元となった辞書の項目
temporal
解説
1. 基本情報と概要
単語: temporal
品詞: 主に形容詞 (まれに名詞としても使用)
英語での意味
- “Temporal” generally means “relating to time” or “relating to the practical or worldly matters as opposed to spiritual or eternal matters.”
日本語での意味
- 「時間の(経過に関連する)」「世俗的な、非宗教的な」「側頭部の(解剖学的に頭部のこめかみ付近の)」といった意味があります。
- 日常的な文脈よりは、学術的・専門的な文脈や宗教的な対比(世俗 vs. 神聖)などで使われる場合が多いです。「時間に関している」「世俗的で、一時的なニュアンスを帯びる」語感を持ちます。
活用形
- 形容詞: temporal (比較級や最上級は通常ありませんが、文脈によって “more temporal” / “most temporal” を使う場合はあります)
- 副詞形: temporally (時間的に)
- 名詞形: “temporal” が名詞として使われる場合(稀)や “temporality” (時間性、儚さ、世俗性) などが存在します。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 学術的または専門的文脈で使われる頻度が高く、日常会話よりは高度な文章で目にすることが多い単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- temporal
- 語幹: “tempor”(ラテン語の “tempus(時間)” に由来)
- 接尾語: “-al”(~の、~に関する)
- 語幹: “tempor”(ラテン語の “tempus(時間)” に由来)
関連語・派生語
- temporary: 一時的な、仮の(“temporal” と混同しやすいですが、こちらは「長く続かない」という意味が強いです)
- contemporary: 同時代の、現代の
- temporally: 時間的に
- temporality: 時間性、儚い世俗の状態
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- temporal lobe(側頭葉)
- temporal bone(側頭骨)
- temporal dimension(時間的次元)
- temporal perspective(時間的視点)
- temporal sequence(時間的な順序)
- temporal shift(時間的シフト)
- temporal relationship(時間的関係)
- temporal analysis(時間に関する分析)
- temporal context(時間的文脈)
- temporal variation(時間的変動)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “tempus” (時間) が語源で、「時間に関わる」「世俗的な」という意味合いを持つようになりました。
- 歴史的には主に「神聖・宗教的(eternal)」との対比で「世俗的(temporal)」を指す場面で使われることが多く、宗教文書や法学文献などで頻繁に登場します。
ニュアンス・使用時の注意
- 神聖なものではなく、世俗的・現世的な部分を強調するのに使う場合があります。フォーマルな文脈・学術論文や法律、哲学、神学などで好んで用いられます。
- 「世俗的な」という文脈では、「一時的で儚い」というニュアンスが含まれることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
形容詞として
- 主に名詞を修飾し、「時間に関する」「この世に関する」といった意味を与えます。
- 例: “temporal issues” 「時間的な問題」, “temporal power” 「世俗的権力」
- 主に名詞を修飾し、「時間に関する」「この世に関する」といった意味を与えます。
名詞として(稀)
- 特に宗教・法制度などで「世俗分野」や「俗事」を指して “the temporal” という形をとることがあります。
- 例: “He left behind the temporal for a monastic life.”(彼は世俗を捨てて修道院生活に入った)
- 特に宗教・法制度などで「世俗分野」や「俗事」を指して “the temporal” という形をとることがあります。
使用シーン
- フォーマルな文章で使われることが多い。
- 日常会話よりも学術的・専門的コンテクストで使用されがち。
- フォーマルな文章で使われることが多い。
5. 実例と例文
(A) 日常会話
- “I’m curious about the temporal aspect of this new app’s data-storage feature.”
(この新アプリのデータ保存機能の時間的側面に興味があるんだ。) - “We need to consider the temporal factors when planning our trip.”
(旅行を計画する際には時間的要因を考える必要があるね。) - “Her headache might be related to the temporal region of her skull.”
(彼女の頭痛は側頭部付近が原因かもしれない。)
(B) ビジネス
- “The project’s success depends on temporal constraints and deadlines.”
(このプロジェクトが成功するかどうかは時間的制約と締め切りにかかっている。) - “We should assess the temporal scope of our marketing campaign to maximize impact.”
(マーケティングキャンペーンの時間的な範囲を検討して、効果を最大化するべきです。) - “Taking a temporal approach, we can forecast sales more accurately.”
(時間的なアプローチを取れば、売上をより正確に予測できます。)
(C) 学術的な文脈
- “In this study, we examine the temporal changes in climate patterns over the last century.”
(本研究では、過去100年の気候パターンにおける時間的変化を調査します。) - “Neuroscientists are focusing on the temporal lobe to understand language processing.”
(神経科学者たちは言語処理を解明するために側頭葉に注目しています。) - “The concept of temporal and eternal has been debated by theologians for centuries.”
(神学者の間では、時間的なものと永遠のものという概念が何世紀にもわたって議論されています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- secular(世俗の)
- 「宗教的ではないさま」を強調する際に使われる。より広く「宗教以外の」という意味。
- 「宗教的ではないさま」を強調する際に使われる。より広く「宗教以外の」という意味。
- worldly(世間的な)
- 「この世で起こることに関わる」というニュアンスで使われる。
- 「この世で起こることに関わる」というニュアンスで使われる。
- transient(はかない、一時的な)
- 一時的に存在するもの、短期間に限るものを強調。
反意語
- spiritual(精神的な、霊的な)
- 「肉体や世俗を超えた聖なるもの、霊的なもの」を意味。
- 「肉体や世俗を超えた聖なるもの、霊的なもの」を意味。
- eternal(永遠の)
- 時間に左右されずに永遠に続くという点で「temporal」の対極にある。
「temporal」は「時間的/世俗的な」側面を強調し、「spiritual」「eternal」は「永遠、不変、聖なるもの」を示すため、この対比で語の意味がわかりやすくなります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈtɛmpərəl/ (アメリカ英語, イギリス英語ともにほぼ同じ)
- アメリカ英語: [テンパラル] / [テムプラル] のように「r」の発音が強め
- イギリス英語: [テンパラル] の “r” がやや弱くなるか、あいまいになることもあり
- アメリカ英語: [テンパラル] / [テムプラル] のように「r」の発音が強め
強勢(アクセント)
- tem-puh-ral のように、最初の音節 “tem” にアクセントがくるのが一般的です。
よくある発音の間違い
- “temporary” ( /ˈtɛmpərɛri/ ) と混同し、-ary の部分が「アル」や「リー」と誤って発音されることがあるため注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “temporary” と混同しない
- “temporary” は「一時的な」、一方 “temporal” は「時間に関する/世俗的な」。
- “temporary” は「一時的な」、一方 “temporal” は「時間に関する/世俗的な」。
- スペルミス
- “temp*oral” と “tempo*rary” は似ているため、書き間違えに注意。
- “temp*oral” と “tempo*rary” は似ているため、書き間違えに注意。
- 法学・神学での使用
- 読解問題や文献で「現世的な権力(temporal power)」といった形で出ることがあるので、TOEIC・英検以上の上級向けリーディングにおいて注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “tempo”(テンポ)という単語を思い出すと「時間の流れ」に関連する意味を連想しやすくなります。
- 「テンポラル=テンポ(時間)の+アル(形容詞化)」のイメージで、音楽の「テンポ」に近い感覚をもつと覚えやすいでしょう。
- 「時間」に関係した概念を扱う文章や、「宗教 vs. 世俗」という対比に着目した文脈でよく登場するため、そういった分野の文章を読むときに意識することで定着しやすくなります。
以上が “temporal” の詳細解説です。時間や世俗性を表すキーワードとして、多彩な文脈で使われますので、類似語との違いに注意しながらマスターしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
時の,時間の
意味(2)
この世の,現世の;俗界の
意味(3)
一時的な,はかない