元となった辞書の項目
annum
解説
以下では、英単語 “annum” をできるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “annum” = “year”(年)
- 日本語: 「年」という意味で、主に「per annum(年あたり)」というフレーズのなかで使われます。年利や年俸といった、1年単位の金額や割合を表すときに使われる少しフォーマルな言葉です。
品詞と活用
- 品詞: 名詞 (noun)
- 活用形: 主に「annum」のまま使われます。日常的にはあまり単独で使いませんが、「per annum」という形でよく登場します。
- 他の品詞に変化した例(派生形):
- “annual” (形容詞: 毎年の)、例: “annual report”
- “annually” (副詞: 毎年)
- “annual” (形容詞: 毎年の)、例: “annual report”
CEFRレベルの目安
- C1(上級): 一般の会話や基本的な学習ではあまり登場しない単語です。金融や法律関連などで使われるフォーマルな表現として学習することが多いでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
“annum” はラテン語由来の「年」を意味する単語です。語幹 “ann-” は「年」を意味しています。
他の単語との関連性(派生語・類縁語など)
- “annual” : 毎年の、年次の
- “anniversary” : 記念日
- “annuity” : 年金
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- per annum → 年あたり
- salary per annum → 年俸
- interest rate per annum → 年利
- income per annum → 年収
- growth rate per annum → 年成長率
- 5% per annum → 年間5%(金利・成長率など)
- rent per annum → 年間家賃
- average cost per annum → 年間平均費用
- revenue per annum → 年間収益
- budget per annum → 年間予算
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “annus”(年)から派生した言葉です。英語では古くから法律文書や金融文書など、公的かつフォーマルな場面で使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 一般の日常会話ではあまり使わず、特に金融や法的書類、ビジネス文書など、正式な文面や専門性の高い場面で使われます。
- “per annum” は頻出表現で、「1年あたり」という計算や金額、利率を示す際によく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として使われますが、単独で「annum」というより、「per annum」という成句として使われるケースが圧倒的に多いです。
- 不可算名詞として扱うことが多いですが、フォーマルな表現の一部(例えば “5,000 dollars per annum”)として機能します。
一般的な構文・イディオム
- “per annum” のみがほとんどで、定型的に “(金額/率) + per annum” の順序で用いられます。
- 例: “She earns $60,000 per annum.”(彼女は年俸6万ドル稼いでいる)
フォーマル / カジュアル
- フォーマル度がかなり高い表現です。日常会話では “a year” と言うのが一般的です。
5. 実例と例文
以下では、日常会話・ビジネス・学術的な文脈など、場面別に例文を示します。
日常会話 (3例)
- “My college fee is around $10,000 per annum.”
(私の大学の学費は年あたり1万ドルほどです。) - “They told me the membership costs $300 per annum.”
(会員費は年300ドルかかると聞きました。) - “The car insurance will be about £500 per annum.”
(車の保険は1年あたり500ポンドほどです。)
ビジネス (3例)
- “Our company’s revenue has increased by 8% per annum over the last three years.”
(当社の収益は過去3年間、年率8%で増加しています。) - “We have a budget of $2 million per annum for this project.”
(このプロジェクトには毎年200万ドルの予算があります。) - “The new salary package will offer $70,000 per annum, plus bonuses.”
(新しい給与体系では、年俸7万ドルに加えてボーナスが支給されます。)
学術的 (3例)
- “The average growth rate of the population was estimated at 1.2% per annum.”
(人口の平均成長率は年1.2%と推定されています。) - “According to the study, forest coverage decreased by 0.5% per annum.”
(研究によれば、森林の被覆率は年0.5%ずつ減少していました。) - “The compound interest is calculated at 3% per annum.”
(複利は年3%で計算されます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “yearly” (副詞・形容詞: 毎年)
- “I get a yearly bonus in December.”
- 日常的でカジュアル。
- “I get a yearly bonus in December.”
- “annual” (形容詞: 年次の)
- “We publish an annual report.”
- 少しフォーマル。
- “We publish an annual report.”
- “per year”
- “She earns about $50,000 per year.”
- 最も一般的なカジュアル表現。
- “She earns about $50,000 per year.”
“annum” は「フォーマルな文書」でする表現というニュアンスです。
“per year” は最もカジュアルで使いやすい形です。
“annual” や “yearly” は形容詞や副詞としてしばしば使われる点が異なります。
反意語
- “Bonus for a partial term” や “Short-term rate” など、「短期」や「年ではない単位」を表す要素が対比になりますが、直接的な反意語はありません。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈænəm/
- アメリカ英語 /ˈænəm/
- イギリス英語 /ˈænəm/
- アメリカ英語 /ˈænəm/
- 強勢: 第1音節 “an-” にアクセントがあります。
- よくある間違い: “annum” の “u” を “a” と混同して “annam” と綴ってしまったり、音を “ăn-nŭm” ではなく “a-num” のように曖昧にしてしまうミスなど。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “annum” を “anumm” や “annun” と誤綴することがあるので注意。
- “annual” や “annuity” などと混同しやすい: どれも “ann-” で始まりますが、品詞と意味が異なります。
- “per annum” はフォーマル寄り: TOEICやビジネス英語の場面で出題される可能性があるため、覚えておくとビジネス文書を読む際に便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “annum” = “年” という意味のラテン語 “annus” が由来。
- “annual”“anniversary” など “ann-” が「年」のイメージを持つと覚えておくと連想しやすい。
- 一般会話で “annum” を使うことは稀なので、試験・ビジネス・契約書などフォーマルで固い書き言葉の場面で使われやすいとイメージしておくと覚えやすいでしょう。
以上が “annum” の詳細な解説です。「per annum」という形でよく使われることが多く、特に金融やビジネス、法的文書などフォーマル度の高い文章で登場することが多い単語です。ぜひ参考にしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
年
意味(2)
(per annum「毎年、年ごとに」の形で使われる)