set about
1. 基本情報と概要
英単語(表現): set about
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
意味
- 英語: to begin or start doing something, often in a determined or focused way
- 日本語: 何かを始める、特に意欲的または集中して取り組み始めること
「set about」は、「何かを始める」「取り掛かる」という意味を持つ句動詞です。
「何かに本格的に着手する」というニュアンスがあり、やや強い意志を込めて「さあ始めるぞ」と動き出すイメージがあります。
活用形
句動詞なので単独での活用は動詞 “set” が変化形を持ちます。
- 原形: set
- 過去形: set
- 過去分詞: set
「set」は不規則動詞ですが、形が同じなので混乱しないように注意が必要です。
他の品詞形
- “set” は名詞 (a set) や形容詞 (set menu など) としても使われます。
- “about” は副詞や前置詞として使われますが、ここでは「句動詞としての一部」として機能します。
CEFRレベル目安
- B1 (中級)
基本的な会話や文章で使われる馴染みやすい表現ですが、句動詞であるため少し慣れが必要です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- set (配置する、設定する などの意味)
- about (周囲に、取り巻いて、の意)
“set about” は、「~を始める」「~に取り掛かる」という意味の句動詞として、それぞれのパーツは 細かい文法的役割を変えています。単純にそれぞれの直訳からは、すぐに「始める」という意味が見えにくいので、まとまったフレーズとして覚えるのがおすすめです。
関連表現・派生語など
- set off (出発する)
- set out (出発する、着手する)
- set up (設置する、準備する)
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- set about doing something
- 「何かをし始める」
- 「何かをし始める」
- set about the task
- 「その作業に取り掛かる」
- 「その作業に取り掛かる」
- set about fixing (a problem)
- 「問題を修理(解決)し始める」
- 「問題を修理(解決)し始める」
- set about organizing
- 「整理し始める」
- 「整理し始める」
- set about finding solutions
- 「解決策を見つけ始める」
- 「解決策を見つけ始める」
- set about cleaning up
- 「片付けに取り掛かる」
- 「片付けに取り掛かる」
- set about writing
- 「執筆に取り掛かる」
- 「執筆に取り掛かる」
- set about the preparations
- 「準備に取り掛かる」
- 「準備に取り掛かる」
- set about changing (someone’s mind)
- 「(人の考え)を変えさせようと動き出す」
- 「(人の考え)を変えさせようと動き出す」
- set about gathering information
- 「情報収集に取り掛かる」
3. 語源とニュアンス
語源
- set: 古英語の “settan” に由来し、「置く」「座らせる」などの意味を持っていました。
- about: 古英語の “abutan” に由来し、「~の周りに」「おおよそ」などの意味。
「set about」は、中世英語以降、行動を開始するという意味で定着した表現です。
ニュアンスと使用上の注意
- しっかりと行動を「始める」ニュアンスが強い。
- 「set about」は比較的カジュアルな会話でも使われますが、フォーマルな文章でも問題なく使用できます。
- 「begin」や「start」との違いとして、やや意志の強さ・決意感が表れます。
4. 文法的な特徴と構文
- 句動詞 (phrasal verb): 他動詞的に用いる。目的語や “doing” を伴うことが多い。
例) set about doing something - 目的語の位置: 「set about + 目的語または動名詞 / 目的節 >= to動詞 よりは doing の形が多い」
- 一般的には「set about + 名詞/動名詞」という構文で、中間に目的語や内容が続く形をとります。
使用シーン
- フォーマル/カジュアルどちらでも使われるが、日常会話からビジネス文書まで幅広く使用可能。
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
“We should set about cleaning the house before our guests arrive.”
- 「お客さんが来る前に家を片付け始めないとね。」
“He set about making dinner as soon as he got home.”
- 「彼は家に着くなり、夕飯の用意に取り掛かった。」
“I finally set about writing my homework this morning.”
- 「私は今朝やっと宿題に取り掛かった。」
ビジネスシーン (3例)
“The team set about developing a new marketing strategy immediately.”
- 「チームは新たなマーケティング戦略の開発にすぐに取り掛かった。」
“We need to set about improving our customer service process.”
- 「私たちは顧客サービスのプロセスを改善することに着手する必要があります。」
“She set about gathering data for the quarterly report.”
- 「彼女は四半期レポートのためのデータ収集に取り掛かった。」
学術的・専門的な文脈 (3例)
“The researchers set about conducting a series of experiments to prove the hypothesis.”
- 「研究者たちは、その仮説を証明するために一連の実験に着手した。」
“They set about analyzing the large dataset with new computational tools.”
- 「彼らは新しい計算ツールを使って大規模データセットの分析に取り掛かった。」
“In order to understand this phenomenon, we must first set about defining key terms.”
- 「この現象を理解するためには、まず主要な用語の定義から始めなければなりません。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- begin (始める)
- 一般的な「始める」。ニュアンス的には無難。
- 一般的な「始める」。ニュアンス的には無難。
- start (始める)
- ポピュラーな表現で、会話ではよりカジュアル。
- ポピュラーな表現で、会話ではよりカジュアル。
- commence (開始する)
- フォーマル度が高い。
- フォーマル度が高い。
- embark on (着手する)
- 「船に乗り込む」という由来。少しフォーマルまたは文語的。
- 「船に乗り込む」という由来。少しフォーマルまたは文語的。
違い: “set about” は自分の意思をもって行動・作業に積極的に取り掛かる感じが強いです。
反意語
- quit (やめる)
- abandon (放棄する)
- cease (停止する)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- set about: /sɛt əˈbaʊt/ (米・英ほぼ共通)
アクセント (stress): “set aBOUT” のように「about」の第二音節 “-bout” に強勢が来る感じです。
アメリカ英語とイギリス英語で大きな発音差はありません。
連続して発音される場合、/t/ が弱化して /sɛdəˈbaʊt/ のようになることがあります(カジュアルな会話で)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: set about 自体のスペルは簡単ですが、間にハイフンなどを入れないようにしましょう。
- 同音異義語との混同: “set” が多義語で非常に意味が多いので、文脈の判断が必要です。
- “set about to do” よりも “set about doing” のほうが一般的。形式上 “set about to do” とも言えないことはありませんが、やや稀です。
- TOEICなどの試験でも句動詞問題で「start, begin, set about」などの言い換えとして出題されることがあります。しっかり意味を押さえておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「set about = さあ、行動を“セット”して“周り”を巻き込むように動き出す」イメージ。
- 「準備して、“よし、始めよう!”と勢いよく取り掛かる」という情景を思い浮かべてください。
- 不規則動詞 “set” は形の変化がないため、「set、set、set」とリズミカルに復唱すると覚えやすいです。
“set about” は、いざやるぞ!というときの頼れる表現です。迷わず使って、自身の行動力をアピールしてください。
【句動】に着手する,に取り組み始める