run by
1. 基本情報と概要
単語(またはフレーズ): run by
品詞: 句動詞(phrasal verb・他動詞)
活用形:
- 原形: run by
- 三人称単数現在: runs by
- 現在進行形: running by
- 過去形: ran by
- 過去分詞: run by
「run by」は、英語で「(アイデアや計画などを)人に見せる・相談する・意見を求める」という意味を表す句動詞です。日本語では「相談する」、「意見を聞く」、「見せて反応を確かめる」などの表現になります。相手の判断や反応が欲しいときに使われるニュアンスの表現で、ビジネスや日常会話の両方で比較的よく耳にします。
CEFRレベルの目安としては、熟語(句動詞)が理解でき、言い回しとして使う機会も多くなるB1(中級)〜B2(中上級)レベル程度です。
他の品詞になった場合の例
- run (動詞): 走る
- run (名詞): 走ること、連続、運営など
- runner (名詞): 走る人、ランナー
なお、「run by」自体は句動詞としての用法が中心で、派生して形容詞や副詞になることはありません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- run: 走る、動く、運営する などの意味を持つ動詞
- by: 「そばを通過して」「そばに」「によって」などを示す前置詞
「run by」は「(誰かのそば・ところに走っていって見せる)」イメージから、それを転じて「アイデアなどを誰かに見せたり、意見を仰いだりする」というニュアンスになりました。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- run an idea by someone
(誰かにアイデアを見せて意見を求める) - run a proposal by my boss
(上司に提案を相談する) - run it by you again
(もう一度あなたに確認する) - run some thoughts by the team
(チームにいくつかの考えを共有して意見をもらう) - run the plan by our legal department
(法務部にその計画をチェックしてもらう) - quickly run by you
(素早くあなたに聞いておきたい) - run that by HR
(人事部に確認する) - run the design by the client
(クライアントにデザインを確認してもらう) - run a question by experts
(専門家に質問をぶつけてみる) - run by for approval
(承認を得るために相談する)
3. 語源とニュアンス
「run」は古英語の「rinnan」などに由来し、「走る・動き回る」という意味を持ちます。「by」は古ノルド語由来で「近くに」や「そばで」を意味し、「run by」で「(相手の近くに)サッと行って見せる」イメージが発生し、そこから「相手の意見を聞く・確認する」という形になりました。
- ニュアンス・使用時の注意点:
- カジュアルな場面からビジネスシーンまで幅広く使えます。
- 「Could I run this by you?」など、丁寧に相談したいときにも自然に使われます。
- 多少フランクな語感があり、「提案」や「報告」をフォーマルに言いたいときは “discuss with” や “consult with” などを使うこともあります。
- カジュアルな場面からビジネスシーンまで幅広く使えます。
4. 文法的な特徴と構文
「run by」は、通常 “run (何か) by (誰か)” の形で使われる他動詞句動詞です。
- 【例】“Let me run this idea by you.”
(このアイデアをあなたに相談させてください)
主な構文・イディオム
- run something by someone: “I need to run this plan by my manager.”
- Could I run something by you?: “ちょっと相談があるんだけど、いいかな?” のニュアンス
フォーマル/カジュアル:
- ビジネス文書や会議などでも使えるが、少しフレンドリーなトーン。よりフォーマルにしたい場合は “discuss” や “seek approval” などに置き換えることもあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Hey, can I run something by you really quick?”
(ねえ、ちょっとだけ話を聞いてくれる?) - “I want to run by you what I’m thinking for dinner tonight.”
(今夜の夕飯について考えていることを聞いてもらいたいんだ。) - “Let me run this idea by you before I decide.”
(決める前に、このアイデアについてあなたの意見を聞かせて。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “I’d like to run our new marketing strategy by the entire team next week.”
(来週チーム全体に新しいマーケティング戦略について相談したいと思います。) - “Could you run that staffing plan by me once more before we finalize it?”
(最終決定の前に、その人員計画についてもう一度確認させてもらえますか?) - “I’ll run it by our legal department to ensure compliance.”
(法務部に確認してもらい、コンプライアンスを確かめます。)
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “Let me run the preliminary findings by the committee for feedback.”
(予備的な調査結果について、委員会に意見を募りたいと思います。) - “I should run my hypothesis by my supervisor before conducting further experiments.”
(追加実験を行う前に、私の仮説について指導教官の意見を仰ぐべきです。) - “Could you run the revised proposal by the external review board?”
(修正した提案書を外部審査委員会にも見せてもらえますか?)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- consult with(~に相談する)
- discuss with(~と議論する)
- bounce (an idea) off someone(アイデアなどをぶつけてみる)
- get someone’s input(誰かの意見をもらう)
- check with(~に確認する)
これらは「意見を求める」「相談する」という点で似ていますが、「run by」はよりカジュアルかつ素早く意見をもらうイメージが強いです。
反意語 (Antonyms)
- keep (something) to oneself: (何かを)自分だけの秘密にしておく
- withhold information: 情報を伏せる
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA):
- run: /rʌn/
- by: /baɪ/
- run: /rʌn/
- アクセントの位置: “run” に強勢が置かれやすい
- アメリカ英語 / イギリス英語の違い:
- アメリカ英語: /rʌn baɪ/
- イギリス英語: /rʌn baɪ/
どちらも大差はありませんが、母音の発音や “r” の発音が地域によってやや異なります。
- アメリカ英語: /rʌn baɪ/
- よくある間違い: run を /ruːn/ などと伸ばして発音したり、by を /biː/ と言ってしまったりしないように気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「run buy」のように “buy”(買う)と書いてしまうミス。
- 前置詞の混乱: “run by” を “run past” と置き換えたり、誤って “run for” とするなど。
- 語順の間違い: “run by something someone” など、目的語と人の順番が逆になってしまう。正しくは “run something by someone”。
TOEICや英検などでは、句動詞を問う問題で出題されることがあります。特に「run 〇 by 〇」という語順をしっかりと覚えておくと効果的です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「走って相手のところへ行って見せる」というイメージで覚えると、気軽に自分の考えをサッと見せて「どう思う?」と聞くニュアンスをイメージしやすいです。
- “Could I run this by you?” という定型表現を声に出して練習すると習慣づき、実際の会話でも自然に使えます。
- “run” と “by” のスペリングは短く、混同しにくいですが、先述のように “buy” と書かないように注意しましょう。
以上が「run by」の詳細な解説です。日常会話からビジネスまで、何かを相談したいときには非常に便利な表現なのでぜひ活用してみてください。
《be ~》...によって経営される, ...によって切り盛りされる