debit
1. 基本情報と概要
単語: debit
品詞: 動詞 (他動詞)
活用形:
- 現在形: debit
- 過去形: debited
- 過去分詞形: debited
- 現在分詞形: debiting
※「debit」は名詞として「借方」や「引き落とし金額」を表すときにも使われます。
英語での意味
「to charge or remove money from an account」を意味します。つまり、銀行口座や会計帳簿などからお金が「引き落とされる/記入される」動作です。
日本語での意味
「口座などからお金を引き落とす」という意味です。銀行や会計処理などで使う正式/ビジネスよりの単語です。例えば「銀行があなたの口座から自動引き落としを行う」というときに用いられます。
CEFRレベルの目安: B2 (中上級)
財務・会計・銀行関連の話題で使われるため、やや専門的な文脈で登場する単語ですが、ビジネスと銀行手続きで頻出のため学習しておくと便利です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- de-: ラテン語由来で、しばしば「分離・除去」や「下に」というニュアンスをもつ接頭語として使われるケースあり。
- bit: もともとは「かじる」「少量」という意味を持つ単語ですが、「debit」の場合はラテン語系動詞 “dēbitum”(=借りがある) の名残で、英語の「bit」と直接結びつくものではありません。
※ 現代英語では「debit」は単に「口座の借方に記入する」という意味でまとまっており、接頭語・接尾語でわかりやすく切り離せるわけではありません。
派生語・関連語
- debit (名詞): 借方、あるいは引き落とし金額
- debit card (名詞): デビットカード
- debtor (名詞): 債務者(「debit」ではなく「debt」由来ですが関連あり)
コロケーション(10個)
- debit an account(口座から引き落とす)
- card payment is debited(カード支払いが引き落とされる)
- automatic debit(自動引き落とし)
- direct debit(口座振替)
- debit note(借方通知書)
- debit transaction(借方取引)
- debit the expenses(経費を借方に記入する)
- debit balance(借方残高)
- debit spread(デビット・スプレッド:オプション取引の概念)
- debit entry(借方記入)
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語の「dēbitum(負債・借金)」や「dēbēre(借りがある、支払う義務がある)」に由来します。古フランス語を経て中英語に入り、銀行や会計の世界で借方・引き落としを表す基本用語として定着しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 銀行や会計関連でフォーマルに使われることが多い単語です。
- 口座からの直接引き落としや財務処理を示すときに用いられます。
日常会話ではあまり使わないかもしれませんが、ビジネスや事務的な文脈、特に「銀行があなたの口座を○○円引き落としました」といった通知や、会社での会計作業でよく目にします。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 (transitive verb)
- 「debit + 目的語(引き落とされる金額や口座など)」の形をとります。
- 例: The bank debited my account by $200.
- 「debit + 目的語(引き落とされる金額や口座など)」の形をとります。
名詞としても使用
- 「a debit (借方残高)」のように会計用語で借方や引き落とし金額を指し示します。
- 可算・不可算の両方の文脈あり:
- 可算の場合: a debit of $100 (特定の引き落とし)
- 不可算の場合: in debit (借りがある状態)
- 可算の場合: a debit of $100 (特定の引き落とし)
- 「a debit (借方残高)」のように会計用語で借方や引き落とし金額を指し示します。
一般的な構文例
- S + debit + O (The company debited its expenses into the correct account.)
- 受動態: O + be + debited (My account was debited for the subscription fee.)
- S + debit + O (The company debited its expenses into the correct account.)
フォーマル/カジュアル
- 「debit」は会計・金融のフォーマルな文脈での使用が中心です。
- 日常会話では「take out money / withdraw money」という表現の方が一般的な場合も多いです。
5. 実例と例文
日常会話(3例)
- “I noticed the bank debited my account this morning for my monthly gym fee.”
- 「今朝、銀行がジムの月会費を私の口座から引き落としていたよ。」
- “Please check if your phone bill has been debited yet.”
- 「電話料金がもう引き落とされたか確認してみて。」
- “I’m worried because the purchase was debited twice.”
- 「買い物の代金が2回引き落とされていて心配なんだ。」
ビジネス(3例)
- “The finance department will debit travel expenses to the corporate account.”
- 「経理部が出張費用を法人の口座から引き落とします。」
- “Please ensure the client’s invoice is debited correctly in the ledger.”
- 「クライアントの請求書を正しく台帳に借方として記入するよう確認してください。」
- “We can set up an automatic debit for your monthly subscription.”
- 「月々のサブスクリプション料を自動引き落としに設定することができます。」
学術的 / 会計専門(3例)
- “In double-entry bookkeeping, you debit the asset account and credit the cash account.”
- 「複式簿記では、資産勘定を借方に、現金勘定を貸方に仕訳します。」
- “A direct debit authorization is often used to handle recurring payments.”
- 「口座振替の許可は、定期的に行われる支払い処理にしばしば用いられます。」
- “The correct approach is to debit accounts receivable and credit revenue.”
- 「正しい方法は売掛金を借方に、収益を貸方に計上することです。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- withdraw (引き出す)
- 主に銀行口座から現金を「引き出す」動作を表す。個人の行為として使いやすい。
- 主に銀行口座から現金を「引き出す」動作を表す。個人の行為として使いやすい。
- charge (請求する)
- 「請求する」というニュアンスが強く、口座から引き落とすイメージにも近いがやや広義。
- 「請求する」というニュアンスが強く、口座から引き落とすイメージにも近いがやや広義。
- deduct (差し引く)
- 一般的に何かから「差し引く・控除する」際に使い、会計にも用いられる。
反意語
- credit (動詞: 入金する、名詞: 貸方)
- 会計や銀行口座においては「入金」「貸方」という反対の動作/概念を表す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈdɛbɪt/
- アメリカ英語(AmE)・イギリス英語(BrE)ともに大きな違いはなく、どちらも「デビット」のように発音されます。
- アクセントは最初の音節 “deb-” に置かれ、「DEB-it」と強調します。
- 「t」の音はアメリカ英語ではやや省略気味になる傾向もありますが、基本的にははっきり発音されます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
debet
やdebitte
などと誤記しやすい。正しくは “debit”。 - 同音異義語: 「debit」と同じ発音の単語はありませんが、「debt(借金)」と混同しやすい点に注意。
- TOEIC・英検などの試験対策:
- ビジネスシーンの読解問題で頻出。
- 「credit」と対比しての文脈問題に出ることが多いので、両方の用法を整理しておきましょう。
- ビジネスシーンの読解問題で頻出。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「借りがある (debt)」から派生して「口座を借方にする(debit)」とイメージするとわかりやすいです。
- 「debt(デット)」と「debit(デビット)」はつづりが似ているので「自分が得(credit)する時はプラス、借り(debit)はマイナス」という会計イメージを作ると混乱を避けられます。
- 「クレジットカードの反対がデビットカード」をイメージすれば、credit (入金、プラス) とdebit (引き落とし、マイナス) の違いが思い出しやすいかもしれません。
以上が「debit」の詳細な解説です。銀行や会計処理(簿記など)で出てくる機会が多いので、覚えておくとビジネスシーンで役立ちます。
(ある金額を)…‘の'借り方に記入する《+名+with+名〈=額〉》
(相手に)〈金額〉'を'借り方として記入する《+名〈金額〉+against+名》