元となった辞書の項目
counsel
解説
1. 基本情報と概要
英単語: counsel
品詞: 名詞・動詞 (両方で使われます)
CEFRレベル: B2(中上級)
- ある程度英語学習が進んで、抽象的な語や法律的な文脈を理解し始める段階で登場する単語です。
英語での意味
- 名詞: “advice or guidance,” especially formal or professional advice, often in a legal context.
- 動詞: “to give advice or guidance to someone.”
日本語での意味
- 名詞: 「助言」「相談」「(特に法律面などでの)アドバイス」
- 動詞: 「助言する」「勧める」
普段はフォーマルなニュアンスで、特に法律や専門家が行う「相談・助言」を指す時によく使われます。「カウンセリング」という言葉に近い感触ですが、法律家の「弁護人」という意味でも使われます。
単語の活用形
- 動詞の場合:
- 現在形: counsel / counsels
- 過去形: counseled (米) / counselled (英)
- 過去分詞形: counseled (米) / counselled (英)
- 進行形: counseling (米) / counselling (英)
- 現在形: counsel / counsels
他の品詞への派生(例)
- counselor (名詞) : 「カウンセラー、法律相談役、顧問弁護士」など
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- counsel はラテン語「consilium」(相談、意見、助言など)に由来し、フランス語を経由して英語に入ったと考えられています。
- 明確な接頭語や接尾語は含まれていませんが、語幹 “counsel” が「助言する」という意味合いを保っています。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- legal counsel
- 「法律顧問」
- 「法律顧問」
- seek counsel
- 「助言を求める」
- 「助言を求める」
- counsel of record
- 「(裁判で)公に記録された弁護士」
- 「(裁判で)公に記録された弁護士」
- counsel against something
- 「(何かに対して)しないよう忠告する」
- 「(何かに対して)しないよう忠告する」
- take counsel
- 「助言を受ける / 相談する」
- 「助言を受ける / 相談する」
- house counsel
- 「社内弁護士 / 企業内顧問弁護士」
- 「社内弁護士 / 企業内顧問弁護士」
- provide counsel
- 「助言を与える」
- 「助言を与える」
- keep one's own counsel
- 「考えを明かさない、胸に秘めておく」
- 「考えを明かさない、胸に秘めておく」
- counsel together
- 「(人々が集まって)相談する」
- 「(人々が集まって)相談する」
- medical counsel
- 「医療相談 / 医療の助言」
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語 “consilium” (相談、熟慮)から古フランス語 “conseil” を経て、中英語 “counseil” と変化し、現代英語の “counsel” になりました。もともとの意味は「相談・考慮」でしたが、特に法律の分野での「助言」「弁護士(弁護)」を指す意味が強くなりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 主にフォーマルな場面で使われます。
- 法律や専門的な分野での「助言」や「指導」を意味することが多く、一般的な「アドバイス(advice)」よりも専門性や正式感がある響きがあります。
- “council” (評議会) とスペルが似ていて混同されやすいですが、意味が異なるので注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
名詞として
- 不可算名詞として扱われることが多いです。
- 例: She sought legal counsel.(彼女は法律上の助言を求めた)
動詞として
- 「助言する」「勧める」という意味で、目的語を直接取る他動詞として使われます。
- 例: I counseled him to speak with a lawyer.(彼に弁護士に相談するよう助言した)
イディオム
- keep one's own counsel: 自分の考えを人に話さないでおく、胸にしまっておく
- take counsel with someone: (誰かと)相談する
フォーマル/カジュアル
- 「counsel」は特にフォーマルな文章や法律関係、公式な助言のシーンで使われます。日常会話では「advice」「recommend」といった単語の方が一般的です。
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
- “I need some counsel on how to handle my finances.”
「お金のやりくりについて助言が欲しいな。」 - “She always counsels me to stay calm in difficult situations.”
「彼女はいつも難しい状況で落ち着くよう助言してくれるんだ。」 - “He offered his counsel without being asked.”
「彼は頼まれもしないのに助言してくれた。」
ビジネス (3例)
- “We should seek counsel from our legal advisor before finalizing the contract.”
「契約を締結する前に、顧問弁護士に相談した方が良いですね。」 - “Our company’s in-house counsel reviewed the document for compliance issues.”
「うちの会社の社内弁護士が、その書類をコンプライアンス的にチェックしました。」 - “They provided professional counsel for our new business strategy.”
「彼らは私たちの新規ビジネス戦略に専門的な助言をしてくれました。」
学術的・専門的な文脈 (3例)
- “The policy paper offers counsel on how to implement the new regulations.”
「その政策文書は、新しい規制を導入するための助言を提供しています。」 - “Her dissertation provides counsel to policymakers grappling with climate change.”
「彼女の論文は、気候変動に取り組む政策立案者たちに助言を示しています。」 - “He was counseled by a panel of experts before publishing his findings.”
「彼は研究結果を公表する前に、専門家委員会から助言を受けました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- advice (アドバイス): 一般的・口語的。「counsel」よりフォーマル度は低め。
- guidance (指導・助言): 教育的/専門的なニュアンスが強い。
- recommendation (推薦・勧告): 具体的な提案や指示に近い。
- direction (指示・指導): もう少し命令に近い 強めのニュアンス。
反意語
- 「counsel」の明確な反意語は決まりにくいですが、強いて言えば mislead(誤った方向へ導く)や misinform(誤って情報を与える)が真逆の行為として挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈkaʊn.səl/
- アメリカ英語: [カウンスル](/ˈkaʊn.səl/)
- イギリス英語: [カウンスル](/ˈkaʊn.səl/)
- アメリカ英語: [カウンスル](/ˈkaʊn.səl/)
- アクセントは 最初の音節 “coun-” に置かれます。
- よくある間違いとして “council (評議会)” と混同しやすく、綴り (c-i-l と c-e-l) や発音に気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “counsel” と “council” はしょっちゅう混同されます。意味も発音も似ていますが、「-sel」と「-cil」の違いに注意してください。
- “couns*e*l” の語尾が “sel” になっていることをしっかり覚えておくと良いでしょう。
- 動詞の場合、アメリカ英語は “counseled / counseling”、イギリス英語は “counselled / counselling” と表記が異なる点に気をつけます。
- 試験対策: TOEICや英検などのリーディングパートで法律やビジネス文書に関する問題が出る際、本単語が比较的フォーマルに使用されることがあります。文脈から「助言」「相談」「顧問弁護士」などの意味を推測しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「カウンセリング(counseling)」を思い出すと、「助言」「相談」「アドバイス」の意味を連想しやすいです。
- 「Counsel」は「カウンセル」と発音するので、 “セル(Cell)” 内で「助言のためにこもって話をする」イメージで覚えるとスペルミスを防ぎやすいかもしれません。
- 「Council (評議会)」は “-cil” の部分が「集まり(Circle)」を連想できるので、「みんなが集まる会」という印象で区別するとよいでしょう。
以上が “counsel” の詳細な解説です。ぜひ参考に学習を進めてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉協議,相談,評議
意味(2)
〈U〉〈C〉助言,忠告,勧告(advice)
意味(3)
《集合的に》弁護士団
意味(4)
〈人〉‘に'助言する,忠告する,勧める