなどは直接関わりませんが、フレーズとして、文全体を修飾する・形容するような役割を果たすことが多いです。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “This movie, in itself, isn’t bad, but the ending is confusing.”
- (この映画自体は悪くないんだけど、エンディングがわかりにくいんだよね。)
- (この映画自体は悪くないんだけど、エンディングがわかりにくいんだよね。)
- “The recipe, in itself, is quite simple.”
- (このレシピ自体はかなり簡単だよ。)
- (このレシピ自体はかなり簡単だよ。)
- “Your plan, in itself, is good, but we don’t have enough time.”
- (君のプラン自体はいいけど、時間が足りないね。)
(2) ビジネスでの例文
- “The proposal, in itself, has potential, but we need more data.”
- (提案自体には可能性があるのですが、さらなるデータが必要です。)
- (提案自体には可能性があるのですが、さらなるデータが必要です。)
- “This new policy, in itself, seems fair to all employees.”
- (この新しい方針自体は、すべての従業員に対して公平に思えます。)
- (この新しい方針自体は、すべての従業員に対して公平に思えます。)
- “Increasing the budget, in itself, won’t solve the root cause of the issue.”
- (予算の増加だけでは(本質的には)問題の根本的な原因は解決しません。)
(3) 学術的文脈での例文
- “The theory, in itself, provides an elegant explanation but lacks empirical evidence.”
- (その理論自体は優れた説明を提供するが、実証的な証拠が不足している。)
- (その理論自体は優れた説明を提供するが、実証的な証拠が不足している。)
- “Quantum mechanics, in itself, is a complex field, requiring advanced mathematics.”
- (量子力学は、それ自体が高度な数学を要する複雑な分野です。)
- (量子力学は、それ自体が高度な数学を要する複雑な分野です。)
- “The result, in itself, does not guarantee the validity of the hypothesis.”
- (その結果自体は、仮説の正しさを保証するものではありません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- per se(ペルセ)
- 意味: 「それ自体としては」
- ラテン語由来の上級表現で、論文などでフォーマルに使うことが多い。
- 意味: 「それ自体としては」
- by itself
- 意味: 「単独で、それだけで」
- もう少しカジュアルな表現。物理的・単独の状態を指すときに使われる傾向が強い。
- 意味: 「単独で、それだけで」
- in and of itself
- 意味: 「あらゆる面も含めて、それ自体として」
- “in itself” をさらに強調した表現。
- 意味: 「あらゆる面も含めて、それ自体として」
- intrinsically
- 意味: 「本質的に」
- 形容詞 “intrinsic” から派生した副詞。性質そのものを指す。
- 意味: 「本質的に」
反意語
- 明確な反意語は存在しにくいですが、強いて言えば “in combination with other factors” (他の要素と組み合わせて)や “from an external perspective” (外部の視点から)などが、対照的な意味合いを成すフレーズになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- in: /ɪn/ または /ɪn/(米・英ほぼ同じ)
- itself: /ɪtˈsɛlf/ (アメリカ英語), /ɪtˈself/ (イギリス英語もほぼ同じ)
- in: /ɪn/ または /ɪn/(米・英ほぼ同じ)
- アクセントは “itself” の “self” に置かれることが多いです(/ɪt-ˈself/)。
- “in” は短く、「イン」というより「イン(やや息を抜く感じ)」と発音します。
- よくある間違いとしては、 “it self” と切り離してしまう、または “it’s self” とアポストロフィを入れるスペルミスです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “it’s self” と書く誤りが多い。正しくは “itself”。
- 意味の混同: “by itself” と “in itself” は似ていますが、前者は「単独で動作する」など物理的に他の支援がない意味合いでもよく使われ、後者は「ある考えやものを、それだけで見ると」という概念的な使い方が多いです。
- TOEIC・英検などの試験対策: 読解問題や長文中で「理由や条件が分断される」文脈に出てくることがあります。「A in itself is not a disadvantage, but...」のように前後で逆接が起きるパターンに注意すると得点につながります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「 “in itself” = “その中に包含された状態だけを見る” 」と覚えるとわかりやすいです。
- ストーリーで覚える: 「そのものを部屋に閉じ込めて、外の世界と切り離して考える」→ “in itself” 。
- 勉強テクニック: 類似表現の “per se” とセットで覚えると、フォーマルな文脈とカジュアルな文脈どちらでも使い分けがしやすくなります。
以上が “in itself” の詳細な解説です。「ものごとをそれ単独で考えて評価する」という場面で、ぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
それ自体で, 元来, それだけで