元となった辞書の項目
all over
解説
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): all over
品詞: 副詞句 / 前置詞句
英語での意味:
- Everywhere (至るところで)
- Completely finished (すっかり終わって)
- Covering every part (全体を覆って)
日本語での意味:
- 至るところに / 全面に
- 完全に終わった
- (物や範囲を)すっかり覆うように
「all over」は「どこにでも」「完全に」というように、広範囲や徹底的さを表すニュアンスのある表現です。日常会話でもよく使われ、「(床など) 散らばっている」「(行事など) 全て終了した」といった場面などで頻出します。
- CEFRレベルの目安: B1(中級)
- 日常会話でよく使われる表現なので、中級レベルの学習者が理解しやすい単語(フレーズ)です。
活用形
「all over」は基本的にフレーズとして形が変化しませんが、文中の用法は副詞的にも、前置詞的にも使われるため、文法上の役割が変わることに注意してください。
他の品詞形
「all over」は単語そのものが別の品詞になるわけではありませんが、下記のような関連する表現があります:
- all-over (形容詞): 「全面的な」「全身を覆うような」 (例: an all-over pattern)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「all」 + 「over」
- 「all」は「すべて」を指し、「over」は「上に」「覆うように」「あちこちに」という意味を持ちます。両者が合わさって「すべての上に」「至るところ」というイメージになります。
- 「all」 + 「over」
派生語や類縁語
- 「overall」(副詞・形容詞):全体的に、総合的な
- 「all-around」(形容詞):多方面にわたる、万能の
- 「overall」(副詞・形容詞):全体的に、総合的な
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- be all over the place(どこにでも散らばっている)
- have something written all over one’s face(顔に何かが表れている)
- news all over the world(世界中のニュース)
- water all over the floor(床じゅうに水が広がって)
- travel all over the country(国中を旅する)
- it’s all over now(もう全て終わった)
- paint all over the walls(壁じゅうにペンキを塗る)
- searching all over for something(あちこち探し回る)
- spread all over the internet(インターネット上に広まる)
- victory celebrations all over town(町中での優勝祝賀会)
- be all over the place(どこにでも散らばっている)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「all」は古英語の「eall」から、「over」は古英語の「ofer」からきています。中世以来、「全てを覆う」「全方面に」というニュアンスを強調するために組み合わせて使われてきました。
ニュアンスと使用時の注意点
- 「all over」はカジュアルにもフォーマルにも使えますが、文脈によって「もう終わった」「至る所に散らかっている」といったニュアンスが強まるので、意図する意味がどちらなのかに注意が必要です。
- 「all over me」など、人に直接使う場合、文脈によっては「しつこく覆いかぶさってくるようす」や「いつもくっついて離れない雰囲気」を示すこともあります。
- 「all over」はカジュアルにもフォーマルにも使えますが、文脈によって「もう終わった」「至る所に散らかっている」といったニュアンスが強まるので、意図する意味がどちらなのかに注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
用法
- 副詞的: They looked all over for their keys.(あちこち探した)
- 前置詞的: There was graffiti all over the walls.(壁に落書きが一面にあった)
- 副詞的: They looked all over for their keys.(あちこち探した)
可算・不可算など
- 「all over」は名詞ではないため可算・不可算の区別はありません。
イディオム例
- “It’s all over but the shouting.”:結果はほぼ決まっていて、後は形だけの盛り上げが残っている状態。
フォーマル/カジュアル
- どちらでも使えるが、カジュアルシーンで特に頻出。ビジネスメールなどでは、“throughout”などを使うほうがややフォーマル。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- I looked all over for my phone, but I still can’t find it.
(携帯をあちこち探したんだけど、まだ見つからないんだ。) - There’s sand all over the carpet. We should clean it up.
(カーペットの上に砂が散らばってるよ。掃除しないとね。) - It’s all over now. We can relax.
(もう全部終わったよ。やっとゆっくりできるね。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- We have branches all over the country, which helps us reach more customers.
(私たちは国内のあちこちに支店があり、より多くの顧客にリーチできます。) - The news of the merger spread all over the industry very quickly.
(合併のニュースは業界中にあっという間に広まりました。) - Our new marketing campaign will be visible all over social media.
(私たちの新しいマーケティングキャンペーンは、ソーシャルメディア全体で見られるようになるでしょう。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- The influence of this theory can be observed all over modern psychology.
(この理論の影響は現代の心理学全般にわたって観察されます。) - Scholars from all over the world came to attend the conference.
(世界中から学者が会議に参加するためにやって来ました。) - This phenomenon has been documented all over the globe for centuries.
(この現象は何世紀にもわたり、世界中で記録されています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- everywhere(どこでも):より単純に地理的範囲の「至る所」を強調
- throughout(〜の至る所に):文章やフォーマルで使われやすい
- all around(あちこちに):全方位的や周囲について広く言及
- everywhere(どこでも):より単純に地理的範囲の「至る所」を強調
反意語
- 特に「一点に集中している」や「特定の場所のみ」を強調する場合は、exactly here、in one placeなどを使って限定的な意味を示す。直接の反意語は存在しにくいですが、文脈的に対比となる表現として扱えます。
ニュアンスの違い
- “everywhere” と比べると、 “all over” は「覆い尽くす」「散らばり度が高い」といったイメージが強い場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ɔːl ˈoʊvər/
- イギリス英語: /ɔːl ˈəʊvə/
- アメリカ英語: /ɔːl ˈoʊvər/
強勢(アクセント)の位置
- “all” と “over” それぞれの単語に普通に強勢がありますが、フレーズで発音すると “ALL OVER” という感じでまとまって発音されることが多いです。
よくある発音ミス
- “all” を「オール」よりも「あーる」に近く発音するなど、L音の発音や母音の長さが曖昧になることが多いので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “allover” と一語にしてしまう間違いがよくあります。基本的には “all over” と二語表記です。形容詞としての「all-over」はハイフン付きの場合がありますが、用法が異なります。
- 同音異義語との混同
- “overall”(オーバーオール)や “over all”(文法的に異なる使い方)と混同しないように。
- “overall”(オーバーオール)や “over all”(文法的に異なる使い方)と混同しないように。
- 試験対策
- TOEICや英検などのリスニング・リーディングで「散らばっている」「全国的に」などの意味を素早く把握できるようにしましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ
- 「all(一面に) + over(覆う)」という組み合わせから「一面を覆いつくすイメージ」を思い浮かべると覚えやすいです。
- 「all(一面に) + over(覆う)」という組み合わせから「一面を覆いつくすイメージ」を思い浮かべると覚えやすいです。
- 覚え方のコツ
- 「ぜーんぶ、上(over)に塗られて広がってる」というイメージで覚えると、意味が頭に残りやすいです。
- 「ぜーんぶ、上(over)に塗られて広がってる」というイメージで覚えると、意味が頭に残りやすいです。
- 勉強テクニック
- フレーズで一緒に覚える: “It’s all over” 「もう全部終わった」を何度も口に出して練習すると定着しやすくなります。
上記のポイントを踏まえて、日常会話や英語試験などで「all over」の核心を理解してうまく使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
【副】全体にわたって,一面に
意味(2)
すっかり,全部終わって
意味(3)
どこからどこまでも, いかにも(人・物)らしい