元となった辞書の項目
make out
解説
1. 基本情報と概要
英語表記: make out
品詞: 動詞(句動詞)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- phrasal verb(句動詞)で複数の意味を持つため、やや上級者向け。
意味と概要(英語 → 日本語)
- to see or understand something with difficulty → 「何かをやっと見分ける・理解する」
「遠くてよく見えないものを、ようやく判別できるときに使います。」 - to write or fill in (a document) → 「書類や小切手などを作成する」
「書類に記入するとき、特に“書き上げる”ニュアンスがあります。」 - to kiss or engage in physical affection (informal) → 「(カジュアルに)キスをする・イチャイチャする」
「主に若者向けのカジュアル表現で、親密なスキンシップを指すときに使います。」 - to manage or get along (old-fashioned) → 「うまくやっていく・何とかやりくりする」
「古い表現ですが、困難を乗り切る感じを示すときに使われることがあります。」
単語の活用形(動詞)
- 原形: make out
- 三人称単数現在: makes out
- 進行形: making out
- 過去形: made out
- 過去分詞形: made out
他の品詞での例
- 名詞的用法で “make-out session” と言うと、「イチャイチャする行為(の時間)」を指すことがあります(カジュアル・スラング寄り)。
2. 語構成と詳細な意味
- make は「作る」「行う」などを意味する動詞です。
- out は「外へ」「外側へ」などを表す副詞/前置詞です。
「make」と「out」が結びつき、元々は「外に何かを作り上げる、はっきりさせる」といったニュアンスから、「判別する・理解する・作成する」など多様な意味につながりました。
コロケーションと関連フレーズ(10個)
- make out a check → 小切手を切る
- make out the details → 詳細を理解する
- make out the handwriting → 手書きを判読する
- can’t make out what someone is saying → 誰かが言っていることが聞き取れない
- make out an invoice → 請求書を作成する
- make out in the dark → 暗闇の中で見極める
- make out with someone → (カジュアルに) 誰かとキスする・イチャつく
- barely make out → かろうじて理解する
- make out the shape → 形を見分ける
- make out a plan → 計画を作り上げる(作成する)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「make」は古英語の “macian” に由来し、「何かを作る・行う」という基本的な動作を表します。ここに “out” がつくことで「外へ示す、浮き彫りにする」というニュアンスが加わり、最初は「何とかやりくりする」「うまくいく」という意味で使われていました。
- ニュアンス・使用時の注意:
- 「やっと理解する」時はフォーマル文脈でも使われますが、「イチャイチャする」の意味は非常にカジュアル・口語的です。公の場では使いにくいので注意が必要です。
- 書面を「書き上げる」という意味はビジネスシーンでも使われます。
- 「やっと理解する」時はフォーマル文脈でも使われますが、「イチャイチャする」の意味は非常にカジュアル・口語的です。公の場では使いにくいので注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 「make out + 目的語」で「何かを解釈する、見分ける」という 他動詞としても、「They made out (together in the library)」のように「キスをする・イチャイチャする」の場合は目的語無しで 自動詞的に使うこともあります。
- フォーマル/カジュアルの使い分け
- 「理解する」意味:比較的広いシーンでOK(日常〜フォーマル書き言葉でも)。
- 「書類を作成する」意味:ビジネス文書内でも使われる。
- 「イチャイチャする」意味:カジュアルで、口語的。
- 「理解する」意味:比較的広いシーンでOK(日常〜フォーマル書き言葉でも)。
慣用的な構文
- I can’t make out what you’re saying.
- They were making out in the back seat.
- Make out the check to “John Smith.”
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “I couldn’t make out the sign in the distance.”
(遠くの看板がよく見えなかった。) - “We made out in the movie theater.”
(映画館でイチャイチャしてた。) - “Could you make out what the speaker said?”
(スピーカーが何を言ったか聞き取れた?)
ビジネスシーン
- “Could you make out an invoice for this order?”
(この注文の請求書を作成してもらえますか?) - “I need you to make out a check to our supplier.”
(仕入れ先宛ての小切手を切ってください。) - “I can’t quite make out the deadline from this memo.”
(このメモからは締め切り日がはっきりわかりません。)
学術的・フォーマル
- “Researchers are attempting to make out the complexities of this phenomenon.”
(研究者たちは、この現象の複雑さを理解しようとしている。) - “It’s difficult to make out the precise meaning of the ancient manuscript.”
(古文書の正確な意味を判別するのは難しい。) - “Scholars have yet to make out the full implications of the new theory.”
(学者たちは、その新しい理論の全面的な意味合いをまだ把握しきれていない。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- figure out (~を理解する)
- より「頭を使って解明する」ニュアンスが強い。
- より「頭を使って解明する」ニュアンスが強い。
- understand (~を理解する)
- 「全般的に理解する」という直接的な動詞。
- 「全般的に理解する」という直接的な動詞。
- discern (見分ける)
- 文章や会話では少しフォーマル。感覚的に「識別する」イメージ。
- 文章や会話では少しフォーマル。感覚的に「識別する」イメージ。
- fill out (書類などに書き込む)
- 「書き込む」という点では類似だが、“make out” は「書類を完成させる」寄り。
- 「書き込む」という点では類似だが、“make out” は「書類を完成させる」寄り。
- kiss (キスする)
- 「make out」はより情熱的で長いキスや軽いスキンシップともなりやすい。
反意語(用法ごとの対比)
- 認識や理解を表すとき → fail to understand(理解し損ねる)
- 書類を書く → leave blank(空欄のままにする)
- イチャイチャする → stay apart(離れている、接触しない)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /meɪk aʊt/
- アクセント: “make” の「メイク」部分と “out” の「アウト」部分を同じくらいしっかり発音します。
- アメリカ英語: [meɪk aʊt] (メイク アウト)
- イギリス英語: [meɪk aʊt] (メイク アウト)
- 大きな違いはありませんが、母音の微妙な違いがある場合も。
- 大きな違いはありませんが、母音の微妙な違いがある場合も。
- よくある間違い: “make” を [maːk](マー)と発音してしまうなど。しっかり [meɪk] と伸ばさずに発音してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「make up」との混同: 「make up」は「埋め合わせをする」「化粧をする」「作り上げる」など全く別の意味になるので注意。
- 「イチャイチャする」意味のカジュアル度: 場面を選ばないと不適切になる場合があります。正式な場で誤って使わないように。
- スペルミス: “makeout” と続けて書かないように注意(ただし、スラング的に “make-out” とハイフンでつなぐ場合はあります)。
- 資格試験などでのポイント: TOEICや英検などでも句動詞はよく出題される分野。文脈に合わせた意味を正しく判断する問題が多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「“make” という基本動詞に “out” = “外に出す” というイメージを重ねると、“何とか外に結論や意味を引き出す” → “理解する・見分ける” → “文書をちゃんと完成させる” という流れを想像すると覚えやすいです。」
- イチャイチャする意味は思春期ドラマや映画でよく出てくるシーンを思い浮かべると、ストーリーとともに記憶しやすいかもしれません。
- 勉強テクニックとしては、「make out + 目的語」「make out (with 人)」など典型的なコロケーションを一緒に覚えると混乱しにくいです。
以上が「make out」の詳細な解説です。複数の意味を持つ句動詞なので、前後の文脈やフォーマル/カジュアルの度合いをきちんと見極めながら使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
を見分ける,を聞き分ける
意味(2)
を理解する
意味(3)
進展する
意味(4)
イチャイチャする, 抱擁する
意味(5)
《...に》仕立て上げる,《人が...であると》もっともらしく言う(見せる)《to be》
意味(6)
うまく...を出る《make it out of ...》