最終更新日:2024/08/31
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元となった辞書の項目

mercury

〈U〉水銀(化学記号はHg) / 《the~》(温度計・晴雨計の)水銀柱

このボタンはなに?

水銀は重い銀白色の液体金属です。

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解説

以下では「mercury」という単語について、できるだけ詳しく解説します。


1. 基本情報と概要

単語: mercury

品詞: 名詞 (主に不可算名詞の用法と、固有名詞の用法あり)

英語での意味:

1) The chemical element mercury (symbol: Hg).

2) The planet Mercury.

3) Mercury, the Roman god of financial gain, commerce, communication, and travelers.

日本語での意味:

1) 水銀 (化学元素・記号: Hg)

2) 水星

3) (ローマ神話の) メルクリウス神

「mercury」は上記のように複数の意味を持ちます。日常的には「水銀」を指す場合が多いですが、天文学の文脈では「水星」を、古典文学や神話の文脈では「メルクリウス神」を示すことがあります。文脈ごとにニュアンスが異なるので注意しましょう。

活用形・その他の品詞


  • 名詞形: mercury (不可算名詞/固有名詞)

  • 形容詞形: mercurial (移り気な、機敏な、敏捷な)

※「mercury」は名詞のまま一般的に形を変えません。「mercurials」などの複数形は通常ありません。

CEFRレベル


  • B2 (中上級): 日常英語としてはやや高度 (化学・天文などの専門分野) の文脈で出ることが多いです。


2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • mercury はラテン語「Mercurius (ローマ神 メルクリウス)」を語源としています。

  • 接頭語・接尾語という明確な分解要素はありませんが、形容詞形として mercur*ial* が派生しています。

派生語・類縁語


  • Mercurial (形容詞): 「移り気な、気まぐれな」「敏捷な」など。

  • Mercurous / Mercuric (形容詞): 化合物として水銀の化合価を表す形容詞 (化学用語)。

コロケーションや関連フレーズ(10個)


  1. the mercury rose(気温が上昇した)

  2. mercury contamination(水銀の汚染)

  3. mercury poisoning(水銀中毒)

  4. trace amounts of mercury(微量の水銀)

  5. liquid mercury(液体の水銀)

  6. planet Mercury(水星)

  7. Mercury orbits the Sun(水星は太陽を公転している)

  8. the statue of Mercury(メルクリウス神の彫像)

  9. the mercury soared(気温が急上昇した)

  10. mercury thermometer(水銀温度計)


3. 語源とニュアンス

語源: ラテン語の神名「Mercurius」。ギリシャ神話におけるヘルメスに相当する、商業・通信・旅行の神としても知られます。


  • 水銀は流動的な性質を持つ金属で、古くから神秘的な物質として考えられてきました。そのため神の名がつけられたともいわれます。

  • 天文では太陽系で最も内側を回る惑星として「水星」があります。

ニュアンスや使用の注意点:


  • 「水銀」の意味で使うときは科学的・化学的な文脈、環境問題、医学などでややフォーマルな響きを持ちます。

  • 「水星」の場合は天文の文脈で使われます。

  • 「(神話の) メルクリウス神」の場合は古典的・文学的文脈で登場します。

  • カジュアルな場面では温度の上昇を表す比喩として「the mercury is rising」(気温が上がっている) と言うこともあります。


4. 文法的な特徴と構文


  • 名詞 (不可算): 化学元素としての「水銀」


    • 例: “Mercury is used in thermometers.” (×mercuries とはしない)


  • 固有名詞: 「水星」「ローマ神話のメルクリウス神」


    • 例: “Mercury is visible just after sunset.” (惑星)


一般的な構文・イディオム


  1. the mercury rises/falls: (気温などが) 上がる/下がる

  2. like mercury: ごく流動的/すばしこい様子を表す比喩的表現

フォーマル/カジュアル使用シーン


  • 科学記事・専門書: “Mercury is a toxic heavy metal.” (フォーマル)

  • 日常会話で気温: “The mercury’s going to hit 100 degrees today!” (カジュアル)


5. 実例と例文

A) 日常会話 (カジュアル)


  1. “Did you see the thermometer? The mercury is almost at 40°C!”


    • 「温度計見た? 水銀がほぼ40℃まで上がってるよ!」


  2. “He moves around the court like mercury; you can’t predict where he’ll go.”


    • 「彼はまるで水銀のようにコートを動き回るね。どこへ行くかわからないよ。」


  3. “I heard mercury is poisonous if you touch it.”


    • 「水銀は触れると有毒って聞いた。」


B) ビジネスシーン


  1. “We need to check for mercury contamination in this factory’s wastewater.”


    • 「この工場の排水に水銀汚染がないか調査する必要があります。」


  2. “The latest regulations restrict the use of mercury in industrial processes.”


    • 「最新の規制では産業プロセスでの水銀使用が制限されています。」


  3. “Global market trends indicate a decline in the demand for mercury-based products.”


    • 「世界的な市場動向は、水銀を使った製品の需要が減少していることを示しています。」


C) 学術的文脈


  1. “Mercury, denoted by the chemical symbol Hg, is the only metallic element that is liquid at room temperature.”


    • 「水銀は化学記号Hgで表され、常温で液体の状態を保つ唯一の金属元素です。」


  2. “Observing Mercury’s phases helped validate the heliocentric model of the solar system.”


    • 「水星の位相を観測することで、太陽中心説を裏付ける手掛かりとなりました。」


  3. “In Roman mythology, Mercury was revered as the messenger of the gods.”


    • 「ローマ神話において、メルクリウスは神々の使者として尊ばれました。」



6. 類義語・反意語と比較

類義語 (意味が近い単語)


  1. Quicksilver (水銀の古い呼び名)


    • 「quicksilver」も水銀を指すが、より古風・詩的な表現。


  2. Hermes (ギリシャ神話の神)


    • 意味としては Mercury と同じ神格だが、ギリシャ神話版。


  3. Hg (化学的表記)


    • 化学式としては同じ物質。文献などではこちらが使われる。


いずれも「水銀」という点では「mercury」と同じ指す対象になりますが、使われる文脈や登録が異なります。

反意語


  • 特に意味的に正反対を示す単語はありません。

    「水銀」の反意語は成立しませんが、文脈によっては「solid metals (固体金属)」が対照的存在になることもあります。


7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA)


  • アメリカ英語 (AmE): /ˈmɝːkjəri/

  • イギリス英語 (BrE): /ˈmɜːkjəri/

アクセントの位置


  • mer の部分に強勢: MER-cu-ry (3音節)

よくある発音の間違い


  • “mer-cur-ry” と3音節で発音しきれず “mer-cy” になってしまうことがある。

  • アメリカ英語では「r」が強く発音される点にも注意。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: “mercury” を “mercurary” や “mercurty” と誤記しないように注意。

  • 同音異義語との混同: 同音異義語は特にないが、「マーキュリー」とカタカナ表記する際に、「マーキリー」など微妙にずれて表記することがある。

  • 試験対策:


    • TOEICや英検では、化学や天文などのパッセージで登場する可能性あり。

    • 特に「environmental pollution (環境汚染)」の文脈で “mercury contamination” が出題されることがある。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「マーキュリー」=「水星(惑星)」= 小さい・動きが速いイメージを結びつける。

  • 水銀(mercury)は唯一常温で液体の金属→「動きのある不思議な銀色の物質」と覚えると印象に残りやすい。

  • ラテン語由来で神話 (Mercury = Hermes) と関連 → 「神のようにすばしこいイメージ」を思い浮かべると、「mercu*rial* (移り気で活発)」という形容詞も合わせて覚えやすい。


以上が “mercury” についての詳細な解説です。用途や文脈に応じて意味が大きく変わるので、ニュース記事などで出会ったときは、文脈を手がかりに「水銀・水星・メルクリウス神」いずれの意味かを判断してください。

意味のイメージ
mercury
意味(1)

〈U〉水銀(化学記号はHg)

意味(2)

《the~》(温度計・晴雨計の)水銀柱

学術英単語(NAWL)/ 英英選択問題 / 英単語⇨英定義

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