in accordance with
以下では「in accordance with」というフレーズを、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “in accordance with …”
- 日本語: 「…に従って」「…に則って」「…と一致して」
「〜の規則や方針・条件などに従って行う」という意味合いを伝える決まり文句です。主にフォーマルな場面でよく使われます。
品詞
- 慣用的な前置詞句(prepositional phrase)として扱われます。
活用形
- 固定フレーズのため、活用はありません。
- ただし “in accordance with” に続く名詞句や代名詞で内容を補足します。
他の品詞になった場合
- 「accordance」という名詞部分を動詞や形容詞に変えたい場合は「accord(動詞: 一致する)」や「accordant(形容詞: 一致した)」が関連する形として挙げられます。しかし「in accordance with」は一つのセットとして使われる決まった言い回しで、あまり形を変えずに用いられるのが一般的です。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)~C1(上級)レベル
法律文書やビジネス文書で頻繁に出現するため、ややフォーマルな表現として上級寄りに位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “in” + “accordance” + “with”
- “in” は「〜の中で」「〜において」を表す前置詞
- “accordance” は「一致」「調和」を意味する名詞(“accord” + “-ance” という語尾で名詞化)
- “with” は「〜と共に」「〜に従って」を表す前置詞
- “in” は「〜の中で」「〜において」を表す前置詞
- 三つの要素が合わさり「〜と一致する状態の中で」というニュアンスを作り出します。
他の単語との関連性(派生語や類縁語)
- “accord” (動詞・名詞) … 「(動詞) 一致する、与える」「(名詞) 調和、一致」
- “accordant” (形容詞) … 「一致した、調和した」
- “according to …” … 「〜によると」「〜によれば」という別の前置詞句。ニュアンスは似ていますが “in accordance with” はよりフォーマル。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- in accordance with the law「法律に従って」
- in accordance with the regulations「規則に則って」
- in accordance with the contract「契約に基づいて」
- in accordance with the company policy「会社の方針に則って」
- in accordance with standard procedure「標準手順に従って」
- in accordance with the terms and conditions「諸条件に合わせて」
- in accordance with your request「ご要望に応じて」
- in accordance with the protocol「手順・議定書に従って」
- in accordance with the rules and guidelines「規定および指針に従って」
- in accordance with common practice「通例に従って」
3. 語源とニュアンス
語源
- “accordance” は “accord”(一致、調和)に名詞化接尾辞 “-ance” がついた形から派生しています。
- “accord” はラテン語で「心」を意味する “cor” に由来し、複数の意味が転じて「一致・合意」の意味を持つようになりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 法律や契約など公的・公式な文章中で用いられることが多いため、フォーマルな響きを持ちます。日常会話ではやや硬い印象がありますが、丁寧に表現したい場合やビジネス・アカデミックな文章で使用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- “in accordance with + 名詞句/代名詞” の形で用いられ、その名詞句が示す規則・方針・命令などに「従って」行う意味を示します。
- フォーマルさが求められるレター文書やビジネスEmail、契約書などで多用されます。カジュアルな会話では、より単純な “according to” に言い換える場合も多いです。
例:
• “We must act in accordance with the law.”
• “All procedures should be carried out in accordance with company guidelines.”
5. 実例と例文
ここでは、いくつかの場面に分けて例文を示します。
日常会話(丁寧寄りの言い回しが多い)
“Everything was done in accordance with the instructions you gave me.”
- (すべて、あなたが私にくれた指示に従って行いました。)
“In accordance with my doctor’s advice, I’ve decided to reduce my sugar intake.”
- (医師の助言に従って、糖分を減らすことにしました。)
“I rearranged the furniture in accordance with your preference.”
- (あなたの好みに合わせて、家具の配置を変えました。)
ビジネス
“All employees are expected to behave in accordance with the company’s code of conduct.”
- (すべての従業員は、会社の行動規範に従って行動することが求められます。)
“We have prepared the financial report in accordance with international accounting standards.”
- (国際的な会計基準に従って、財務報告書を作成しました。)
“Our contract states that we must proceed in accordance with the agreed schedule.”
- (契約書には、合意されたスケジュールに従って進めることが明記されています。)
学術・公的文脈
“The experiment was conducted in accordance with ethical guidelines set by the committee.”
- (実験は、委員会が定めた倫理指針に従って行われました。)
“In accordance with the theory of relativity, time is not an absolute concept.”
- (相対性理論によれば、時間は絶対的な概念ではありません。)
“All research data must be stored in accordance with institutional regulations.”
- (すべての研究データは、機関の規定に従って保管しなければなりません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
“according to …”(〜によれば)
- 日常的に広く使われるフレーズ。フォーマル度は少し下がる。
- 例: “According to the rules, we cannot proceed.”
- 日常的に広く使われるフレーズ。フォーマル度は少し下がる。
“in line with …”(〜と一致して、〜に沿って)
- ややカジュアルにもビジネスでも使われる。
- 例: “Our strategies should be in line with the market trends.”
- ややカジュアルにもビジネスでも使われる。
“consistent with …”(〜と一致して、矛盾しないで)
- 論理的・学術的な文脈や報告書などに使われることが多い。
- 例: “The results are consistent with previous studies.”
- 論理的・学術的な文脈や報告書などに使われることが多い。
“in harmony with …”(〜と調和して)
- さらに文芸的・抽象的な表現。ニュアンスがやや感性的。
- 例: “We need to live in harmony with nature.”
- さらに文芸的・抽象的な表現。ニュアンスがやや感性的。
反意語
- “in conflict with …”(~と対立している)
- 例: “His statement is in conflict with the evidence.”
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ɪn əˈkɔːrdəns wɪθ/
- イギリス英語: /ɪn əˈkɔːdəns wɪð/ ( “with” が /wɪð/ または /wɪθ/ になる場合あり)
- アメリカ英語: /ɪn əˈkɔːrdəns wɪθ/
アクセントは “ac*cord*ance” の “cord” 部分に強勢が置かれます。
“with” の発音は /wɪθ/ または /wɪð/ のどちらも正解ですが、アメリカ英語では /wɪθ/ がやや多い傾向です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “accordance” の途中に “o” と “a” の順番が逆になりやすい (
accordence
など)。
- “accordance” の途中に “o” と “a” の順番が逆になりやすい (
- フォーマルとカジュアルの使い分け
- 会話で多用すると堅苦しく聞こえる場合があるので、文脈に注意。
- 会話で多用すると堅苦しく聞こえる場合があるので、文脈に注意。
- “according to” との混同
- “according to” はより広範な意味で使われますが、“in accordance with” は「規則・方針などに従う」意味合いが強い。
- “according to” はより広範な意味で使われますが、“in accordance with” は「規則・方針などに従う」意味合いが強い。
- 試験対策
- TOEICや英検などのビジネス文書・公式文書読解で登場する可能性大。意味を正確に把握しておくと得点につながります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「心(cor)を合わせる(ad)」が語源にある “accord” から“accordance”が派生し、“in accordance with” は「相手の心(合意・ルール)や決まりに従って行う」というイメージを持つと覚えやすいです。
- “in accordance with” の形はほぼ固定なので、フレーズ全体をひとかたまりとして暗記するのがおすすめです。
- 「段取りを“in accordance with”計画書に従って進める」という短い文章を何度か口に出して練習すると定着しやすいです。
以上が “in accordance with” の詳細な解説です。フォーマルな文書やビジネスシーンで活躍する表現なので、ぜひ使いこなしてみてください。
...に従って, ...に一致して