元となった辞書の項目
call for
解説
以下では、英語の句動詞 call for
について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- call for: to require or demand something(何かを要求・必要とする、呼びかける)
「call for
は、何かを強く求めたり、必要とする場面で使われます。例えば、“This situation calls for urgent action.”(この状況は緊急の行動を必要とする)というように、事態や状況が何かを『必要とする・呼びかける』ときに用いられます。また、“The protesters called for reform.”(抗議者たちは改革を要求した)のように、人々が声を挙げて何かを『要求する』ときにも使われます。」
品詞と活用形
- 品詞: 句動詞(動詞 + 前置詞)
- 活用形(通常の動詞callの活用を含む)
- 原形: call
- 三人称単数現在: calls
- 過去形: called
- 過去分詞: called
- 現在分詞: calling
- 原形: call
他の品詞形
- call(動詞):「電話をかける」「呼ぶ」など
- call(名詞):「呼び声」「電話」など
- caller(名詞):「呼び出す人」「電話をかける人」など
※CEFRレベルの目安: call for
はB2(中上級)レベルくらい
- A1:超初心者
- A2:初級
- B1:中級
- B2:中上級 ← ここ
- C1:上級
- C2:最上級
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- call(語幹):「呼ぶ」や「電話をかける」「要求する」の意味を含む動詞
- for(前置詞):「~のために」「~を求めて」
「call for」は「呼びかける」「要求する」という意味を作り、単に “call” + “for” の直線的な組み合わせではなく、“call for” でひとつの句動詞として覚えることが大切です。
他の単語との関連性(派生語や類縁語)
- call off(取り消す、キャンセルする)
- call out(大声で呼ぶ、指摘する)
- call up(電話をかける、思い出させる)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(例と日本語訳)
- call for an explanation(説明を求める)
- call for action(行動を呼びかける)
- call for calm(落ち着きを呼びかける)
- call for a celebration(祝賀を要求・呼びかける)
- call for reform(改革を求める)
- call for a vote(投票を求める)
- call for someone’s resignation(辞任を要求する)
- call for backup(応援・助けを要請する)
- call for a meeting(会議を招集する)
- call for a moment of silence(一瞬の黙祷を呼びかける)
3. 語源とニュアンス
語源
- “to call” は古英語 “ceallian” に由来し、「大声で呼ぶ、呼びつける」などの意味を持ちます。
- “for” は古英語 “for, fore” に由来し、「~のために」を示す前置詞として長い歴史があります。
“call for” は、もともと「~を呼び寄せる、呼んで求める」という発想から、「何かを必要としている、要求している」という意味合いに発展していきました。
微妙なニュアンス・感情的な響き
- 「call for」はしばしば公の場で「公式に要求・要請する」という響きがあります。日常会話でも使えますが、少し「正式な」「公的な」印象を与えやすい言い回しです。
使用の注意点
- 口語では “ask for” のほうがシンプルに「~を頼む」の意味を示すことが多いですが、“call for” は「必要としている」「状況が~を求める」といったニュアンスが強いです。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
1) 主語 + call for + 名詞
- This situation calls for immediate action.
2) call for + 人 + to + 動詞 - They called for the government to reduce taxes.
イディオム的用法
- “call for something” = 「~を必要とする、要求する」
- “call for someone” = 「人を迎えに行く」「人を呼び出す」(まれ)
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: “call for” はフォーマルな文章やスピーチでもよく使われます。
- カジュアル: 日常会話でも使われますが、「状況が…」など、やや改まった雰囲気を漂わせます。
他動詞・自動詞の区別
- call は元々他動詞(誰かを呼ぶ)にもなりますが、「call for ~」として句動詞になると目的語を前置詞
for
の後ろに置く構文になります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I think this calls for a celebration!”
「これはお祝いが必要だと思う!」 - “Does this problem call for a different approach?”
「この問題は別のアプローチが必要かな?」 - “That movie was so good, it calls for a rewatch.”
「あの映画すごく良かったから、もう一回見ないとね。」
ビジネスでの例文(3つ)
- “The unexpected results call for an urgent team meeting.”
「予想外の結果が出たので、緊急のチームミーティングが必要です。」 - “Our executive board calls for stricter quality control.”
「取締役会は、より厳しい品質管理を求めています。」 - “The sudden change in regulations calls for a revision of our policies.”
「規制が突然変わったので、当社の方針を見直す必要があります。」
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “The study’s findings call for further research in this area.”
「この研究の結果は、この分野でさらなる研究が必要であることを示しています。」 - “Experts call for international collaboration to address climate change.”
「専門家たちは、気候変動に取り組むための国際協力を呼びかけています。」 - “The report calls for implementing more comprehensive safety measures.”
「その報告書は、より包括的な安全対策の実施を要請しています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- demand(要求する)
- “They demanded an explanation.”(彼らは説明を要求した)
- “demand” は「強い要求」のニュアンス。
- “They demanded an explanation.”(彼らは説明を要求した)
- require(必要とする)
- “This job requires technical skills.”(この仕事には技術的なスキルが必要だ)
- “require” は「必須である」という意味合いが強い。
- “This job requires technical skills.”(この仕事には技術的なスキルが必要だ)
- ask for(頼む・求める)
- “They asked for a raise.”(彼らは昇給を頼んだ)
- “ask for” は日常的で直接的な「お願い」のニュアンス。
- “They asked for a raise.”(彼らは昇給を頼んだ)
反意語
- 不明瞭な反意語はあまりありませんが、強いて挙げれば “reject”(拒絶する)や “dismiss”(却下する)が対照的な立ち位置になることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ˈkɔːl fər/ または /kɔːl fɔːr/(地域差あり)
- イギリス英語: /ˈkɔːl fə/
強勢(アクセント)の位置
- “call” の母音がしっかり伸びる /kɔːl/ に強勢が置かれることが多い。
- “for” は弱く発音される(フォーではなく「ファ」や「フə」に近い音になる)。
よくある発音ミス
- “call” の音が /kæl/(「キャル」)になってしまうミス。実際はもう少し「コール」に近い音 /kɔːl/。
- “for” を強く「フォー」と発音してしまいがちだが、連続すると弱まって「ファ」や「フォ(r)」に近くなる。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 前置詞を間違える
call on
と混同しがち。“call on someone” は「人に頼む、呼びかける」、特にテーブルごとに「先生が生徒に発言を求める」など別のニュアンス。
ask for
とcall for
の違い
ask for
はカジュアルに「~を頼む」call for
は「強く・正式に要求する」「状況が必要としている」というニュアンス。
- スペルミス
- “call” を “cal” “coll” と書いてしまうことなど。
試験(TOEIC・英検など)での出題傾向
- TOEIC などの読解問題や会話文で、「要求する・必要としている」という文脈で選択肢に出ることが多いため、定型表現として覚えておくと正答率が上がります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “call” = 「呼びかける」+ “for” = 「~のために」 → 「~を呼んで(求めて)いる」
- イメージとしては「大勢の人が集まって、プラカードを掲げながら何かを要求している」ような印象だと覚えやすいです。
- 「この状況(situation)がAを必要としている」というときに自然と “This situation calls for A.” が出るようにイメージして練習してみましょう。
以上が、句動詞 call for
の詳細解説です。何かを要求したり、状況が何かを必要としていると表現したいときに、ぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
を必要とする
意味(2)
を要求する, を声をあげて求める